[第2学年]
1 目 標
(1)力のつりあい、音、電流の作用などの現象や、酸・アルカリ・塩などの物質について、その基本的な性質を理解させ、また、これらの調べ方に習熟させる。
(2)気象現象の起る様子を理解させ、また、天気予報についての知識を得させ、気象現象と生活との関係を認識させる。
(3) 生物体(人体を含む。)の構造とはたらきを、分析的に関係的に理解させる。
2 内 容
a 第1分野
(1) 酸・アルカリ・塩の化学的な関係を、それぞれの代表的な物質について指導する。
ア 酸
(ア)酸の水溶液
a 塩酸・硫酸・硝酸のうすい水溶液の性質を調べる。
b 塩酸・硫酸のうすい水溶液の金属に対するはたらきを調べる。
(イ)おもな酸の性質
濃い塩酸、濃い硫酸、濃い硝酸および酢酸の性質を知る。
イ アルカリ
(ア)アルカリの水溶液
a 水酸化ナトリウム・水酸化カルシウムなどのうすい水溶液の性質を調べる。
b 水酸化ナトリウムの濃い水溶液のはたらきを調べる。
(イ)おもなアルカリの性質
水酸化ナトリウムおよび水酸化カルシウムの性質を知る。
ウ 塩
(ア)中和と塩
a 酸とアルカリが中和すること、および中和によって塩ができることを理解する。
b 金属と酸によって塩ができることを調べる。
(イ)塩の水溶液
a 塩の色を調べる。
b 炭酸ナトリウム、硫酸銅、塩化第二鉄などの水溶液は中性を示さないことを調べる。
(2)力と仕事についての基本的な性質、および動力を伝える方法、物が力によって変形することなどを指導する。
ア 力のつりあい
(ア)力
力は、大きさと方向によって表わされることを理解する。
(イ)1点にはたらく力のつりあい
a 2力のつりあいを理解する。
b 作用と反作用との関係を理解する。
c 3力のつりあいを理解する。
d 力が合成・分解できることを知る。
(ウ)斜面と摩擦
a 斜面上の物体にはたらく力を調べる。
b 斜面の利用を知る。
c 摩擦力は、物と物とが接する面にはたらくことを理解する。
イ 力のモーメント
(ア)てこと滑車
a 力のモーメントのはたらきとその表わし方を理解する。
b てこの原理を理解する。
c 滑車のはたらきをてこの原理から理解する。
(イ)物体の安定
a 棒や板は、それらの重心でささえられること、および立体的な物体にも重心があることを調べる。
b 物体のすわりのよしあしと重心の位置との関係を調べる。
c 船の安定について知る。
ウ 仕事
a 仕事の表わし方を知る。
b 仕事の原理を理解する。
c 仕事率の意味とその表わし方を知る。
エ 動力の伝達
a 回転の速さや向きを変えるしくみに、ベルト、チェーン、歯車などが用いられることを理解する。
b 往復運動と回転運動とを互に変えるしくみに、クランク、カムなどが用いられることを理解する。
オ 材料の強さ
(ア)物の変形
a 物の弾性変形、そ性変形および破壊について知る。
b 物の弾性変形についてフックの法則がなりたつことを確かめる。
(イ)じょうぶな組合せ
a 棒の形と強さの関係を調べる。
b 棒を三角形に組み合わせると,じょうぶであることを調べる。
(3)音が波であること,および音の波としての性質について指導する。
ア 音波とその伝わり方
a 水の波によって波の性質を調べ,また,音が空気の波であることを知る。
b 音の伝わる速さを調べる。
イ 音の性質
(ア)音の高さ・強さ・音色―音の高さと振動数,音の強さと振幅および音色と波形の関係を知る。
(イ)音の共鳴とうなり
a おんさと適当な長さの空気柱とが共鳴することを調べる。
b 振動数のわずかに違う二つのおんさで,うなりが発生することを調べる。
(4)電流の強さと電圧・抵抗との関係および電流の熱作用や化学作用について指導する。
ア 電気と電流
(ア)摩擦電気
a 正の電気と負の電気があることを調べる。
b 雷は放電であることを知る。
(イ)電流・電圧・抵抗
a 電圧と電流との関係を理解する。
b 電気抵抗が物質により形によって違うことを調べる。
c 電圧・電流・抵抗の間にはオームの法則がなりたつことを理解する。
イ 電流の熱作用
(ア)電流による発熱
a 電流によって熱が発生することを理解する。
b 安全電流と安全器および感電について知る。
(イ)電力
電力と電力量について理解する。
ウ 電流の化学作用
(ア)電解質
a 電解質の水溶液は,電流を伝えることを調べる。
b イオンについて知る。
(イ)電気分解
a 食塩水を電気分解し,それによってできる物質を調べる。
b 金属塩と金属板を用いて電気めっきができることを知る。
(ウ)電池
ボルタの電池を調べ,その原理が実用の乾電池・蓄電池にも用いられていることを知る。
B 第2分野
(1)気象現象について,その変化の様子や原因および日本の天気の特徴を指導する。
ア 気温
(ア)気温の変化
a 気温の変化を調べ,最高・最低気温,日平均気温および較差について知る。
b 気温は,海面からの高度によって違うことを知る。
(イ)気温変化の原因
a 日射,放射,対流および移流が,気温を変えるおもな原因であることを理解する。
b 地面や海が気温の変化に関係することを知る。
イ 雨と雪
(ア)湿度の変化
a 乾湿計による湿度の測り方を習得し,また,湿度計について知る。
b 湿度には,日変化,年変化および場所による違いがあることを理解する。
c 水の蒸発のしかたは,温度,湿度,風などによって違うことを知る。
(イ)雲と霧
a 雲量や雲形を中心にして,雲の測り方を知る。
b 雲や霧が,水滴または氷晶の集りであることや,大気中に浮んでいるわけを知る。
c 霧および雲のでき方の大要を理解する。
(ウ)降水
a 降水には雨,雪,あられ,ひょうなどがあることを知る。
b 降水量の測り方を知る。
ウ 気圧と風
(ア)気圧の測り方
気圧は水銀気圧計,アネロイド気圧計などで測ることを知り,海面更正が必要なことを理解する。
(イ)風の原因
気圧傾度によって風が吹くことを理解し,高気圧・低気圧における風の吹き方を知る。
(ウ)風の測り方
風向(16方位)や風速の測り方を知る。
(エ)風の変化
a 風には日変化と年変化のあることを知る。
b 暴風と風圧および防風林のはたらきについて知る。
エ 天気の変化
(ア)天気図
a 簡単な天気図を作り,その見方を知る。
b 高気圧,低気圧,気圧の谷,前線(温暖・寒冷・停滞)および気団ならびにそれらと天気の変化との関係を理解する。
イ 日本の天気
日本の天気の大要を理解し、天気が生活と関係の深いことを知る。
ウ 天気予報
天気予報や気象警報が出るまでの経過の大要と、それらの利用について知る。
2 植物の各器官は、それぞれ特有の組織をもち、決まったはたらきを営むことを指導する。
ア 葉の構造とはたらき
(ア)蒸散
植物体は、葉から水分を蒸散していることを調べ、その意義を知る。
(イ)葉の構造
a 葉の表と裏とで気孔の分布に違いのあることを調べる。
b 葉をつくっている組織や、葉脈の断面の構造を調べる。
(ウ)光合成
a 光合成でデンプンがつくられることをヨウ素試法で調べ、光合成の条件を知る。
b 光合成によってつくられたデンプンの移動と貯蔵について知る。
イ 茎の構造とはたらき
(ア)茎の内部構造
a カボチャなどやトウモロコシなどの茎の内部構造を調べ、双子葉植物と単子葉植物の茎の内部構造のおもな違いを知る。
b マツなどの裸子植物の茎の内部構造を知る。
c 草本と木本の茎の構造の違いを知る。
ウ 根の構造とはたらき
(ア)根の構造
根の先の断面の構造を調べ、成長点や維管束があることを知る。
(イ)吸収
a 根は根毛で水分や養分を吸収することを知る。
b 肥料の3要素および水耕法について知る。
エ 植物の呼吸
植物が呼吸していることを確かめ、呼吸熱について知る。
(3)人体のおもな器官の構造とはたらきや、体内における物質の変化について指導し、あわせて他のおもな動物の器官のはたらきを指導する。
ア 人体の構造の大要
(ア)カエルのからだの構造
a カエルを解剖して、おもな内臓を知る。
b カエルの皮膚、筋肉および骨格について知る。
(イ)人体の構造ー人体の各部や諸器官の大要を知る。
イ 食物
(ア)食物と栄養
a 食物には、植物性のもの、動物性のもの、無機物などがあり、それらには、生きていくために必要な物質が含まれていることを知る。
b 糖やデンプンは、炭素、水素および酸素の化合物であることを知る。
c タンパク質は、炭素、水素のほかに窒素などを含む化合物であること、およびタンパク質の簡単な検出法を知る。
d 脂肪は、炭素、水素および酸素の化合物で水に混じらないこと、および脂肪の簡単な検出法を知る。
e おもなビタミンを知る。
(イ)腐敗と発酵
a 腐敗は、細菌のはたらきによって起ることを確かめる。
b アルコール発酵が、酵母菌のはたらきによって起ることなどから、発酵の意味を知る。
ウ 消化器とそのはたらき
(ア)消化器の構造
a ヒトのおもな消化器と消化せんについて知る。
b ウシ、ニワトリなどの消化器と、ヒトの消化器との違いを知る。
(イ)消化と吸収
a だ液のはたらきを調べ、消化の意味を理解する。
b おもな消化液の種類とそのはたらきを知る。
c 小腸の吸収作用について知る。
エ 循環器とそのはたらき
(ア)血管と心臓
a ヒトの心臓の構造について理解し、また、血管には動脈と静脈のあることを知る。
b 魚やカエルの心臓とヒトの心臓との違いを知る。
(イ)血液の循環
a 大循環と小循環について理解する。
b はく動について知る。
(ウ)血液とリンパ
a 血液のおもなはたらきを理解する。
b リンパと血液の違いと、リンパせんのはたらきを知る。
オ 呼吸器および排出器とそれらのはたらき
(ア)呼吸
a 気道と肺の構造を知る。
b 呼吸運動のしくみを理解する。
c 呼吸が必要なわけと内呼吸・外呼吸について理解する。
d コン虫,魚などの呼吸について知る。
(イ)排出
a 排出器の構造と,そのはたらきを知る。
b 汗せんとそのはたらきを知る。
カ 骨格と筋肉
(ア)骨格と筋肉のなりたち
a ヒトのおもな骨格と筋肉を知り,また,硬骨と軟骨の違いを知る。
b 横紋筋と平滑筋の違いを知る。
(イ)骨と筋肉のつながり
a 関節の構造と筋肉運動との関係を理解する。
b ヒトの骨格とエビ・カニの仲間やコン虫の骨格との違いを理解する。
キ 感覚と調節
(ア)中枢神経と末しょう神経―脳・せき髄の構造と末しょう神経の構造の大要を知る。
(イ)反射
a 反射運動の起るわけを理解する。
b 内蔵の運動やはたらきも,神経によって調節されていることを知る。
(ウ) 目と耳
a 目の構造について,水晶体や網膜のあることを知り,目のはたらきを理解する。
b コン虫などは複眼をもっていることを知る。
c 耳の構造について,鼓膜や内耳のあることを知り,耳のはたらきを理解する。
(エ)鼻と舌
a 鼻の構造と臭覚について知る。
b 舌と味覚について知る。
(オ)皮膚
a 皮膚の構造と皮膚感覚について理解する。
b 皮膚の体温調節のはたらきを理解する。
(カ)内分泌
a ヒトのおもな内分泌せんを知る。
b おもなホルモンのはたらきについて知る。
3 指導上の留意事項
(1)A(1)における化学式および化学反応式の取扱については、〔第1学年〕3の(2)に準ずる。B(2)およびB(3)の指導では各種の物質を取り扱い,実験などを行って、理解を深めなければならないが、これらの物質の多くは有機化合物で構造が複雑であるから、化学式では示さない。
(2)B(1)については、〔第1学年〕A第1分野の学習経験を基礎とし、またB第2分野における生物や地表の変化に関する学習経験にも関連づけて指導する。
(3)この学年の生徒は,数量関係を文字を用いた式で取り扱うことができるよなるが、文字を用いた式を使うときには,その意味をじゅうぶんに理解させるように指導しなければならない。また、A(2)ア(イ)、(ウ)などで分力を求めるときは、縮図の力法による。
(4)B(3)におけるヒト以外の動物の構造とはたらきについては、それらの目だった特徴や人体とのおもな違いを理解させる程度にとどめる。
〔第3学年〕
1 目 標
(1)物の運動,光および電磁気の性質と法則を現象を通して理解させ,また,物質の構造や電波についての初歩的な知識を得させる。
(2)生物は,種族を保ちながら進化していくこと,生物は多種多様であるが,それらは地球の歴史とともに進化したもので,系統ある類縁関係を示していることを理解させる。
(3)太陽系の構造と地球や月の運動およびそれらの運動と生活との関係を理解させ,また,恒星や宇宙についての概要を知らせる。
(4)天然資源がどのように開発され,また,加工されて利用されるかを知らせる。
2 内 容
A 第1分野
(1)光が直進し,物の境界面で反射・屈折すること,および光の色や物体の色について指導する。
ア 光の進み方
(ア)光線と影
a 光が直進すること,および光源の大きさによって本影と半影ができることを理解する。
b 光の速さは非常に大きいことを知る。
(イ) 光源と明るさ
a 光源の強さと照される面の明るさとの関係を理解する。
b 光度の単位としてカンデラ,照度の単位としてルクスが用いられることを知る。
イ 光の反射
(ア) 反射のしかた
a 光が反射するとき,反射の法則がなりたつことを理解する。
b 平滑でない面では,乱反射が起ることを理解する。
c 平面鏡によって物体の像ができることを理解する。
(イ)球面鏡
a おう面鏡やとつ面鏡による像のでき力を理解する。
b 球面鏡が利用されている様子を知る。
ウ 光の屈折
(ア)屈折のしかた
a 物質の境界面で光が屈折したり、反射したりすることを調べる。
b 屈折率を測定と作図によって求め、それが入射角によって変らないことを理解する。
c 水から空気へある角度以上で入射する光は、全反射することを確かめる。
d プリズムによる全反射を利用して、光の進路が変えられることを調べる。
(イ)レンズ
a とつレンズやおうレンズで、平行な光線、集まる光線または広がる光線が得られ、また、像ができることを理解する。
b 二つのレンズを使って、望遠鏡あ顕微鏡の原理を調べる。
c 近視と遠視のめがねのはたらきを知る。
エ 色
(ア)スペクトル
a 太陽光線は、プリズムによっていろいろな色の光に分けられることを確かめる。
b 紫外線とけい光について知る。
c 赤外線について知る。
(イ)物体の色
a 物体が固有の色をもつわけ、および絵の具の3原色について知る。
b 高温度の物体は光を出し、その光の色が温度によって変ることを調べる。
(2)おもな気体の性質、沈殿の生成、酸化と還元などの化学変化について指導する。
ア 気体の生成
(ア)おもな気体の性質
a 炭酸塩と塩酸から二酸化炭素をつくり、そのおもな性質を理解する。
b 食塩と濃硫酸から塩化水素をつくり、そのおもな性質を理解する。
c アンモニウム塩とアルカリからアンモニウムをつくり、そのおもな性質を理解する。
d 塩酸と酸化剤から塩素をつくり、そのおもな性質を理解する。
e カルシウムカーバイドと水からアセチレンをつくり、そのおもな性質を理解する。
(イ)気体の水溶液からの気体の発生
二酸化炭素、塩化水素、アンモニアなど、水に溶けやすい気体の水溶液から気体を発生させる反応を調べる。
イ 沈殿の生成
(ア)水に溶けやすい塩と溶けにくい塩―硝酸銀と塩化銀、塩化バリウムと硫酸バリウム、塩化カルシウムと炭酸カルシウムのように、水に溶けやすい塩と溶けにくい塩があることを理解する。
(イ)沈殿ができる反応
a 塩化銀、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどが沈殿となって生成する反応があることを調べる。
b 塩素イオン、硫酸イオン、カルシウムイオンなどのイオンの検出のしかたを知る。
ウ 酸化と還元
(ア)金属の酸化
金属について、激しい酸化とゆるやかな酸化があることを調べる。
(イ)金属酸化物の還元
a 金属酸化物のあるものは、還元炎によって還元されることを調べる。
b 金属酸化物のあるものは炭素や水素によって還元されることを調べる。
(3)電流と磁界との関係および交流と直流の性質の違いについて指導する。
ア 磁石と電流
(ア)磁石の性質
a 磁石が磁界をつくることを調べる。
b 地球は大きい磁石であることを知る。
c 磁界中の鉄片は、磁石になっていることを知る。
(イ)電磁石とその応用
a 電磁石の構造とはたらきを調べる。
b コイルに流れる電流が磁界をつくることを理解する。
c 直流電動機の原理を理解する。
d 電流計・電圧計の原理を理解する。
e スピーカーのはたらくわけを理解する。
イ 交流
(ア)電磁誘導
a 磁石の運動によってコイルに電圧が生ずることを調べる。
b 電磁誘導の現象を理解する。
c 交流発電機の原理を理解する。
d 電磁誘導の原理を応用したマイクロホンのはたらきを理解する。
(イ)交流
a コイルは、直流と交流に対して、そのはたらきに違いがあることを調べる。
b 変圧器の原理を理解する。
(4)落下の速さの変化、力と運動の関係およびエネルギーの概念について指導する。
ア 落下運動
(ア)物体の速さ
a 一様な速さの表わし方を理解する。
b 等速直線運動の性質を理解する。
(イ)落下の様子
a 落下の速さは、時間とともに増すことを理解する。
b 落下の速さは、重さによらないことを確かめる。
c 水平に投げられた物体の速度(速さと方向)を定性的に理解する。
イ 力と運動
(ア)重力
a 物体が落ちるのは、地球に引かれるからであることを理解する。
b 重力は、地球の引力であることを知る。
(イ)運動の法則
a 慣性の法則を理解する。
b 一様な加速度について、加速度の意味を理解する。
c 物体に力を加えると加速度を生ずることを理解する。
(ウ)振り子の運動
a 振り子の運動が等時性をもつこと、および振り子の長さと周期の関係を調べる。
b 振り子の運動が継続するわけを定性的に理解する。
(エ)向心力
a 円運動をしている物体には、中心に向いている力がはたらいていることを理解する。
b 円運動をしている物体にはたらいている向心力がなくなれば、物体は直線運動をすることを確かめる。
(オ)流れから受ける力
板を流れに対して斜めにおくと、板は、流れに対して横向きにも力を受けることを調べる。
ウ エネルギー
(ア)熱機関
a 熱が仕事に変ることを理解する。
b 蒸気機関や内燃機関は、シリンダーとピストンの機構によって動力を得るしくみであることを知る。
c 蒸気タービンは、はね車の機構によって動力を得るしくみであることを知る。
d ロケットやジェットは、吹き出す気体の反作用によって推す力を得るしくみであることを知る。
(イ)エネルギー
エネルギーは、いろいろな形をとること、およびそれらの移り変りについて知る。
(5)電波が受信できること、および原子の構造の大要について指導する。
ア 電子と真空管
(ア)二極管と電子
二極管が整流作用をもつことを調べ、それが電子の性質によって説明できることを知る。
(イ)三極管のはたらき
三極管によって電圧の変化が増幅されることを知る。
イ 電波とラジオ
(ア)電波
a ラジオの波、光およびX線は、すべて電波であることを知る。
b X線は、透過力が大きいことを知る。
(イ)ラジオ
a アンテナが電波を受けると、電波に応じた交流が流れることを知る。
b コイルに流れる交流によって、そのコイルの両端に電圧が生ずることを知る。
ウ 原子の構造
(ア)真空放電
a ネオンサインなどでみられるように、希薄な気体中に真空放電が起ることを知る。
b 陰極線の性質から、ブラウン管の原理を知る。
(イ)原子の構造
a 原子は、原子核と電子とからできていることを知る。
b 原子核は、陽子と中性子とからできていることを知る。
c 放射性元素は、放射線を出すことを知る。
d 人工的に元素を変換できることを知る。
B 第2分野
(1)生物のいろいろなふえ方および遺伝のしくみとその利用について指導する。
ア 生物の成長と細胞分裂
(ア)生物の成長
a 動物には成長の間に変態するものがあることを知る。
b 植物の発芽と成長の様子を調べる。
c 植物は、成長する間に、いろいろな成長運動をすることを知る。
(イ)細胞の分裂
a 細胞分裂には、直接分裂と間接分裂があることを知る。
b 生物の成長は、細胞分裂によることを理解する。
イ 無性生殖
(ア)分裂・出芽・胞子形成
a 細菌、アメーバ、ケイソウ、酵母菌などは、分裂または、出芽によってふえることを理解する。
b カビ類は、無性的に胞子によってふえることを調べる。
(イ)栄養生殖
植物は地下茎などによって無性的にふえることや、さし木・取り木・つぎ木などによってふやすことができることを知る。
ウ 有性生殖
(ア)植物の受粉と受精
a 花粉の発芽を調べる。
b 花粉がはい珠に達して受精が行われることを理解する。
(イ)動物のふえ方
a 動物の雌雄の違いについて知る。
b 動物の受精の過程を知る。
エ 発生
(ア)卵の割れ方
カエルなどの卵の初期の割れ方を知る。
(イ)はいの発生
発生が進むにつれて、組織や器官ができるようになることを知る。
オ 遺伝と変異
(ア)遺伝
a 生物には、遺伝する形質と遺伝しない形質があることを知る。
b 生物の形質には、いろいろな変異があることを知る。
(イ)遺伝のしくみ
a 染色体と遺伝の関係についての大要を知る。
b メンデルの法則の大要を知る。
(ウ)品種改良
a 品種改良の方法には、選択法、交換法、人為突然変異法などがあることを理解する。
b 良い形質を保存する方法について知る。
(2)化石や地質構造からわかった地質時代の変遷、生物進化の事実とその説明および生物の系統と自然分類について指導する。
ア 地表の歴史
(ア)地表の歴史を知る手がかり
a 整合・不整合などの地層の重なり方は、過去の自然を知る手がかりの一つになることを理解する。
b 化石から、過去の自然環境や地層の時代を推定できることを知る。
(イ)地質時代と生物
a 地質時代の区分は、主として化石をもとにしていることを理解する。
b 太古代・古生代・中生代・新生代の自然の様子やおもな生物について知り、生物の移り変わってきた大要を理解する。
c 人類の出現と進化の大要を知る。
(ウ)日本列島の歴史
a 日本列島の地質時代の様子の大要を知る。
b 日本の地質構造の特徴を知る。
イ 生物の進化
(ア)進化の事実
生物進化の事実を、化石、発生、分布、形態の比較などから理解する。
(イ)進化の説明
ラマルク、ダーウィン、ド=フリスなどの進化についての考えを知る。
ウ 生物の系統と分類
(ア)生物の系統
生物の種類は、系統的に配列できることを理解する。
(イ)生物の分類
生物の自然分類の大要を知る。
(3)地球の表面と内部構造、地球と月の運動および太陽系と恒星について指導する。
ア 地球
(ア)地球の形と大きさ
a 地球の形や大きさと、それを知る方法の大要を理解する。
b 緯度・経度の決め方を理解する。
(イ)地球の表面と内部
a 水陸分布、陸地の高低、海底の地形などの大要を知る 。
b 海には海流があることを知る。
c 大気圏の構造を知る。
d 地球の内部の様子とそれを知る手がかりについて知る。
(ウ)地球の運動
地球の自転と公転を理解する。
(エ)季節と暦
a 四季のできるわけと、春分・秋分・げし・冬至について理解する。
b 太陽日、太陽時、地方時と標準時などの大要を理解する。
c 太陽暦の決め方を知る。
イ 月
(ア)月とその運動
a 月面の様子を観測する。
b 月の満ち欠けの様子と月の出入りの時刻との関係を理解し、月の自転と公転を知る。
c 月の満ち欠けと潮の干満とは関係があることを知る。
(イ)日食と月食−日食や月食の起るわけを理解する。
ウ 太陽と太陽系
(ア)太陽
太陽の表面の様子を観測し、光と熱を出していることを知る。
(イ)太陽系
a 太陽系の構造の大要を知る。
b 金星,火星,木星などの見かけの運動や,流星について知る。
エ 恒星
a 恒星の色,光度,距離などについて知る。
b 季節によって,見える星座が違うことを知る。
c 銀河系と宇宙について知る。
(4)生物の利用と保護,天然資源が化学工業によって加工・利用されていること,およびエネルギー資源とその利用について指導する。
ア 生物資源
(ア)生物の利用
生物がいろいろの目的に利用されていることを知る。
(イ)生物資源の保護と開発
a 生物資源の保護・育成の必要とその方法を知る。
b 生物資源の開発について知る。
イ 天然資源と化学工業
(ア)鉱石と金属
a 金属鉱床のでき方と採鉱の方法の大要を知る。
b 鉱石のおもな種類と特徴を調べ,また,方鉛鉱などについて吹管分析で化学成分を調べる。
c 製鉄の方法の大要を知り,鋼の特性と利用について理解する。
d アルミニウムの製法を知り、アルミニウムの特性と利用について理解する。
e 銅とその合金の特性と利用について理解する。
(イ)無機化学工業
a イオウから硫酸がつくられることを知る。
b 空気中の窒素からアンモニアが合成されることを知る。
c 硫酸とアンモニアから硫安がつくられることを知る。
(ウ)有機化学工業
a 石炭からいろいろな物質がつくられることを知る。
b 石油と天然ガスを採掘する方法,原油を分留すると性質の違った油ができること,および天然ガスや石油が化学工業原料にもなることを知る。
c 油脂からセッケンその他の物がつくられることを知る。
d パルプなどのセルロースからビスコースレーヨンその他の再生人造繊維や半合成繊維がつくられ,また,石炭や石油などからナイロンなどの合成繊維がつくられること,およびこれらの人造繊維や天然繊維がそれぞれ特徴をもつことを知る。
e それぞれ特徴をもった合成樹脂がつくられていることを知る。
ウ エネルギー資源
a おもな燃料の使用上の特性を知る。
b 水力,風力および太陽熱の利用について知る。
c 原子力の特性の大要を知る。
3 指導上の留意事項
(1)A(1)ウ(イ)におけるレンズで像ができることの指導は,いろいろな場合について実験させて,距離関係を見いだすことを中心とし,レンズの公式は取り扱わない。A(1)エ(ア)におけるスペクトルの指導においても,光の波長には触れない。A(3)イ(ア)における電磁誘導は,実験を通じて定性的に取り扱う。A(4)イ(ア)における引力については,それが存在し,その大きさが質量と距離に関係するという程度にとどめ,式は取り扱わない。A(4)イ(ウ)および(エ)についても,定性的,実験的に取り扱うにとどめる。
(2)A(5)については,それぞれの実際の応用の細部にわたったり,種類を多くあげたりすることは避け,内容としてあげた基本的なことを理解させる程度にとどめる。
(3)B(1),B(2),B(3)などについても,できるだけ観察,実験,観測などの指導を行い,これらの概念や法則がつくられた筋道がよく理解されるように指導する。また,B(2)イにおける地質時代と生物については,化石と関連づけて,結論が得られた考え方に重点をおくように指導する。
(4)B(1)オ(イ)で扱う染色体と遺伝の関係については,遺伝の因子が染色体にあることを理解させる程度にとどめ,減数分裂,遺伝子記号などによって説明することは避ける。
(5)A第1分野で指導する諸種の化学変化における化学式および化学反応式の取扱は[第1学年]3の(2)に準ずる.B第2分野においても(4)に関連して諸種の物質を取り扱うが,これらのうち(4)イにおける鉱物や有機化合物については,化学式や化学反応式を扱わない。
(6)B(4)イ(ア)で扱う金属鉱物は吹管分析その他の実験や、実物の観察などを通じて指導する。
また(4)イ(イ)および(ウ)で扱う化学工業についても、それぞれの工業の過程のうちから実験しうるものを選び、実験を中心として指導する。
第3 指導計画作成および学習指導の方針
1 年間最低授業時数(各学年とも140単位時間)で指導する場合には、第1分野および第2分野の指導に、それぞれおよそ70単位時間を充てる。最低授業時数より多くの時数を充てて指導する場合は、最低授業時数を越える部分の時数を、必ずしも第1、第2分野に等分する必要はない。
2 指導計画は、各学年の内容において示したような二つの分野に分けて立てる。
各分野をさらにいくつかの分野に分けることは避け、二つの各分野は、それぞれ一つにまとまった組織をもつように計画する。
3 各分野の内容を一つのまとまりに組織だてるとき、学問的体系によりすぎることなく、取り扱う事項の関連を重視し、生徒に理解できる体系を組み立てることが必要である。
4 各学年の内容にあげた各事項は、いずれも学校の指導計画に含まれ指導されるべきものであるが、各事項のまとめ方や順序については、必ずしもこれによる必要はない。学校において適切な組織、順序をもった指導計画を立てて指導する。
5 指導計画作成にあったては、基本的な事項の指導をじゅうぶんに行うことができるよう配慮する。このために、指導計画の中に取り入れて指導する事項は、特に精選することがたいせつである。最低授業時数より多くの時数を充てて指導する場合においても、各学年の内容にあげた各事項の学習をさらに深めることを方針とし、いたずらに多くの事項を取り扱うことは避ける。
6 基本的な事項の指導においても、理論的な演えきに傾いて生徒の経験を無視したり、実生活との結びつきを軽んじたりすることのないように注意し、つとめて具体的な事象からはいり、帰納的な考え方を重視し、このようにして学習した原理や法則を、実際の応用に結びつけるように指導する。
7 知識を得させることにのみ片寄ることなく、知識や理解を得させる過程において、理科の目標とする科学的能力や態度を、具体的に習得していくように指導する。
8 基礎的な実験法や計量器、機械、器具などの取扱の技能を高めることがたいせつであるが、これらが機械的操作に陥らないように、指導する事項との関連をじゅうぶんに図り、操作の意味を考えさせるように指導する。
9 必要に応じて数量的な取扱を行い、事象の関係を定量的にとらえさせ、また、事象の関係が簡単な場合には、事象の変化を予測させることがたいせつである。この場合、数学の学習との関連をじゅうぶんに図るとともに、取り扱う数量や数式の物理的な意味などが、生徒によく理解されるように指導する。
10 実験・観察や野外調査などの指導においては、特に事故の防止についてじゅうぶんに留意する。
施行期日
この中学校学習指導要領は、昭和33年10月1日から施行する。ただし、道徳に係る部分を除き、各教科、特別教育活動および学校行事等に係る部分については、昭和37年3月31日まで、別に定めるもののほか、なお従前の例による。
なお、中学校学習指導要領道徳編(昭和33年文部省告示第72号)は、これを廃止する。