1958(昭和33)年10月1日文部省告示第80号

「小学校学習指導要領」(理科)

第4節  理  科

第1 目 標
1 自然に親しみ、その事物・現象について興味をもち、事実を尊重し、自然から直接学ぼうとする態度を養う。
2 自然の環境から問題を見いだし、事実に基き、筋道を立てて考えたりくふう・処理したりする態度と技能を養う。
3 生活に関係の深い自然科学的な事実や基礎的原理を理解し、これをもとにして生活を合理化しようとする態度を養う。
4 自然と人間の生活との関係について理解を深め、自然を愛護しようとする態度を養う。
 上に掲げた理科の目標は、各項目相互に密接な関連をもつものであり、次に示す各学年の目標は、教科の目標の各項目それぞれについて、学年的発展を明らかにして具体的に示したものである。なお、各学年の目標の作成にあたっては、次の諸点を考慮した。
 教科の目標1については、低学年では、ごく身近な自然の事物・現象を見たり、扱ったりさせることによって、自然に親しむ態度を養うとともに、事実に即したものの見方・考え方を育て、主客未分化的な見方からはやく脱皮させるようにし、学年が進むにつれて自然環境をしだいに広げ、事物・現象の観察や処理を通して客観的なものの見方・考え方ができるようにする。目標2については、低学年では自然の環境から疑問を見いだし、これを解こうとしてそのしかたを考えたり、これを実際に行って確かめたりすることができるようにし、学年が進むにつれてはっきりした問題をとらえ、これを分析したり総合したりして考察することに慣れさせ、筋道の通った考え方でくふう・処理することができるようにする。目標3については、低学年では、自然の事物・現象についての観察を広め、その中から自然科学的な事実を意識するようにし、新しいことがらに出あったときに、これを前の経験と結びつけていけるようにする。学年が進むにつれて、多くの経験の中から自然科学的な事実や基礎的な原理を理解させ、生活に応用してこれを合理化しようとするようにする。目標4については、低学年では、飼育栽培から始め、生物を愛護するようにし、学年が進むにつれて、その気持を自然物一般に広げ、自然と人間の生活との関係を考慮し、自然の保護や利用のしかたについての関心を深め、自然科学の進歩が生活を豊かにするのに役だつことを認識させるようにする。
第2  各学年の目標及び内容
[第1学年]
1 目  標
 (1)学校・家庭・ごく近くの野外の自然の事物や現象の中で、児童の興味をひくものを見たり、それらで遊んだりして自然に親しみ、自然をありのままに見るように導く。
 (2)ごく身近な自然の環境について疑問をもち、これを納得のいくように解こうとする気持ちを強めるとともに、自然の著しい事物・現象を全体的・直覚的にとらえるように導く。
 (3)主として遊びの形を通して、ごく簡単な自然科学的事実に気づき、これに関連のある事物・現象を正しく見たり考えたり扱ったりしようとする気持ちを育てる。
 (4)学校や家庭などで育てている草花や動物の世話を手伝い、それらをかわいがることに喜びをもつようにする。
2 内 容
 (1)校庭や野山の自然に接し、全体的・直覚的な観察や遊びなどを通して生物に興味を持ち、それらの性状や生活の目だった様子に気づき、生物をかわいがるように導く。
  ア 花だんの草花の観察と、世話の手伝いをする。
  (ア)春の校庭をめぐり、花だんの草花や庭木の花の色・形などを観察し、いろいろなものがあることに気づき、校庭の草木に親しむ。
  (イ)あさがおのような粒の大きな種子をまき、種子のまき方を知る。まいた種子に水を与えて発芽をまち、発芽や育つ様子を見守り、世話の手伝いをして、これを愛育しようとする。
  (ウ)春まいた草花の開花について話し合い、花を数えたり、つぼみや葉を観察したりなどして、親しみをもつとともに、その色・形・草たけなどの違いに気づく。
  (エ)秋咲く草花を観察して秋になると春・夏のころ見られなかった草花の咲くことに気づく。
  イ 野山の自然の有様を観察する。
  (ア)春・夏・秋に野山に出て、そこの草木・虫・鳥などの種類や様子を観察し、それぞれの季節の自然に親しむ。
  (イ)野山で、草つみ・花つみ・花束つくりなどをして遊び、それぞれの花の種類や様子に気づく。また、木の実や茎・葉を使って木の実遊びをくふうしたり、草笛つくりや葉ならべなどをしたりして、実・茎・葉の色や形などに気づく。
  ウ 虫などを取って観察する。
  (ア)ばった・せみ・かたつむりなどの親しみやすい動物を捜し、それらの居場所や活動の様子に関心をもつ。
  (イ)取った虫やかたつむりなどを観察し、色や形、運動のしかたなどに気づく。
  エ 飼っている動物の観察と、世話の手伝いをする。
  (ア)うさぎ・にわとり・小鳥などのような親しみやすく飼いやすい動物にえさを与えたり、運動させたりなどして観察し、興味と関心を深め、これをかわいがる。
  (イ)きんぎょやめだかなどをガラスの水そうに入れてえさを与え、その食べ方や泳ぎ方に気づく。
  きんぎょなどには、大きさ・色・形の違ったものがあることに気づく。
  オ くだものの色・形の違いや、しるの色の変化を調べる。
  (ア)みかん・かき・りんごなどのくだものを観察して、色・形・内部の様子の違いに気づく。
  (イ)みかんなどを絞ってしるをとり、これらであぶりだしをして遊び、しるの色や様子、あぶりだしをしたときの色の変り方に気づく。
 (2)天気や土地の様子に興味を持ち、それらについて簡単な事実に気づくようにする。
  ア 天気には、いろいろあることに関心をもつ。
  (ア)天気には晴・曇・雨・雪などがあり、また、風が吹く日もあることに気づく。
  (イ)天気を簡単な絵記号で1週間ぐらい記録することができるようになる。
  イ 土地の高低や、いろいろな石などの様子に関心をもつ。
  (ア)学校の近くの山・丘・池・川などを観察し、土地には高いところや低い所、水のたまっているところや流れている所などがあることに気づく。
  (イ)石ころを集め、色や形で分けたり、石並べなどをしたりして、石の色や形に関心をもつ。
  ウ 日なたと日かげの違いを比べる。
 (ア)日なたと日かげの明るさや暖かさを比べて、その違いに気づくとともに、日なた日かげでは生物の様子や氷・霜などの様子などに違いのあることに気づく。
 (3)おもちゃや身近にある道具で遊び、それらの使い方や、作り方をくふうし、簡単な事実に気づくように導く。
  ア 風で動くおもちゃを調べる。
  (ア)風車・風輪などのような風の力で動く簡単なおもちゃを作り、それがよく動くように作り方をくふうする。
  (イ)作った おもちゃを風に当てたり、うちわであおいだりして、その動く様子が風の向きや強さによって違うことに気づく。
  イ はねの飛び方を調べる。
  (ア)はねをついたり、身近な材料で 簡単なはねを作って飛ばしたりして、はねの形などによって飛び方に違いがあることに気づく。
  ウ 噴水の水の上がり方を調べる。
  (ア)身近にある細い管を使って噴水遊びをし、噴水のあがり方は水源の高さや、水の出口の太さによって違うことに気づく。
  エ 影のでき方を調べる。
  (ア)影踏みや影絵遊びをして、太陽や電灯などの光を物でさえぎると光源の反対側に影ができることに気づく。
  (イ)影の濃さは、ガラスや水のような物と金物や木のような物とでは違いのあること気づく。
  (ウ)影の形・大きさ・濃さは、物と電灯やスクリーンとの距離、または、物の置き方によって変わることに気づく。
  オ 鏡のはたらきに関心をもつ。
  (ア)鏡に文字や絵などを映して、文字や絵などの向きが違って見えることに気づく。
  (イ)鏡を使って光あて遊びなどをして、光を決まったところに当てるには、鏡の向け方をくふうしなければならないことに気づく。
  カ 氷のはっている様子や氷の性質に関心をもつ。
  (ア)野外や校庭で氷のはっている様子を観察して、場所により、氷の厚さや、はり方に違いがあることに気づく。
  (イ)氷が水に浮くことや、氷や雪が溶けて水になる様子などに気づく。
  キ 磁石のはたらきに関心をもつ。
  (ア)棒磁石やU形磁石を使って砂鉄集めをしたり、くぎなどをつけたりして、磁石には砂鉄やくぎをよくつける所とよくつけない所とあり、また、紙やビニルなどを隔てても、砂鉄やくぎなどを引きつけるはたらきのあることに気づく。
  (イ)磁石で身のまわりのいろいろな物を調べ、磁石が引きつける物と引きつけない物とがあることに気づく。
  (ウ)磁石を使うおもちゃや遊びをくふうして、磁石のはたらきに興味をもつ。
3 指導上の留意事項
 (1)内容(1)のイ〔野山の自然〕、(2)のイ〔土地の様子〕のような自然観察に関する学習にあたっては、野山の様子が、地域によって必ずしも同じではないから、ここに掲げた学習がすべてできるとはかぎらない。しかし、これらの学習においては、野山を学習の場として自然の事物・現象を直接学ばせ、そのおりおりの野山の姿を強く印象づけることがたいせつである。
 (2)内容の文中「気づく」とあるのは、児童の自発活動によって、実際のものについて観察したり考えたりなどして、みずから納得することをさしている。したがって、教師が話などにより、結果だけを教えこむような指導は避けなければならない。このことは、第2学年以上においても同様である。
 (3)内容の文中「知る」とあるのは、児童が観察・実験などをとおして学習するのを本態とするけれども、さらに、教師が知識として与える面が必要な場合を意味している。したがって、児童にじゅうぶん活動させないで、教師が初めから教えこむことは避け、その知識も、児童が納得できるように程度を考えて、無理のない指導をすることがたいせつである。このことは、第2学年以上においても同様である。
〔第2学年〕
1 目 標
 (1)学校や家庭、近くの野外の自然の事物や現象に直接触れさせて興味を広げ、観察・飼育・栽培・制作などの活動を通して自然に親しませるとともに、自然をありのままに見て、物と物との間の著しい違いに留意しようとする態度を養う。
(2)身近な自然の環境から疑問を見いだし、これを解決しようとしていろいろくふうし、見たり、ためしたりすることにより、自然の事物・現象の目だった特徴のとらえ方ができるようにする。
(3)遊びや作業などの活動を通して簡単な自然科学的事実に気づき、これに関連した新しい事実の正しい見方・考え方・扱い方ができるようにする。
(4)育てやすい草花や身近で興味のある動物の世話をさせ、それらをかわいがり、よく育てようと努めさせる。
2 内 容
 (1)校庭や野山で生物を観察したり、飼育・栽培したりして、四季おりおりの生物に興味と親しみをもち、生物の外形や成長・生育の様子を観察し、また、生物の種類や生活の様子が季節によって違うことに気づくようにするとともに、生物をかわいがるように導く。
 また、自分たちの歯のつくりやはたらきに気づき、歯をたいせつにするように導く。
  ア 草花の世話をし、育ち方に関心を持つ。
  (ア)春と秋に、花だんに、作りやすい草花の種子をまいたり、球根を植えたりして、種類によって、まいたり植えたりする時期や方法に違いのあることを知る。
  (イ)まいたり植えたりした種子や球根の、芽ばえや育ち方が種類によって違うこと、よく育てるためには日がよく当たるようにし、ときどき水をやらなければならないことに気づく。
  (ウ)雑草を抜いたり、水を与えたりなどの手入れや世話ができるようになる。
  (エ)種子を取ったり、球根を掘ったりして、一つの種子や球根から多くの種子や球根ができることに気づき、翌年のために、それらを保存できるようになる。
  イ 四季おりおりの野山のありさまを観察する。
  (ア)四季おりおりに野山に出て、野山の草木・虫などの種類や様子、空の色、吹く風、暖かさなど、それぞれの季節の著しい特徴に気づく。
  (イ)四季おりおりの野山の草を集めて、花だんやはちに植えたり、押し花・押し葉にしたり、木の実でこまなどを作ったりする間に、種類によって花・実・茎・葉などが違うことに気づく。
  (ウ)秋から冬にかけて葉が色づいて落ちる木と、そうでない木のあることや、草の地上の部分がたいてい枯れてしまうことなどに気づく。
  (エ)早春の野山に出て、草木の芽ばえなどを観察したり、つみ草をしたりして、春めいた自然の印象を深める。
  ウ 田畑の虫の生活に関心をもつ。
  (ア)田畑の虫を観察したり採集したりして、虫には多くの種類があり、その種類によって、すんでいる場所や活動の様子の違うことに気づき、作物を害する虫のいることを知る。
  (イ)田畑で採集した虫をびんや箱に入れて、えさを与え、食べる様子を観察するとともに、それらの虫の生活に興味を深める。
  エ 池や小川(海)の生物を観察する。
  (ア)池や小川(海)で魚・虫・貝などいろいろな動物を観察したり採集したりして、それぞれの動物のすむ場所や活動の様子に気づく。
  (イ)池や小川(海)で採集したいろいろな動物を水草とともに水そうに入れて観察し、それぞれの形や泳ぎ方などについての違いのあることに気づく。
  オ 自分の歯についての関心を深める。
  (ア)歯を観察して、その形や大きさ、むし歯とよい歯などの違いに気づく。
  (イ)乳歯は抜け換ること、抜け換った歯は二度と抜け換わらないことや、歯のはたらきを知り、歯をたいせつにするようになる。
 (2) 天気の変化、雨水のゆくえ、太陽の動きや月の形など自然の変化についての興味を広げるようにする。
  ア 天気の変化に関心をもつ。
  (ア)晴・曇・雨・雪などの変化には、よく晴れている、少し曇っているなどのように、それぞれ程度の違いのあることに気づく。
  (イ)日によって、暑さ・寒さなどが違うこと気づく。
  (ウ)毎日の天気の様子を簡単な記号で2〜3週間記録し、その表から、天気は日によって変り、また1日のうちでも変ることがあることに気づく。
  (エ)吹き流しなどを利用して、風の向きや強さがいろいろと変ることに気づく。
  イ 雨水のゆくえに関心をもつ。
  (ア)地上に降った雨水を観察し、雨水は低いほうに流れて土を掘ったり、押し流したりすることに気づく。
  (イ)土や砂に水をかけ、水がしみこんでいく様子を観察して、地上に降った雨水の一部は地下にしみこむことを知る。
  (ウ)雨が降り続いた後の小川や池などを観察して、川や池などの水がふえたり、濁ったりしていることから、雨水の一部は川や池に流れこんだり低い所にたまったりしていることに気づく。
  ウ 太陽を観察し、その動きに関心をもつ。
  (ア)太陽を色の濃い下じきや色ガラスを通して観察し、太陽はいつもまるく見えることを確かめる。
  (イ)太陽は毎日東から出て西にはいることに気づくとともに、これをもとにして、東西南北の方角を知る。
  (ウ)立木や棒などの影の動きに興味をもち、影は朝・昼・夕としだいに西から東へ動いていることから、影が動くのは、太陽が刻々動くためであることに気づく。
  エ 月のいろいろな形に関心を持つ。
  (ア)ときどき月を観察したり、その形を絵にかいたりして、月は三日月・半月・満月などいろいろな形に見えることに気づく。
 (3)身近にある簡単な道具やおもちゃなどでいろいくふうして遊び、これに関連した自然科学的な事実に気づくように導く。
  ア 水車の回り方を調べる。
  (ア)簡単にできる水車を作り、それがよく動くようにくふうして遊び、その回り方が水の速さや当て方で変ることに気づく。
  イ 物の浮き沈みに関心をもつ。
  (ア)ちゃわんやさらのような形のものは、水面に置く場合、その置き方によって、水に浮かんだり沈んだりすることに興味をもつ。
  (イ)油粘土などで船を作って水に浮べ、水に沈むものでも、形によっては浮く場合があることに気づく。
  ウ こまの回り方を調べる。
  (ア)いろいろなこまを作って、よく回るようにくふうして遊び、心棒のつけ方や、こまの重さ・形によって、回り方が変ることに気づく。
  エ やじろべえのつりあいを調べる。
  (ア)やじろべえのようなおもちゃを作り、うまくつり合うようにくふうして遊び、そのつり合いに興味をもつ。
  (イ)うでの長さやうでのつけ方、つけるおもりの重さを変えると、つり合い方が変ることに気づく。
  オ 落下さんの飛び方を調べる。
  (ア)簡単なおもちゃの落下さんを作って飛ばし、糸目やおもりを調節して遊び、風の向きやかさのひろがり方によって落下さんの飛び方に違いがあることに気づく。
  カ ゴム風船やボールなどで、空気のはたらきに関心をもつ。
  (ア)ふくらましたゴム風船の口を開いて放すと飛ぶことに興味をもち、風船をふくらませる程度によって、飛び方に違いがあることに気づく。
  (イ)ふくらましたゴム風船を水中に押し入れたり、水中で風船の口を開いたりして、手ごたえのあることやあわの出ることに気づく。
  (ウ)ボールにたくさん空気を押しこむと、よくはずむようになることに気づき、空気をつめて使うものを考える。
  キ 音の出方に関心をもつ。
  (ア)簡単な笛を作り、よく鳴るようにくふうし、音の出方に関心をもつ。
  (イ)紙を吹いたり輪ゴムなどはじいたりして音を出し、それらが震えていることに気づく。
  ク せっけんの溶け方やシャボン玉のでき方を調べる。
  (ア)せっけんを溶かしてせっけん水を作り、せっけんは水よりも湯に速く溶けることに気づく。
  (イ)シャボン玉を吹いて、その大きさや色に興味をもち、吹き方や飛ばし方をくふうする。
  (ウ)水の中にせっけんを少しずつ溶かし、そのたびにシャボン玉を吹いてみて、せっけん水の濃さによって、シャボン玉がうまく吹けたり、吹けなかったりすることに気づく。
3 指導上の留意事項
 (1)内容(1)のイ〔四季の野山〕の(エ)「早春の野山」の扱いは、地域の状況により、観察に適当な時期を選ぶ必要がある。
 (2)内容(1)のウ〔田畑の虫〕では、そのころの作物の種類や生育の様子にも注意を向けさせ、また、田畑を荒さないように指導することがたいせつである。
 (3)内容(1)のエ〔池や小川(海)の生物〕については、海に近い所では潮干狩りなどを利用し、この内容と関係のある海辺の生物について、学習させることが望ましい。
 (4)内容(2)のエ〔月の形〕は、天体を夜間観察する最初であるから、特に家庭における学習のしかたについて懇切に指導し、児童の負担が過重にならないよう注意しなければならない。三日月の観察から始め、満月まで2・3回の月の形を観察することが適当であろう。
 (5)内容(3)のキ〔音の出方〕、ク〔シャボン玉〕の学習に用いる笛や管などのように、口をつけて吹くものは、吹く前によく洗わせ、衛生に注意することがたいせつである。
〔第3学年〕
1 目 標
 (1)学校や家庭、近くの野外の自然の事物や現象に対する興味を広げ、観察・飼育・栽培・製作などを通して自然に親しませるとともに、自然の変化や事物・現象の間の関係に留意しようとする態度を養う。
 (2)身近な自然の環境から疑問をとらえ、これを解決しようとして、いろいろくふうして見たり、ためしたりして考え、いろいろな事物・現象の共通点や相違点に気づくようにする。
 (3)作業や考察などを通して簡単な自然科学的事実に気づき、これをもとにして、新しく経験する事実がうまく扱えるようにする。
 (4)生物の飼育・栽培・野外観察などにより、いろいろな生物の生活の様子を知り、広く生物をかわいがるようにする。
2 内 容
 (1)四季を通して生物の様子を観察したり、飼育・栽培したりして、草木の成長、動物の生活の様子、すむ場所などが暑さ寒さに関係があることに気づくようにし、生物をその環境と関連して見る目の初歩を養う。
  また、外部からの観察を通して、人のからだのつくりの大要に気づくようにする。
  ア 学校園の世話をし、草花や野菜の育ち方・ふやし方を調べる。
  (ア)学校園や菜園に、春と秋に、へちま・えんどうなどその時期の種子をまき、続けて世話をするとともに、著しい変化を記録することができる。
  (イ)苗の植え換えをし、植物には植え換えるとじょうぶに育つものがあることを知る。
  (ウ)あぶらなのようなつくりの見やすい花を観察して、花はがく・はなびら・おしべ・めしべなどからできていることを知る。
  (エ)へちまには、実のできる花と実のできない花とあることに気づく。
  (オ)へちまの水取りをし、根の吸った水が茎の上方にのぼることを知る。
    へちまの実の内部を観察し、その筋を利用することを知る。
  (カ)草や木で、さし木・株分けを行い、植物には、さし木・株分けでふやすことのできるものがあることを知る。
  (キ)球根などの水栽培をし、根や芽が出る様子や、葉・つぼみ・花の様子を観察記録して、球根の中に養分のあることに気づく。
  (ク)草花などに霜よけをしたり、これらを簡単なフレームなどの中に入れたりして、草木の中には冬の寒さを防いでやる必要のあるもののあることを知る。
  イ 季節による生物の種類や様子の変化を調べる。
  (ア)季節ごとの生物の種類、種まきや取り入れをする作物、人の生活の様子などを観察記録して、生物の種類などが季節によって、移り変ることに気づく。
  (イ)花だんや野山で普通に見られる植物の開花結実などの期日に違いのあることに気づくとともに、草木の種子の散り方に気づく。
  (ウ)鳥や虫などの中には、年中見られるものと、ある季節にだけ見られるものとがあることに気づく。
  (エ)鳥や獣の中には、季節によって、からだの様子や生活のしかたが変わるものがあることに気づく。
  (オ)1年の終りに季節ごとの観察の記録をまとめて、季節の移り変りについての理解を深める。
  ウ 鳴く虫の種類や生活の様子を調べる。
  (ア)庭や野でこおろぎなどの鳴く虫を捜し、すむ場所、鳴き声の違いなどに気づく。
  (イ)採集した虫を飼って観察し、鳴く虫にもいろいろあることに気づき、雄雌の別、鳴く様子、食べ物や食べ方などがわかる。
  エ かえるの育つ様子を観察する。
  (ア)かえるの卵やおたまじゃくしなどを飼育し、成長に伴うからだの著しい変化を観察記録して、その育ち方に気づく。
  (イ)かえるには、いろいろな種類があることを知り、それらのすむ場所や運動のしかたなどに気づく。
  オ 花・葉・実のしるの色や、その変化を調べる。
  (ア)花や葉を紙や布にのせ、その上からたたいて、その形を染め出したり、花や葉や実のしるを絞って紙や布を染めたりして、花や葉や実の色に興味をもつ。
  (イ)花や実のしるに水や酢を加えたり、木灰の上澄み液を作って加えたりして、色の変り方に違いのあることに気づく。
  カ 人のからだのおよそのつくりを調べる。
  (ア)からだを外部から観察して、筋肉・骨組みなどのおよそのつくりに気づき、内臓諸器官のおよその位置を知って、姿勢を正しくすることがたいせつなことに気づく。
 (2)季節ごとの天気の特徴に注意したり、土や川原の石を観察したり、月の形や位置の変化を観察したりして、自然現象に興味をもち、簡単な事実に気づくようにする。
  ア 四季おりおりの天気を調べ、その特徴に関心をもつ。
  (ア)四季の天気の様子を観察して、かすみ・梅雨・雷・入道雲・夕立・にじ・台風・霜・雪など・季節による特徴のある気象現象や日ざしの違いに気づく。
  (イ)季節により、暑さ・寒さに違いがあることに気づく。
  (ウ)四季おりおりの雲を観察して、いろいろな形があることに気づき、夏は入道雲、秋はすじ雲など、季節によって多く見られる雲のあることを知る。
  (エ)1年の終りに、季節ごとの観察記録をまとめ、季節の移り変りについて理解を深め、季節の特徴を知る。
  イ 土の性質を調べる。
  (ア)粘土・砂・黒土などの粒・色・手ざわり、また水のしみこむ様子や粘り気などを観察して、これらの性質に違いがあることに気づく。
  (イ)がけや切り通しなどで土や岩石を観察したり、柔らかい岩石を砕いたりして、土は岩石から変ったものであることを知る。
  ウ 川原の様子とそこにある石を調べる。
  (ア)川原の様子を観察して、川原には石の多い所、砂や粘土の多い所などがあることに気づく。
  (イ)石を集め、形・色・大きさ・かたさなどにいろいろあることに気づくとともに、簡単な標本を作ることができる。
  エ 月を観察し、その形の変化や動きを調べる。
  (ア)月の形を写生して、月の表面には明るいところと、うす暗いところとあることに気づく。
  (イ)毎日、同じ時刻に月を観察して、月の位置や形は、少しずつ変っていくことに気づく。
  (ウ)月はいつも同じ形には見えないが、一つのまるいものであることを知る。
  (エ)三日月・半月・満月などの動きを観察して、月も東から西へ動いていることを知る。
 (3)簡単な道具を使ったり作ったりして、そのしくみとはたらきに気づき、いろいろな道具の使い方に慣れるようにするとともに、物の溶け方や変化に関心をもたせる。
  ア ゴムやばねを利用したおもちゃをくふうする。
  (ア)ゴムやばねなどの弾力を利用した簡単な動くおもちゃを作り、よく動くようにくふうし、ゴム・ばねなどの弾力が動力としてはたらくことに気づく。
  イ 紙玉でっぽうや水でっぽうのはたらきを調べる。
 (ア)紙玉でっぽうなどを作り、たまがよく飛ぶようにくふうし、押し縮められた空気の力に気づく。
  (イ)水でっぽうを作って遊び、水が吸いこまれたり、押し出されたりするしくみに気づき、水を遠くへ飛ばすように押し方や傾け方などをくふうする。
  ウ グライダーの作り方や飛ばし方をくふうする。
  (ア)きびがら・厚紙などで簡単なグライダーを作り、はねの形やつける位置、つりあいなどを加減して、よく飛ぶようにくふうする。
  エ 音の伝わり方に関心をもつ。
  (ア)糸電話を作って遊び、糸を伝わって音が聞えることに気づく。
  (イ)金属・木などを伝わって音がよく聞えることに気づく。
  (ウ)聴診器・伝声管などを使って遊び、これらを使うと、音がよく聞えることに気づく。 
  オ 鏡を組み合わせて、物の映り方を調べる。
  (ア)1枚の鏡の傾きや位置をいろいろに変えて、後方や上下の物が映せるようになる。
  (イ)2枚以上の鏡をいろいろ組み合わせて、物の映り方が変る様子を観察する。
  (ウ)鏡をうまく組み合わせて、万華鏡や潜望鏡をくふうして作り、その映り方に興味をもつ。
  カ 虫めがねのはたらきを調べる。
  (ア)虫めがねで物を見ると、大きく見えることに気づき、虫めがねの使い方に慣れる。
  (イ)虫めがねを目から離して、遠くの物を見ると、物がさかさまに小さく見えることに気づく。
  (ウ)虫めがねに日光を当てると、影の中に明るい所ができ、虫めがねを動かして、これを小さくすると、黒い紙などが焦げることに気づく。
  キ 物の温度について調べる。
  (ア)水と湯に温度計を入れて、温度計の示す液の高さがそれぞれ違うことに気づき、その高さを目もりで読めば、水と湯の温度がわかることを知る。
  (イ)物の冷たさや暖かさの程度は、温度計を使えば正しく調べられることを知り、温度計の初歩的な扱いができるようになる。
  ク 氷を造って、そのでき方を調べる。
  (ア)水そうの中に氷と食塩とを入れて混ぜ、この中に温度計を入れて、氷だけのときよりも温度が下がることに気づく。
  (イ)上記の寒剤を入れたガラスの器などの外側が曇ったり、霧のようなものがついたりすることに気づく。
  (ウ)寒剤の中に、水を入れた試験管をさしこみ、水が冷えて氷になるときの様子に気づく。
  ケ 磁石の性質を調べる。
  (ア)磁石にはN、Sの極があることを知り、同じ極はしりぞけあい、違う極は引きあうことに気づく。
  (イ)縫い針などを磁石でこすって、それが磁石になることに気づく。
  (ウ)磁石を自由に動くようにささえると、南北をさすことに気づく。
  (エ)磁石(コンパス)を使うと、方位を知ることができることに気づき、磁石の使い方を知る。
  コ 豆電球の点灯のしかたを調べる。
  (ア)乾電池・豆電球・ソケット・導線などを使って豆電球を点灯して、乾電池には+と−の極があることを知り、両極に豆電球を導線でつなぐと点灯することに気づく。
  (イ)乾電池と豆電球の回路にスイッチをつないで豆電球を点滅させて、回路の一部が離れていると電気が通らないことに気づく。
  (ウ)乾電池と豆電球の回路に、金物・紙・木などを入れて豆電球の点灯のしかたを調べ、電気を通しやすいものと通しにくいものがあることに気づく。
  サ 物の溶け方を調べる。
  (ア)食塩やほう酸を使って、うがい薬を作り、食塩は水に溶けやすいが、ほう酸は水に溶けにくいことに気づく。
  (イ)ほう酸を水や湯に溶かして比べ、その溶け方が水の暖かさによって違うことに気づく。
  (ウ)湯に溶けたほう酸の液を冷やすと、湯がさめるにつれて、液中にほう酸が小さな粒となって出てくることに気づく。
  (エ)濃い食塩水(飽和溶液)を10倍ないし20倍にうすめて、うがい水をつくることができるようになる。
  (オ)マッチやアルコールランプの扱い方を知り、安全に使うことができるようになる。
  シ 青写真の感光紙の色の変り方に関心をもつ。
  (ア)青写真の感光紙を太陽の光に当てると色の変ること、光の当て方によって、感光紙の色の変り方に違いのあることに気づく。 
  (イ)感光紙の上に花や葉などや、絵や字を書いた薄い紙などをのせて日光に当てると、その物の形が写し出されることに興味を持つ。
  (ウ)(イ)のように光に当てた感光紙は、水で洗えば、さらに光を当てても変色しないようになることを知る。
3 指導上の留意事項
 (1)内容(1)のイ[季節の生物]と(2)のア[四季の天気]は関連して扱い、これらを通して、四季の自然の姿やその移り変りを理解させるように努めることが望ましい。
 (2)内容(1)のア[学校園の世話]と(2)のイ[土の性質]とは関係が深いから、その点を考慮して計画を立てる必要がある。
 (3)内容(3)のキ〔物の温度〕の学習は、今までの感覚的にとらえてきた冷温の程度を、温度計を使うと客観的に測れることを理解させる最初の段階である。内容(2)のア〔四季の天気〕に関する学習においても、暑さ寒さは気温に関係することから、気温を温度計を用いて測るように、しだいに指導することが望ましい。細かい目盛りの読みや測定技術の指導は第4学年にゆずり、ここでは温度計のだいたいのつくりや、温度計の液の高さを目の高さと水平にして見るとか、温度計が体温などで暖まらないように注意して読むとかなどの基本的な扱いの指導に重点を置くべきである。
 (4)虫めがね・マッチ・アルコールランプなどの観察・実験に必要な器具の正しい扱い方を指導するだけでなく、必要に応じてこれを使用させ、その扱いに慣れさせるように指導することがたいせつである。
〔第4学年〕
1 目 標
 (1)身近な自然の事物や現象に対する興味を深め、継続観察・飼育・栽培・製作などの活動を通して、自然の事物・現象を分析的に見たり考えたりして、その著しい特徴をとらえようとする態度を養う。
 (2)自然の環境から問題を見いだし、これを解決しようとする意欲を高め、解決の方法を考え、それを事実に即して確かめることができるようにする。
 (3)学校や家庭などにおける生活の中で得られる事実をもとにして、それらの基礎となる自然科学の原理が理解できるようにする。
 (4)身近な自然の事物・現象を利用することに喜びをもたせ、自然物をたいせつにして、これをみだりにいためたり荒したりしないようにする。
2 内 容
 (1)観察や飼育・栽培によって、個々の生物のつくり・くらし方の著しい特徴やその違いに気づくようにするとともに、生物の一生の変化には一定のきまりがあることを知らせる。また、人のからだの成長や正常なはたらきに気づくようにし、人の栄養についても理解させる。
  ア いもやまめの育ち方やふえ方を調べる。
  (ア)じゃがいも、またはさつまいもなどの栽培のしかたを知り、これを栽培して、その生育の様子に気づく。
  (イ)植物にはじゃがいもなどのように、いもでふえるもののあることに気づく。
  (ウ)秋まきのえんどうなどは、春になると目だった育ち方をすることに気づくとともに、その花や実のつくりを調べる。
  イ 飼っている動物の世話をし、その育ち方や習性を調べる。
  (ア)にわとりやうさぎなどのような飼いやすい動物がうまく育つように世話をし、育ち方、えさの種類、著しい習性について知る。
 ウ 川や池の水草やもについて、その種類やつくりを調べる。
 (ア)観察や採集によって、池や沼にはうきくさのように水面に浮いているもの、くわい・はすのように葉や茎の一部は水面に出ているが、根を水底の地中におろしているもの、きんぎょものように水中の生育するものなどがあることを知る。
  (イ)水辺・水面・水中に生育する植物の葉や茎を比較観察して、それぞれの著しい特徴に気づく。
  (ウ)うきくさを水そうに入れておき、それが分かれてふえることや、日あたりなどによってふえ方に速い遅いがあることに気づく。
  エ 虫を飼育したり、観察したりして、その一生の変化を調べる。
  (ア)ちょう、またはかいこなどを飼育・観察し、その育つ様子を記録して、卵から幼虫・さなぎを経て成虫となる事実に気づく。
  (イ)か・はえの一生の変化や生活の様子を観察して、これをもとにして、駆除する方法を考えることができるようになる。
  オ 海辺の生物の種類や生活の様子を調べる。
  (ア)海には潮の満ち干がある事実に気づく。
  (イ)潮のひいた砂浜・塩だまり、またはいそで、貝・うにのように手に入れやすい海辺の動物を観察したり採集したりして、それらにはいろいろな種類のあることや、それらの生活の様子に気づく。
  (ウ)海そうや海辺の植物のはえている様子を観察したり、それらを採集したりして、その性状が野山の植物と違っている点に気づく。
  (エ)あさり・はまぐりなどのような二枚貝を観察して、貝がら・ちょうつがい・貝柱・足・入水管・出水管などのあることを知る。
  カ 生物の冬越しのしかたを調べる。
  (ア)冬の野山や校庭などで、植物の地下の茎・いも・根・冬芽などの観察を通して、植物はいろいろな姿で冬を越す事実に気づく。
  (イ)こん虫はその種類によって、卵・幼虫・さなぎまたは成虫のようないろいろな状態で冬を越すことを観察し、あわせて、身近に見られるその他の動物の冬の越し方を知る。
  (ウ)春・夏のころ見られた鳥の中には、秋から冬にかけて見られなくなるものがあり、秋・冬のころになると春・夏のころに見られなかった種類の鳥が見られるようになることを知る。
  キ 自分のからだの発育や、からだのおよそのはたらきを調べる。
  (ア)健康診断の測定資料を前学年までのものと比較して、体重・身長など、自分のからだの成長に気づく。
  (イ)鼓動・体温・呼吸などが、運動したときや病気のときには正常時と違うことを知る。
  (ウ)口・目・耳・鼻・皮膚の清潔に注意し、むし歯・トラホ−ムなどの病気にかからないようにする。
  ク 食物に含まれる栄養素のはたらきに関心をもつ。
  (ア)日常の食物は、でんぷん・糖・しぼう・たんぱく質・ビタミン・カルシウム・鉄のような栄養素を含んでいることを知る。
 (イ)これらの栄養素は、それぞれ独自のはたらきをもっていて、一つの種類の食物だけでは、栄養を完全にとることはできないことを知る。
 (2) 気温や地温・水温に関心をもたせ、これらを正しく測ることができるようにうにする。
  ア 気温を測り、その変化を調べる。
  (ア)温度計を正しく操作して気温が測れるようになる。
  (イ)気温を測り、それが1日のうちでも、また季節によっても変化することに気づく。
  (ウ)地温や水温を測り、気温との違いに気づく。
 (3)川の流れや土地の様子が場所によって違うことに関心をもたせ、土地の様子は流水のはたらきによって、長い間に変化していくことわからせる。
  ア 川の水の流れ方を調べる。
  (ア)川原で、川幅、流れの速さ、水のかさなどを観察して、これらが上流と下流とで違いがあることに気づく。
  (イ)川に木片などを流して流れの様子を調べ、川の中央と岸とでは流れの速さに違いがあることに気づく。
  イ 川や海の水のはたらきを調べる。
  (ア)川が曲がりくねって流れていることや、大水の前後の川原の様子の違いなどから、川の水には、川底や岸を削ったり、削りとった石や砂や粘土を運んだり、それらを水底に積らせたりするはたらきのあることを考えることができる。
  (イ)海岸のがけ・砂浜の様子などから、海水にも川の水と同じようなはたらきがあることを知る。
  (ウ)雨水や川の水のはたらきで、長い間に土地の様子がしだいに変化していくことを知る。
 (4) 星や星座を観察し、星の明るさや並び方など区別のつく特徴に気づくようにし、星や星座に関心をもたせる。
  ア おもな星と星座を観察する。
  (ア)いろいろな星の明るさを比べ、星は明るさによって1等星・2等星などに分けられていることを知る。
  (イ)北極星・北斗七星・カシオペア座・さそり座・オリオン座など目ぼしい星や星座を観察して、明るさや並び方など、区別のつく特徴に気づき、これを見分けられるようになる。
  (ウ)季節によって、見える星はいつも同じではないことに気づく。
  (エ)北極星は方角を知るに役だつことを知る。
 (5) 簡単な道具や機械のしくみとはたらきや、温度の変化、電流などによる身近に見られる事象やその変化に興味をもち、これらを事実に即して確かめるようにするとともに、その初歩的な原理をわからせる。
  ア てんびんのしくみとはたらきを調べる。
  (ア)簡単なてんびんを作り、左右に等しい重さの物をかけたときにつりあうことに気づく。
  (イ)上ざらてんびんのはたらきを知って、正しく使うことができるようになる。
  イ 物の浮き沈みについて調べる。
  (ア)同じ体積の水より軽いものは水の中に押し沈めても浮き上がり、水より重いものは沈むことを理解する。
  (イ)卵などは水の中では沈むけれども、濃い食塩水の中では浮くことに気づく。
  ウ てこに関心をもち、その使い方をくふうする。
  (ア)棒をてことして使い、小さな力で重いものを動かす方法をくふうし、てこには、てこをささえる点、力を加える点、加えた力のはたらく点のあることに気づき、これらの点の位置が変ると、同じ大きさの力を加えても、物にはたらく力の大きさが変る事実を知る。
  (イ)はさみ・おしぎりなどは、てこのはたらきを応用した道具であることを知り、その使い方に慣れる。
  エ ポンプのしくみととはたらきを調べる。
  (ア)吸上ポンプや押上ポンプを扱ったり、簡単なポンプを作ったりして、シリンダー・ピストン・弁・気室などのしくみと、はたらきに気づく。
  オ 温度の違いによる水の状態の変化を調べる。
  (ア)氷を溶かしたり、水を沸騰させたりして、水(液体)は氷(固体)・水蒸気(気体)に変ることに気づく。
  (イ)水が凍るのは普通0℃、沸騰するのはふつう100℃であることを知る。
  カ 温度の違いによる物の膨張・収縮を調べる。
  (ア)水・空気・金物などを熱したり冷やしたりして、物は暖まると膨張し、冷えると収縮する事実や、その度合の違いに気づく。
  (イ)温度計は温度の高低によって、水銀やアルコールなどが膨張・収縮することを応用したものであることを知る。
  (ウ)水が氷になったり、氷が水になったりするときには、体積が変わる事実に気づく。
  (エ)氷を少量入れた試験管を熱して、試験管にはめたせんを飛ばし、水は水蒸気になると体積が著しく増すことを知る。
  キ 乾電池と豆電球のつなぎ方による明るさの違いを調べる。
  (ア)2個の豆電球を乾電池につなぐとき、直列・並列のつなぎ方によって、豆電球の明るさが違うことに気づく。
  (イ)2個の乾電池を豆電球につなぐとき、直列・並列のつなぎ方によって、豆電球の明るさが違うことに気づく。
  (ウ)豆電球の明るさが違うのは、豆電球を流れる電流の強さが違うからであることを知る。
  (エ)乾電池に豆電球をつないだときの回路を、簡単な絵や記号を使った配線図で表わしたり、配線図に従って簡単な回路を組み立てたりすることができるようになる。
  (オ)乾電池や豆電球などを使って、簡単な懐中電灯・シグナルなどをくふうして作ることができる。
 (6)自然物から、その成分を取り出すことができることを、操作を通して知らせるとともに、自然物に含まれている物質の性質に気づくようにする。
  ア でんぷんを取り、その性質を調べる。
  (ア)じゃがいも・さつまいもなどのようないもには、でんぷんが含まれていることを知り、それらからでんぷんを取り出すことができる。
  (イ)でんぷんを水に入れて振ったり、これを熱したりして、でんぷんは水に溶けないが、これを暖めるとのりになることに気づく。
  (ウ)でんぷん液によう素液を加えると青紫色に変ることから、でんぷんを確かめるには、よう素液を用いればよいことを知る。
  (エ)パンやご飯などに、よう素液をつけると青紫色に変わることから、これらの食物にはでんぷんが含まれていることがわかる。
  (オ)ごはんをかんでいると甘くなることから、でんぷんは、つばのはたらきで砂糖のなかまに変わることを知る。
  イ 動植物から取ったあぶらの性質を調べる。
  (ア)ごま、またはあぶらななどの種子を押しつぶして、あぶらをしみ出させたり、豚肉などを熱してあぶらを取り出したりすることができる。
  (イ)水にあぶらを入れると、まじらないで上に浮くことから、あぶらは水に溶けないで、水より軽いことに気づく。
  (ウ)あぶらの中にしんを立てて火をつけると、燃えることに気づく。
  ウ たんぱく質の性質を調べる。
  (ア)たんぱく質は、卵・肉・牛乳・だいずなどに含まれていることを知る。
  (イ)たんぱく質を含んだものを焼くと、特臭を出して変化することに気づく。
  (ウ)たんぱく質には、熱したり、酢を加えたりすると、固まるものがあることに気づく。
  エ 食塩水を水と食塩とに分ける。
  (ア)食塩にごみがまじっているときには、これを水に溶かしてろ過し、固型物と食塩水に分けることができるようになる。
  (イ)食塩水(または海水)を熱して水分を蒸発させ、食塩を取り出すことができることに気づくとともに、製塩法を知る。
  (ウ)食塩水を熱し、出てきた水蒸気を集めて冷やし、その水を味わって、食塩が含まれていないことに気づく。
3 指導上の留意事項
 (1)内容(1)のオ〔海辺の生物〕に関する学習は、海に遠くて、海辺の様子や生物の生態などの観察が困難な所では、入手でくる海そうや貝などについての学習にとどめ、全般の学習は、高学年のときに海に行く機会を利用するのもよい。このような地域では、視聴覚資料の活用によって、理解を助けたり、深めたりすることができる。
 (2)内容(2)の気温・地温・水温の観測結果の記録やその処理については、算数科で得た知識・技能をじゅうぶんに活用し、また、これによって表やグラフについての理解を深めることがたいせつである。
 (3)内容(3)のイ〔水のはたらき〕に関する学習は、第2学年の(2)のイ〔雨水のゆくえ〕の発展として扱い、また、川原の石についても指導することがたいせつである。
 (4)内容(5)のウ〔てこ〕に関する学習は、第6学年(5)のエ〔てこ〕との関連を考え、ここでは日常用いられる道具を使い、それを通して具体的な経験を得させて、てこの三点と、それにはたらく力について理解させる。三点間の数量的関係については、第6学年で扱うようにする。
 (5)内容(6)のア〔でんぷん〕・イ〔あぶら〕・ウ〔たんぱく質〕は、(1)ク〔食物と栄養素〕との関連を考えて指導することがたいせつである。(1)のア〔いもの栽培〕で収穫したいもは(6)のア〔でんぷん〕に利用することができる。
〔第5学年〕
1 目 標
 (1)身近な自然の事物や現象に対する興味を深め、観察・観測・実験などによって、事物や現象の間の関係を見つけようとする態度を養う。
 (2)自然の環境の中にある問題を見いだし、解決の方法をいろいろ考えて事実に即して確かめ、処理できるようにする。
 (3)日常生活の中で経験できる事実をもとにして、自然科学的な基礎的原理を理解し、これを生活にあてはめてみるように導く。
 (4)自然の事物や現象についての理解をもとにして、自然と人間の生活との関係に気づくようにし、自然を愛護しようとする気持を養う。
2 内 容
 (1)観察・実験によって、生物の生活のしかたや育ち方などが生育の場所・食べ物や養分・温度などに関係のあることに気づき、さらに生物と人間の生活との関係を考察するように導く。また、病原体・寄生虫についても理解させる。
  ア いねを栽培して、その育ち方を調べ、環境との関係に関心を持つ。
  (ア)もみのつくりを調べ、いねをよく育てるのには、充実しているもみを選ぶ必要のあることがわかり、選種のしかたを知る。
  (イ)もみをまき、発芽したときの様子を観察し、芽の出方の特徴に気づく。
  (ウ)いねの育ち方を観察して、株の分れ方、花の咲く時期、花のつくりや開閉などを知る。
  (エ)いね・むぎのほかにも、まつ・とうもろこしなどのように、こん虫のなかだちによらないで受粉するもののあることを知る。
  (オ)除草、施肥、水温や気温などが、いねの生育に関係することを知る。
  (カ)いねは、ずいむしなどの害虫や病気におかされる場合のあることに気づくとともに、これらの害を防ぐ方法を知る。
  イ 種子のつくり・発芽・伸び方を調べる。
  (ア)だいずなどの豆を発芽させ、子葉が開きかけたとき、これをつみとると発育がおくれることから、子葉には養分がたくわえられていて、それが芽を出すのに役だつことを知る。
  (イ)発芽には適当な水分や温度が必要なことを知る。
  (ウ)かき・そらまめのように,つくりの見やすい種子を観察して,種皮・子葉・はい乳などがあることや,それぞれのはたらきを知る。
  (エ)種子をはちにまき,明るい所や暗い所で育て,茎の伸び方や色・茎や根の伸びる方向などが,光に関係することに気づく。
  ウ 花と虫との関係やそれぞれのつくりを調べ る。
  (ア)ちょう・はちなどが花のみつを吸い,花粉を集める様子を観察し,ちょうやはちが,その際に,受粉のなかだちをすることを知るとともに,花のつくりと虫のからだのつくりとの関係を理解する。
  (イ)花には,かぼちゃのように雄花・雌花の別のあるものもあることを知るとともに,かぼちゃなどで人工受粉をしたり,受粉をさまたげたりして,花は受粉すると,めしべのもとがふくらみ,実となり,その中に種子ができることを知る。
  (ウ)あぶらな・つつじ・たんぽぽなどの花びらの数・形・並び方などを観察して,それらには,それぞれよく以た花があることに気づく。
  (エ)ちょう・がなどのからだのつくりを比較観察し,からだの区分や目・ひげ・はね・足などの共通点に気づき,これらがこん虫であることを知る。
   こん虫には,このほか多くの種類のあることを知る。
  エ 魚のからだのつくり・習性・ふえ方を調べる。
  (ア)魚のからだの外形や,ひれの形やつくり,泳ぎ方を観察したり,えら・うきぶくろなどの内部のつくりを観察したりして,からだのつくりが水中の生活に適しているところの多いことを知る。
  (イ)池や海などの水を顕微鏡で観察すること により,水中には,みじんこ・ぞうりむし・けいそうなどの小さな生物がすんでいることに気づき,これらが魚のえさとなることを知る。
  (ウ)いろいろな魚の種類や生活のしかたを調べて,魚には海にすむもの,川にすむものがあり,また生育の時期によって生活の場所を変えるものがあることを知る。
  (エ)めだかなどのふやしやすい魚を飼育して,魚が卵から生れて育っていく様子を観察するとともに,魚の養殖のしかたを知る。
  オ 病原体と寄生虫の種類や人体にはいるまでの経路を知る。
  (ア)伝染病には結核,赤痢などがあり,病原体によって伝染すること,ならびにその経路を知る。
  (イ)病原体が体内にはいっても,必ず発病するものではないが,栄養の不足や,過労,不節生などのためにからだが弱っているときには,発病しやすいことを知る。
  (ウ)人体の寄生虫には,回虫・ぎょう虫・十二指腸虫などがあり,健康に影響することに関心をもつ。
  (エ)回虫や十二指腸虫の寄生経路を知り,検便の必要や,これの駆除予防についての理解を深める。
  (オ)病原体は目光・熱・薬品などによって殺すことができることを知り,これを実行するように努める。
 (2)風の向きを測って,季節や場所による風の変化や特徴に気づくようにするとともに,風の向きや強さが日常生活と関係があることを知らせ る。
  ア 風の向きや強さを調べる。
  (ア)樹木の動きや,波・煙などの様子で,風の強さの程度をいくつかに分けることができることを知る。
  (イ)簡単な風向計を作って風の向きを測り,風向は1日の中でも変化することに気づくとともに,風の向きや速さを正確に測るには,風向計.風速計を使うことを知る。
  (ウ)季節や場所(海岸・山あい)などによっ て,風が吹く向きやその変り方に特徴があることに気づくとともに,風の向きや強さが日常生活と関係のあることを知る。
  (エ)風は空気の動きであることに気づくとともに,局地風の起るわけを実験によって理解する。
 (3)地層をつくる岩石や,その中に含まれている化石や地下水などを観察して,岩石や化石に関心をもたせ,地層のできかたや変化について知らせる。
  ア 地層を観察し,そのでき方に関心をもつ。
  (ア) 地層を観察して、地層にはしま模様があることに気づくとともに、地層は岩石や砂や粘土などからできていることを知る。
  (イ) 地層は水や風などのはたらきによって、粘土や砂などが積り、長い年月かかってできたことを考えることができる。
  (ウ) 地層の傾きなどを観察して、地層はできてから後にもち上がったり、傾いたりすることを知る。
  イ  たい積岩の種類や性質を調べ、その利用に関心をもつ。
  (ア)地層をつくるでい岩・砂岩・れき岩・粘板岩・ぎょう灰岩・石灰岩などの粒・色・かたさなどの特徴に気づくとともに、これらはたい積岩であることを知る。
  (イ)岩石はそれぞれの性質によって利用され、砂岩、粘板岩などは石材として、石灰岩は石灰・セメントなどの原料として使われることを知る。
  ウ 化石を観察して、そのでき方に関心をもつ。
  (ア)化石を観察して、化石には貝や木の葉などがあることに気づくとともに、化石が地層に含まれていることを知る。
  (イ)化石が過去の生物であることや、出てきた化石によって、その化石を含んでいた地層のできた当時の様子が、現在の様子と違っていたことを知る。
  エ 泉や井戸を観察し、地下水に関心をもつ。
  (ア)粘土の上に盛った砂に水をかけ、粘土の層が水を通しにくいことから、泉や井戸水は、雨水などが地中にしみこみ、地中の岩石や粘土の上にある砂などの中にたまった水であることを理解する。
  オ  石炭と石油のでき方を知る。
  (ア)石炭・石油は地層の中にあって、これらが過去の生物から変化してできたものであることを知る。
 (4)太陽・地球・月の大きさや表面の様子などを知らせるとともに、太陽・月・星の動く様子をもとにして、地球が自転していることや、昼夜のできるわけを理解させる。
  ア  地球の自転と昼夜のでき方を理解する。
  (ア)太陽・月の表面を比較観察して、太陽・月の光り方、表面の様子などに違いのあることを知る。
  (イ)月に太陽の光を反射して光っていることを知る。
  (ウ)太陽は月とほぼ同じ大きさに見えるが、月よりも大きくて、遠くにあることを知る。
  (エ)北の空の星は、北極星のまわりを回っているように見えることや、そのほかの星も時間がたつにつれて、位置が変っていくことを観察して、星も太陽や月と同じように、1日たつとだいたいもとの位置に見えることを知る。
  (オ)太陽・月・星の1日の見かけの運行の事実から、地球は自転していることを知る。
  (カ)海岸に近づく船が帆柱から見え始めることなどから、地球が球形であることを知る。
  (キ)太陽は自転している地球の半分を照すために、昼夜ができることを理解する。
 (5)摩擦・すわりや、音・光・熱・電気などについての身近の諸現象や、簡単な道具や機械について、観察や実験を通して、その初歩的な原理やしくみ・はたらきに気づくようにする。
  ア 物の運動に伴う摩擦の大小と、その利用について調べる。
  (ア)机の上に置いた本やいろいろな物を、押したり引いたりして動かし、物が運動している時には、接触している面に、その運動をさまたげる力がはたらくことを知る。
  (イ)同じ物を木やガラスなどの板の上で動かし、面のなめらかさによって摩擦に大小のあることに気づく。
  (ウ)物を動かすとき、接触面にろうや油を塗ったり、ころや車を使ったりすると、運動をさまたげる力が小さくなることを、ぜんまいばかりなどを使って確かめる。
  (エ)身のまわりの道具や機械には、ベアリングやブレーキなどのように、使う目的によって摩擦を小さくしたり、大きくしたりするくふうがされていることを理解する。
  イ 物のすわりのよしあしを調べる。
  (ア)おきあがりこぼしを作り、それにつけるおもりの位置や重さを変えて、その動きを観察し、おもりの位置や重さによって、起き上がり方に違いのあることに気づく。
  (イ)あき箱(直方体)などの内部につけたおもりの位置を変えたり、また、底の広さの違う箱を使ったりして、箱を少しずつ傾けて、その倒れ方を調べ、すわりのよしあしがおもりの位置や重さ、底の広さに関係のあることを理解し、いろいろな物のすわりに関心をもつ。
  ウ 音の高低と強弱を調べる。
  (ア)音が弦・膜・棒などの振動によって出ることを、実験によって理解する。
  (イ)簡単な琴を使って、弦の長さ・太さ・張る強さの違いによって、音の高低の違いができることを理解する。
  (ウ)琴の弦をはじいたり、太鼓をたたいたりなどして、音の強弱は、振幅の大小に関係することを理解する。
  エ 音の伝わり方や進み方を調べる。
  (ア)真空の中では音が伝わらない事実などから、空気が音を伝えることを理解する。
  (イ)水や金属なども、音を伝えることを知る。
  (ウ)音は物に当ってはねかえったり、まわりのものに吸収されることを実験によって理解する。
  オ 光の直進・反射・屈折のしかたを調べる。
  (ア)光は、ふつう、水や空気の中ではまっすぐに進むことを理解する。
  (イ)針穴写真機を作って、いろいろな物の像を写し、それが光の直進によることを理解する。
  (ウ)鏡に当たった光は、入射した方向によって反射する方向が決まることを確かめる。
  (エ)光を出さないものが見えるのは、他から来た光を反射しているからであることを理解する。
  (オ)光が、空気中から水中にはいるとき、また、水中から空気中に出るときなどには、その鏡で屈折したり反射したりすることを理解し、光の屈折によっておこる日常の現象に関心をもつ。
  カ 熱の移り方にはいろいろあることを調べる。
  (ア)温度の高い物と低い物を触れされると、両方の温度が変ることから、熱が温度の高いところから低いところへ移ることを知る。
  (イ)金物などの一部を熱して、熱が物を伝わって移ることに気づき、物によって熱を良く伝えるものと、伝えにくいものとがあることを理解する。
  (ウ)水や空気の一部を熱して、その動きを調べ、熱が水や空気の動きに伴って移ることを理解する。
  (エ)太陽からの熱や、ストーブなどのそばで受ける熱は、中間の空気を暖めないで直接物に移ることを知り、黒い物は白い物よりも暖まりやすい事実に気づく。
  (オ)日常生活には、熱の移り方をうまく利用しているもののあることに気づく。
  キ 電磁石のはたらきを調べ、利用の方法をくふうする。
  (ア)簡単な電磁石を作り、電流を通じると磁石としてはたらき、電流を断つと、はたらかなくなることを確かめる。
  (イ)電磁石は、導線を多く巻いたり、電流を強くしたりすると、磁力が強くなることを理解する。
  (ウ)電磁石は、巻線に流れる電流の向きによって、極が変ることを確かめる。
  (エ)電信機や、ブザー・電鈴などには、電磁石が利用されていることを知り、それらのしくみや、はたらきを理解する。
  (オ)電磁石を使った簡単な電信機やブザーなどをくふうして作ることができる。
 (6)日常生活に関係の深い燃焼、せっけんのはたらき、酸性・アルカリ性の物質などの性質を実験により調べ、それらの性質や変化を理解させる。
  ア 火の起し方と消し方を調べる。
  (ア)こんろで火を起し、物が燃えるには空気が必要なことに気づき、じょうずな火の起し方をくふうする。
  (イ)燃えているまきや木炭を火消しつぼに入れたり、水をかけたりすると火が消えることから、火を消すには空気を断ったり、温度を下げたりすることが必要であることを理解する。
  イ 酸素と二酸化炭素をつくり、その性質を調べる。
  (ア)酸素を発生させ、その中に燃えているものを入れると、空気中よりはげしく燃えることに気づく。
  (イ)空気の中には、酸素のほかに窒素が含まれていることを知る。
  (ウ)口の広いびんの中でろうそくや炭火を燃やし、消えたあとに石灰水を入れて振ると、白濁する事実に気づく。
  (エ)石灰石・炭酸水素ナトリウム(重そう)または貝がらなどに塩酸を作用させて、二酸化炭素を捕集し、空気より重い気体であること、その中では物が燃えないこと、石灰水を白濁することに気づき、二酸化炭素の検出法がわかる。
  (オ)二酸化炭素は水に溶け、その液は青色リトマス紙を赤く変えることに気づく。
  ウ 燃料の種類と燃え方を調べる。
  (ア)燃料にはいろいろな種類があり、燃料によって燃え方に違いのあることに気づく。
  (イ)木片を試験管でむし焼きにすると、燃える気体が出て、あとに木炭ができることに気づく。
  (ウ)木炭・れん炭などが燃えるとき、一酸化炭素ができることがあり、この気体は有毒であることを知る。
  (エ)アルコールランプとろうそくなどで、炎の様子を比較観察して、色・温度、すすのつき方は、燃える物や炎の部分によって違うことに気づき、炎は気体が燃えていることを知る。
  エ せっけんのはたらきを調べる。
  (ア)ま水・食塩水などにせっけんを入れてよく振ると、食塩水のほうはせっけんが溶けにくく、あわだちの悪いことに気づく。
  (イ)せっけん水とま水に油を落してよく振り、その変り方を比較し、せっけん水は油を細かい粒に分けることを知る。
  (ウ)せっけん水とま水に、すすを加えてよく振り、その変化を比べ、せっけん水はすすを細かく分ける性質のあることを知る。
  (エ)せっけん水とま水の液面に毛糸や毛織物を浮べ、せっけん水のほうが毛糸や毛織物の間に速くしみこむ性質のあることに気づく。
  オ 酸性・アルカリ性の物質と、中和について調べる。
  (ア)なつみかんのしる・酢・うすい塩酸などは酸味があり、青色リトマス紙を赤く変えることに気づき、これらのものは酸性であることを知る。
  (イ)木炭の上澄み液・アンモニア水・石灰水や、水酸化ナトリウム・せっけん水の水溶液などは赤色リトマス紙を青く変えることに気づき、これらのものは、アルカリ性であることを知る。
  (ウ)蒸留水・砂糖水・食塩水などは中性であることに気づく。
  (エ)水酸化ナトリウムの水溶液と塩酸を適当な割合で混ぜると、中和して中性になり、その水分を蒸発させると食塩ができることを知る。
3 指導上の留意事項
 (1)内容(1)のア[いねの栽培]は、都会地においても、その栽培規模の大小は問わず、できるだけ内容に示したような経験を得させることが望ましい。このような場合には、見学または視聴覚資料の活用によって、理解を助けたり、深めたりすることができる。
 (2)内容(1)のオ[病原体と寄生虫]については体育科との関連を、(6)のア[火の起し方]・ウ[燃料]・エ[せっけん]については、家庭科との関連をじゅうぶんはかる必要がある。これらについては、理科では、体育科や家庭科の学習の基礎となる事項を取り上げることをたてまえとしている。
 (3)内容(3)のオ[石炭と石油]は、炭田・油田地方以外の一般の地域では、(6)のウ[燃料]と合わせて学習する程度に考えてよい。
 (4)内容(6)のエ[せっけんのはたらき]に関する学習において、せっけん以外の洗剤をも取り上げることは望ましいが、ここではせっけんのはたらきを主として理解させることがたいせつである。
 (5)内容の文中「理解する」とあるのは、児童の活動と教師の指導によりじゅうぶん納得し、さらにこうして得られた知識が他の場合にもはたらくようになることをさしている。このことは、第6学年においても同様である。
[第6学年]
1 目 標
 (1)身近な自然の事物や現象に対する興味を深め、観察・観測・実験などによって、広く事物や現象を関係的に見たり考えたりして、自然をいっそう深く見ようとする態度を養う。
 (2)自然の環境の中にある問題を見いだし、これを分析したり総合したりして考察することに慣れさせ、筋道の通った考え方でくふう・処理することができるようにする。
 (3)日常生活の中で経験できる事実をもとにして、自然科学的な基礎的原理を理解し、これを生活の上にあてはめ、合理的な生活を営もうとする態度を養う。
 (4)自然と人間の生活との関係について理解を深め、自然の資源を保護する方法を考え、さらに進んでこれを利用することに関心をもたせる。
2 内 容
 (1)観察・実験によって生物のつくりやはたらきを知り、生物はそれぞれ生命を保つにつごうよくできている事実や、生物は互に関係して生活している事実に気づくように導く。
   また、人のからだのしくみとはたらきについて知らせ、からだの各部が互に関連してはたらいていることを理解させる。
  ア 植物の根・茎・葉のおもなつくりとはたらきを調べる。
  (ア)植物には主根・枝根やひげ根などのあることに気づき、根のはたらきを知る。
  (イ)発芽しただいこんなどの根を観察して、根毛のあることに気づき、根毛のはたらきを知る。
  (ウ)赤インクの中にほうせんかなどの茎をさし、その染まった茎を薄く横切りにして、水分の通り道を知る。
  (エ)実験によって、植物は葉から水を蒸散している事実に気づき、顕微鏡によって気孔を観察し、そのはたらきを知る。
  (オ)葉の表面の薄い皮を顕微鏡で観察し、これがいくつかのくぎりからできていて、その一つ一つが細胞であることを知る。
  (カ)実験によって、緑の葉にはでんぷんのできること、その場合に日光が関係することを知る。
  イ 森林の生物について相互の関係を調べ、森林の保護に関心をもつ。
  (ア)森林には、日なたに育つ高木や、日かげにも育つ低木のあることに気づく。
  (イ)樹木の切り口を観察して年輪のある事実に気づき、樹木は、春・夏ころよく育ち、秋・冬にかけて育ちの悪くなることを知る。
  (ウ)森林の中では、すぎ・ひのきなどが、まっすぐ上に伸びている様子を観察するとともに、ふじなどのような草木のつるが樹木に巻きつくと樹木の成長をさまたげることがあることを知る。
  (エ)繁茂した樹木の陰には、日かげに育つしだなどの植物がはえていることや、下草やこけと森林の樹木とは互いに関係しあって育つことを理解する。
  (オ)森林は鳥・獣などのよいすみかとなること、樹木を食害する虫を鳥が補食することなどを理解して、生物の間のつながりを知るとともに、野鳥の保護に関心をもつ。
  (カ)森林が大水・風・土砂くずれ・雪の害などを防ぐに役だつことから、植林や森林保護の必要を知る。
  ウ きのこやかびの種類やふえ方を調べる。
  (ア)きのこの種類やはえている場所を調べ、きのこには食用になるものや、毒があって食用にならないものがあることを知る。
  (イ)まつたけ・しいたけなどのようなきのこには、柄とかさがあり、かさの表面には、ひだのあることに気づく。
  (ウ)顕微鏡できのこの胞子を観察し、きのこはこれによってふえることを知る。
  (エ)しいたけのようなきのこの栽培のしかたから、きのこの育つ様子を知る。
  (オ)かびを顕微鏡で観察し、かびも胞子によってふえることを知る。
  (カ)かびにはいろいろな種類があり、こうじかびなどのよう利用できるものや、くろかびのように腐敗の原因となるものなどがあることを知る。
  エ 人体のつくりやはたらきを調べ、健康に関心を深める。
  (ア)からだを動かしたり、模型・標本などで調べたりして、筋肉や骨のしくみとはたらきを知る。
  (イ)食物は口・胃・腸を通る間に細かく砕かれたり、消化液がまじったりして、消化・吸収されることを知る。
  (ウ)血液は心臓から押し出され、血管を通ってからだの各部に養分と酸素を送り、そこから不用なものを取り去ることを知る。
  (エ)肺臓は空気中から酸素を取り、二酸化炭素を出して、血をきれいにするはたらきをすることを知る。
  (オ)尿や汗は、体内の不用になったものが体外に出されるものであることや、汗には体温を調節するはたらきもあることを知る。
  (カ)目・耳のつくりやはたらきを知る。
  (キ)人のからだには病気を防いだり、病気にかかっても自然に直したりする力が備わっていることを知るとともに、予防接種などはこの力を強め、病気の予防に役だつことを知る。
 (2)空気の湿り気や降水量などについて理解させ、これらが人の生活に深い関係があることに関心をもたせる。
  ア 空気の湿り気を調べる。
  (ア)器に入れた水が自然になくなることなどから、川・池・海などの水面や地面から、絶えず水が蒸発していることを知る。
  (イ)冷たい水を入れたコップの表面に、細かい水滴がつくことから、空気中には水蒸気のあることに気づく。
  (ウ)空気の湿り気は、空気に含まれる水蒸気の量に関係があることを知る。
  (エ)セロハンなどで湿り気を測る道具を作り、湿り気が量的に測れることを知るとともに、湿り気を測って、それが天気によって違いがあり、日常生活にも関係があることに気づく。
  イ 雨量や積雪量を調べる。
  (ア)霧は水滴の集まりであり、雲は水滴や氷片の集まりであることを知るとともに、雲の発生は降雨・降雪の原因となることがわかる。
  (イ)雲の高さや形を観察し、その変化は天気の変化に関係があることを知る。
  (ウ)雨量は、たまった水の深さで測ることを知り、簡単な雨量計を作って雨量を測るとともに、雨量は日常生活や産業に関係があることに気づく。
  (エ)積雪量の測り方を知るとともに、積雪量の多少が人の生活に関係深いことを理解する。
  (オ)降雨や降雪の量は、季節や土地によって違いのあることを知る。
 (3) 火山活動や岩石・鉱物に関心を深め、火成岩やこれをつくる鉱物などを観察させて、その特徴に気づくようにするとともに、地かくが岩石によってできていることを知らせる。
  ア 火山に関心をもち、火成岩のおもな種類や性質、利用のしかたを調べる。
  (ア)火山には、気体や灰や溶岩などを噴出するものがあることを知る。
  (イ)温泉は、地下から熱い湯がわき出したもので、火山地域に多いことを知る。
  (ウ)花こう岩・安山岩などを観察して、粒・色・かたさなどの特徴に気づくとともに、これらが火成岩であることを知る。
  (エ)花こう岩・安山岩などは、石材として利用されていることを理解する。
  (オ)火成岩とたい積岩とを比較して、火成岩にはたい積岩と違う性質のあることを知る。
  (カ)岩石には火成岩やたい積岩などがあり、これらの岩石によって地かくができていることを知る。
  イ いくつかの鉱物の性質を調べ、その利用に関心をもつ。
  (ア)花こう岩は石英・長石・雲母などの鉱物からできていることを知り、これらの鉱物には、形・色などに違いがあることに気づく。
  (イ)水晶や方解石などの鉱物の形を観察したり、ガラス・小刀などでかたさを比べたりして、その違いに気づく。
  (ウ)黄鉄鉱・黄銅鉱または方鉛鉱などの金属鉱物を観察して、色・形・かたさ、素焼きのものにこすったときの粉の色など、これらの鉱物にはそれぞれ特徴があることを知るとともに、鉱物には金属を取り出すことができるものがあることを知る。
 (4)太陽の見かけの運行に興味をもち、観察によりその周期的変化に気づき、季節はこの周期的変化に関係して起ることや、地球は自転しながら公転していることをわからせる。
  ア 太陽の運行を観測し、季節の変化の起るわけを調べる。
  (ア)日の出・日の入りの方位や時刻、南中の太陽の高度などを調べ、太陽の運行を正しくとらえることができる。
  (イ)棒のかげを時刻を変えて調べ、太陽の高度や方位を知ることができる。
  (ウ)春分・夏至・秋分・冬至の日の、日の出・日の入りの方位・時刻、南中の太陽の高度、昼夜の長さなどを調べ、これらの違いに気づくとともに、季節による移り変りを知る。
  (エ)季節の変化の起る理由に関心を深め、その理由について考え、地球は自転しながら太陽のまわりを回っていることを知る。
 (5)ばね・振り子・てこ・滑車・レンズ・電灯・モーターなどのような身近な道具や機械のはたらきを数量的・分析的に調べて、それに関係する原理をつかむようにし、これらの道具や機械を合理的に使えるように導く。
  ア 振り子の振れ方を調べる。
  (ア)ぶらんこの振れ方を観察したり、振り子の実験をしたりして、振り子の振動する時間は、振り子の長さに関係するが、振幅やおもりの重さには、ほとんど関係しないことに気づく。
  (イ)振り子はとけいに利用され、正しい時をきざむのに役だつことを知る。
  イ ばねのはたらきを調べる。
  (ア)ゴムひもや、つるまきばねの伸び方は、それにはたらく力の大きさに関係することを数量的に調べて理解する。
  (イ)ぜんまいばかりで物の重さを測ったり、そのぜんまいを手で引いてみたりして、物の重さを力の大小で考えることができる。
  (ウ)ばねやゴムは、これをおし縮めたり引き伸ばしたりすると、もとにもどろうとする力がはたらき、また、急に力がかかるとき、ばねやゴムを間に置くと、力が弱められることを理解するとともに、身のまわりには、これらを利用した道具や機械があることに気づく。
  ウ 歯車やベルトのはたらきを調べる。
  (ア)自転車や、とけいなどの機械について、歯車によって力が伝えられていることを理解する。
  (イ)かみ合っている二つの歯車の回転の向き、回転数などについて理解する。
  (ウ)ベルトは、二つの車をつないで力を伝え、車の大きさが違うとその回転数が違い、ベルトのかけかたによって回転の向きが変ることを理解する。
  (エ)チェーンは、二つの歯車をつないで力を伝え、歯車の大きさが違うと、その回転数が違うことを理解する。
  エ てこ・輪軸・滑車のはたらきを調べる。
  (ア)てこについて、三点間の距離と、はたらく力の関係を数量的に調べ、力の大小や方向について理解する。
  (イ)輪軸のはたらきを、てこの原理によって理解する。
  (ウ)滑車を使うと、力の方向や、大きさを変えてはたらかせることができることを理解する。
  オ レンズのはたらきを調べる。
  (ア)とつレンズでは光を集め、おうレンズでは光を広げるはたらきがあることを知る。
  (イ)とつレンズでは、軸に平行に来た光はその焦点に集まり、焦点の位置はレンズによって違うことを理解する。
  (ウ)とつレンズでは、焦点の外に物を置くと、反対がわにさかさまの実像ができ、焦点内に置くと、実像ができないことを理解する。
  (エ)写真機・幻灯機・望遠鏡・顕微鏡などには、組み合わせたレンズを使っていることを知る。
  カ モーターのしくみとはたらきを調べる。
  (ア)界磁に永久磁石を使った簡単なモーターを作り、電機子は電磁石の一種であって、整流子は電機子に流れる電流の向きを変えるはたらきをすることを理解する。
  (イ)モーターの回るわけを磁石の性質によって理解する。
  キ 電流の発熱作用を調べる。
  (ア)同じ長さ、同じ太さの質の違う針金(銅線と電熱線のように)を直列につなぎ、電流を通ずると、電気が流れにくい線の部分が発熱しやすいことを確かめる。
  (イ)電熱器では電熱線によって、電球ではタングステン線によって、電流を熱や光に変えていることを理解する。
  (ウ)電熱器や電球では、電熱線やタングステン線の太さや長さを変えて、それに流れる電流の強さを変え、熱や光の出方が違うようにくふうされていることを理解する。
  ク 家庭の電気の配線や、電気器具の安全な扱い方を理解する。
  (ア)スイッチ・コード・ソケットなどのしくみ、はたらきを理解して、これらを回路に正しくつなぐことができるようになる。
  (イ)屋内配線のしかたを知り、安全器・ヒューズなどのはたらきを理解する。
  (ウ)家庭の電気器具を安全に扱えるようになる。
 (6)日常用いられる金属や繊維の性質を調べ、金属や繊維にはいろいろあり、それぞれ特性があることを理解させ、それに応じた扱い方ができるようにする。
  ア 鉄・銅・アルミニウムなどの性質を調べる。
  (ア)鉄・銅・アルミニウムなど日常多く使われる金属の色の違いを観察したり、小刀やガラスなどでこすってかたさを比べたり、同じ体積の重さを比べたりして、それぞれ性質が違うことに気づく。
  (イ)いろいろな金属の針金や箔を観察して、それは金属の伸びたり、広がったりする性質を利用したものであることを知る。
  (ウ)縫い針を使って、焼き入れや焼きもどしをし、かたさが変わることに気づき、その性質が刃物などに利用されていることを知る。
  (エ)よくみがいたくぎを、空気中や水気のあるところに置いたり、これを熱したりして、それらの表面のさびる様子に違いのあることに気づき、鉄のさびに黒さびと赤さびのあることを知る。
  (オ)ろくしょうを観察し、このさびは銅を水分の多い所に長く置くとできることや、ろくしょうは有毒であることを知る。
  (カ)鉄を酸性の液に入れたり、アルミニウムを酸性・アルカリ性の液に入れたりすると溶けることに気づき、そのとき出てくる気体が水素であることを知る。
  (キ)鉄や銅にめっきしたものや、油・塗料を塗ったものを、そのまま鉄や銅などといっしょに水気の多い所に置き、さびる様子を比較観察して、さびを防ぐ方法に気づく。
  イ はんだを作り、合金の性質を調べる。
  (ア)鉛とすずを混ぜて熱すると、溶け合うことに気づき、それがはんだであることを知る。
  (イ)はんだはもとの鉛やすずよりも、溶けやすいことに気づき、はんだづけをすることができるようになる。
  (ウ)合金の中には、黄銅のように色を美しくしたり、ジュラルミンのようにかたくしたり、ステンレススチールのようにさびにくくしたりしたものがあることを知る。
    ウ いろいろな繊維について、その性質を調べる。
  (ア)いろいろな糸や布を調べて、それらには動物から取ったもの、植物から取ったもの、合成したものなどがあることを知る。
  (イ)いろいろな糸や日本紙を顕微鏡で調べて、それらが繊維からできていることや、それらの繊維は形状に違いのあることに気づく。
  (ウ)毛織物・綿織物・ナイロン製品など、またはそれらの糸を熱したり、酸性・アルカリ性の液に入れたりして、繊維には、熱や薬品によって変化を受けやすいものと、受けにくいものがあることに気づき、正しい扱い方を考える。
  (エ)紙は植物の繊維を加工して作ったものであることを知る。
3 指導上の留意事項
 (1)内容(1)のイ[森林の生物]に関する学習において、近くに森林のない地域では、海に遠い地域での海に関する学習の場合と同様にできるだけ森林に行く機会をつくって、この内容に示したような経験を得させることが望ましい。
 (2)内容(5)のア[振り子]・イ[ばね]・ウ[歯車]・エ[てこ]については、数量的に実験して理解させる必要がある。ことに、イ[ばね]・エ[てこ]については、算数科で得た知識・技能をじゅうぶんに活用し、また、この学習を通して、比例についての理解を深めることが大切である。
 (3)内容(6)のア[金属の性質]の学習にあたっては、既習の第3学年(3)のコ[豆電球の点灯]、第5学年(5)のカ[熱の移り方]で学習した金属の性質を思い起させ、この学習と相まって金属の性質がまとまるように導く。
 (4)内容(1)のエ[人体]については体育科との関連を、(6)のウ[繊維]については家庭科との関連を、じゅうぶんはかることがたいせつである。

第3 指導計画作成および学習指導の方針
 1 内容にあげた各事項は、いずれも学校の指導計画に含まれ、指導されるべきものであるが、各事項のまとめ方や順序はこれによる必要はない。学校において、適切な組織・順序をもった指導計画を立てて指導する必要がある。
 2 学校の指導計画作成にあたっては、児童の能力や経験、児童が見いだした疑問や問題、教師の指導目標などを考慮して、全体をいくつかのまとまりに組織することが望ましい。
 3 内容中(ア)(イ)(ウ)などの事項においては、内容の程度や望ましい学習活動を示してある。学習指導にあたっては、その地域の実情や学校の施設・設備などに応じ、適切な方法により、そのねらいを達成するように努めることがたいせつである。
 4 内容中にあげた生物の種名や岩石名などは、その例を示したものであるから、地域の生物や地質などを考慮して、それを学習に生かすようにし、また、季節や地域の気象・行事などとの関連に留意し、適切な時期に観察・実験・飼育・栽培などができるように計画する必要がある。
 5 児童の発達段階に応じ、その興味関心を発展させ、児童の経験や実生活との結びつき を重んじて、つとめて具体的な事物・現象からはいり、実証的、研究的な態度で学習させるようにすることがたいせつである。
 6 できるだけ広く観察・実験を行うことが必要であって、観察・実験を行わないで、単に知識にのみ偏することは厳に避けなければならない。
 7 観察・実験にあたっては、論理的思考の発展、技能の習熟に努めることはもとより、習得した知識の整理や結論の確認にじゅうぶん時間を予定して指導するように留意する必要がある。
 8 学習指導にあたっては、ものごとを分析的、論理的に追究する態度を養うことを重んずるとともに、全体的、直覚的につかむしかたを重視することがたいせつである。
 9 学習の環境を整備し、自然の事物や現象に接する機会を多くしたり、観察・実験がたやすくできるようにしたりして、児童の自主的、積極的な学習態度を助長するように指導することが望ましい。
 10 観察・観測・飼育・栽培などを継続して行うために必要に応じ指導の単位時間を分割したり、野外観察などのために、半日ないし一日、理科の時間をまとめたりして指導してもよい。
 11 事故の防止に留意する。野外観察・実験などにあたり、不注意あるいは、無意識な動作、好奇心による行動、扱い方を理解しないで操作することなどから、けがをしたり、機械器具を破損したりすることを理解させ、理科の時間ばかりでなく、日常生活においても、科学的な考え深い行動をとる習慣をつけるように指導することがたいせつである。

施行期日
 この小学校学習指導要領は、昭和33年10月1日から施行する。ただし、道徳に係る部分を除き、各教科、特別教育活動および学校行事等に係る部分については、昭和36年3月31日まで、別に定めるもののほか、なお従前の例による。
 なお、小学校学習指導要領道徳編(昭和33年文部省告示第71号)は、これを廃止する。


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