「小学校学習指導要領」(理科)
1968(昭和43)年7月11日文部省告知第268号
第4節 理 科
第1 目 標
自然に親しみ、自然の事物、現象を観察、実験などによって、論理的、客観的にとらえ、自然の認識を深めるとともに、科学的な能力と態度を育てる。
このため、
1 生物と生命現象の理解を深め、生命を尊重する態度を養う。
2 自然の事物・現象を互いに関連づけて考察し、物質の性質とその変化に伴う現象やはたらきを理解させる。
3 自然の事物・現象についての原因・結果の関係的な見方、考え方や定性的、定量的な処理の能力を育てるとともに、自然を一体として考察する能力を養う。
第2 各学年の目標および内容
〔第1学年〕
1 目 標
(1)植物や動物の特徴を、色・形・大きさ・動きなどで理解させる。
(2)磁石につく物とつかない物があることや、熱によって物が変化することなどによって、物には似た性質のあることを理解させる。また、車の回る様子や磁石につくくぎのつき方、日光による影のでき方などによって、車を回すものや磁石、太陽のはたらきを理解させる。
(3)太陽が地面を明るくしたり、暖めたりすることを理解させる。
2 内 容
A 生物とその環境
(1)草木には根・茎・葉があり、草木が育つことや、育つには水が必要であることを理解させる。
ア 種子から芽を出して、育っていくこと。
イ つぼみが開いてから花が散り実になるまでのこと。
ウ 花・実・葉などの色・形・大きさ、草木の高さなどは草木の種類によって違いがあること。
エ 草花は水をやらないと、しおれたり枯れたりすることがあること。
(2)身近に見られる動物の特徴を理解させる。
ア 動物の動き方や形には、それぞれ特徴があること。
イ 動物によって、食べ物や食べ方に違いがあること。
ウ 動物によって、卵から孵化するものや、親に似た形で生まれてきたりするものがあること。
エ ウサギ・ニワトリなどのからだはあたたかいこと。
B 物質とエネルギー
(1)花や実などに含まれている汁の性質を理解させる。
ア 花や実の汁は、種類によって色・におい・味・手ざわりなどに違いがあること。
イ 実の汁を塗った紙を加熱して、水分をなくすと、汁のなかに溶けていた物が残ることや、種類が違う実の汁でも、残った物の色の変わり方には、同じような変化が見られること。
(2)物には、かさと重さがあり、大小、軽重の違いがあることを理解させる。
ア 砂や小石など、いろいろな物の落とし方によって、砂車の回り方に違いができること。
イ 落ちる砂のかさの違いによって、車の回り方が変わること。
ウ 砂、おがくずなど、落ちる物の種類によって、車の回り方が変わること。
エ 載せる物の種類や大きさによって、シ−ソ−の傾きが変わること。
(3)磁石が物を引きつけることを理解させる。
ア 磁石につく物とつかない物があること。
イ 磁石が物を引きつける力は、端ほど強いこと。
ウ 磁石が物を引きつける力は、ビニル、水などによってその間が隔てられていてもはたらくが、磁石につく金物の板で隔てられると、その力ははたらきにくくなること。
(4)日光による影のでき方を理解させる。
ア 日光を物でさえぎると、さえぎった物の太陽側の表面が、明るくなり、太陽と反対側に陰影ができること。
イ 物の影の濃さや色は、影をつくる物によって違いがあること。
C 地球と宇宙
(1)日なたと日かげの暖かさや、地面の様子などの違いは、太陽と関係があることを理解させる。
ア 日なたと日かげでは、暖かさ、地面のかわき方などに違いがあること。
イ 地面が日なたになったり、日かげになったりするのは、太陽の位置と関係があること。
(2)石には、いろいろ違うものがあることを理解させる。
ア 石には、色・形・大きさ・かたさ・手ざわりなどに違いがあること。
イ 石には、大きさや形が違っても、色・模様・手ざわりなどに似たものがあること。
3 内容の取り扱い
(1)内容の指導に当たっては、遊びなどを通して、親しみやすい自然の事物・現象に直接はたらきかけ、それらの著しい特徴を、全体的・直覚的にとらえさせるとともに、動物や植物をかわいがるように留意することが必要である。
(2)内容のAの(2)の「身近に見られる動物」には、たとえばウサギ、シロネズミ、ニワトリ、小鳥、フナ、キンギョなどが考えられる。
[第2学年]
1 目 標
(1)植物や動物の成長と活動の様子を、育つ場所や時期と関係づけて理解させる。
(2)物が水に溶ける様子や電気の通し方、音の出方などから物の性質を理解させる。また、やじろべえの立ち方、豆電球の点灯、聞こえる音などから、おもりや乾電池、回路や震えなどのはたらきを理解させる。
(3)日中の明るさ、暖かさは、太陽の動きや雲、雨などに関係があることを理解させる。
2 内 容
A 生物とその環境
(1)草木の育ち方と日当たりや暖かさとの関係や、種子によるふえ方を理解させる。
ア 一つの種子から1本の草花が育ち、数多くの種子ができること。
イ 草木の育ち方は、日当たりのよしあしによって違うこと。
ウ 草花は密生しているとよく育たないこと。
エ 草花には、種類によって、種子から発芽して育つ時期や花の咲く時期に違いがあること。
オ 草木には、種類によって、何年も成育できるものがあること。
(2)虫、魚、カエルなどの居場所や食べ物、動きなどを理解させる。
ア 虫、魚、カエルなどは、種類によって、形や活動の様子に違いがあること。
イ 虫、魚、カエルなどは、種類によって、住んでいる場所や食べ物に違いがあること。
B 物質とエネルギ−
(1)物には、水に溶けるものがあることを理解させる。
ア せっけんが水に溶けると、せっけんの形が見えなくなったり、水の様子が変わったりすること。
イ 物が水に溶ける速さは、水の暖かさや物の大きさなどによって違うこと。
(2)空気のあることを理解させる。
ア 空気をゴム風船やポリエチレンの袋などに閉じ込めることができること。
イ 空気が水中で泡になることや、泡は水中で集められること。
(3)流水や風で車を回すことができることを理解させる。
ア 水車の回り方は、水の流れる速さや水の当て方で変わること。
イ 風車の回り方は、風の強さや風の向きで変わること。
ウ 水車や風車には心棒があり、つり合いがとれている車はよく回ること。
エ 風車は流水のなかでも回ること。
(4)やじろべえの立ち方から、おもりのはたらきを理解させる。
ア 一方のおもりの重さを変えると、傾き方が変わること。
イ 一方のおもりの位置を変えると、傾き方が変わること。
(5)豆電球を点灯させる回路や、電気を通す物のあることを理解させる。
ア 乾電池の二つの極と豆電球を導線でつなぐと、豆電球が点灯すること。
イ 電気を通す物と通さない物があること。
(6)音が聞こえているときは、音を出している物が震えていることや、その震えが物を伝わることを理解させる。
ア 音が出ている物は、速く震えていること。
イ 糸などは、震えを伝えること。
C 地球と宇宙
(1)太陽の通り道を理解させる。
ア 太陽の色や輝きなどは、朝・昼・夕で違いがあり、いつも丸く見えること。
イ 太陽は少しずつ動いていること。
ウ 太陽は東から出て、南の空を通って西にはいること。
(2)雲が日光をさえぎると、日中の明るさ、暖かさが変わることや、雨の降り方や雨水の流れによって、地面の様子が変わることを理解させる。
ア 雲の有無や雲の広がり、濃さなどによって、地面の明るさ、暖かさに違いができること。
イ 雲が広がっているときに、雨や雪の降ることがあること。
ウ 雨の降り方によって、地面を流れる水の様子や水のたまり方などに違いがあること。
エ 雨水は流れたり、たまったりして、地面の様子を変えること。
オ 雨水は地中にしみ込んだり、かわいたりすること。
3 内容の取り扱い
(1)内容の指導に当たっては、自然に親しませ、自然のなかの具体的な物と物の間の著しい違いを、感覚や行動を通してとらえさせるようにしむけ、それらの目だった特徴をまとめることができるように配慮することが必要である。
(2)内容Aの(1)の「草木の育ち方」の草花の観察は、花壇の草花でも野原のものでもよいものとする。
[第3学年]
1 目 標
(1)植物や動物の成長は、暖かさや寒さと関係があり、その育ち方の順序にはきまりがあることを理解させる。
(2)物が温度の違う水に溶ける様子や、物に力を加えたときの様子などから物の性質を理解させる。また、物と物の関係やそれらの変化の様子などから、力・光・電気・磁気のはたらきを理解させる。
(3)月の動きや太陽による地面の暖まり方、土の性質などを理解させる。
2 内 容
A 生物とその環境
(1)植物の成長は暖かさや寒さと関係があることや、成長には水や養分が必要であることを理解させる。
ア 秋にこぼれ落ちた種子には、春になって土の温度が高くなると芽を出すものがあること。
イ 暖かい季節になると、根や茎がよくのび、葉も茂ること。
ウ 花にはがく、はなびら、おしべ、めしべなどがあり、めしべのもとがふくらんで実になること。
エ 植物のからだには、水分が含まれていること。
オ 球根には養分が含まれていて、水を与えるだけでもその養分で成長すること。
(2)動物には成長の順序にきまりがあり、また、季節によって見られるものに違いがあることを理解させる。
ア 暖かい季節になると、産卵したり、活動したりする動物が多くなること。
イ 虫には、卵・幼虫・さなぎを経て成虫になるものがあること。
ウ 成虫になると、食べ物や行動の変わる虫があること。
B 物質とエネルギー
(1)ほう酸は、水の温度が変わると溶ける量が変わることを理解させる。
ア 水に溶けないで残ったほう酸は、水を暖めると溶けること。
イ 湯に溶けているほう酸は、湯が冷えるにつれて、粒になって見えてくること。
(2)閉じ込めた空気や水に力を加えたときの様子から、空気や水の性質を理解させる。
ア 空気は押し縮められるが、水は押し縮められないこと。
イ 押し縮められた空気がもとにもどろうとする力は、手ごたえや力を受ける物の動きでわかること。
(3)風を受けて回転している風車には、物を動かすはたらきがあることあることを理解させる。
ア 風車が物を動かす働きは、風の強さや風車の大きさなどで変わること。
イ 風車の回る力は、風車で物を巻き上げたり、引っぱったりして、動かすことができる物の重さで比べられること。
(4)2個の豆電球を乾電池とつなぐと、そのつなぎ方によって明るさに違いがあることを理解させる。
ア 豆電球のつなぎ方に二とおりあること。
イ 続けて点灯すると,豆電球はしだいに暗くなるが,暗くなりかたはつなぎ方によって違うこと。
(5)磁石の二つの極は,性質に違いがあることを理解させる。
ア 自由に動くように、水平にささえられた磁石は南北をさして止まること。
イ 異極は引き合い,同極は退け合うこと。
ウ 磁石のまわりにはたらく磁力の強さや方向には,両極からの隔たりによって違いがあること。
エ 磁石は他の鉄を磁石にすることができること。
(6)鏡で反射された日光は重ねられることを理解させる。
ア 鏡に日光を当てるとき,鏡の向きが変わると,はね返る光の向きも変わること。
イ 鏡で物を照らすとき,光を集める鏡の数によって,物の明るさや暖かさが変わること。
ウ 明るさの違いは,青写真の色の変わり方で比べられること。
C 地球と宇宙
(1)月の形や動きは,太陽と似ていることを理解させる。
ア 月は,太陽と同じように東から出て南の空を通り,西にはいること。
イ 月は、同じ時刻でも,日が変わると,見える位置や形などが変わること。
(2)日光による土や水の暖まり方を理解させる。
ア 日なたと日かげでは,土や水の温度に違いがあること。
イ 日なたの土や水の温度は,日光の当たっている時間の長さによって変わること。
(3)土の性質や,水との関係を理解させる。
ア 砂と粘土では,粒の大きさや粘り気,水のしみ込み方やかわき方などに違いがあること。
イ 土は粒の大きさによって,水のなかで沈む速さに違いがあること。
ウ 土には,砂の多い物や粘土の多いものがあること。
3 内容の取り扱い
(1)内容の指導に当たっては,自然に親しませ,自然の事物・現象に直接触れさせて,自然の環境から疑問をとらえ,これを解決しようとして,物と物を比べたり,それらの間に起こる現象と具体物の変化とを関係づけようとしたりするように配慮することが必要である。
(2)内容のAの(2)のイの「虫」は,たとえばモンシロチョウ,カイコなどが考えられる。
(3)内容のCの(2)の「土や水の温度」は,表面に近い所の温度をいうものとする。
〔第4学年〕
1 目 標
(1)生物の個体の成長は,水・養分・日光・温度の影響を受けるが,種類としての大きさや形は,世代を繰り返えしてもあまり変わらないことを理解させる。
(2)物の性質を,重さの違いや水,熱,薬品などによる変化の様子から理解させる。また,てんびんのつり合いにおけるおもりのはたらき,電流や日光の量に伴う現象を理解させる。
(3)地表における流氷のはたらきや,地表を取り巻いている空気の暖まり方と太陽との関係,また,地球からみた星の動きを理解させる。
2 内 容
A 生物とその環境
(1)植物の成長には,根・茎・葉が必要であることを理解させる。
ア 水や土にさした植物の茎の成長には,新しい根や葉がのび出ることが必要であり,それらののび出る位置にはきまりがあること。
イ 成長している植物の芽の位置とそののび方には,種類による特徴が現われること。
ウ いもには養分がたくわえられ,新しい根・茎・葉を出すのに使われること。
(2)植物の成長には,日光や温度が関係することを理解させる。
ア 植物の成長は,日光の当たる時間の長さによって違いができること。
イ 植物の成長は,まわりの土や空気の温度によって違いができること。
(3)こん虫の成長や活動の様子は,温度によって変わることを理解させる。
ア こん虫は,じょうぶな皮膚におおわれ,またクモなどと違うからだのつくりであること。
イ こん虫が成長するときは,脱皮や変態が行われ,種類によって卵から成虫になるまでの期間や過程に違いがあること。
ウ こん虫の成長の速さや活動の様子は,外界の温度によって変わること。
B 物質とエネルギー
(1)物が水に溶ける量の限度について理解させる。
ア 食塩の粒には,きまった形があること。
イ 同じ体積の食塩水は濃さによって重さに違いがあること。
ウ 食塩水などの濃さは、溶けている物の量と溶かす水の量できめられること。
エ 水に溶けている物は、水が少なくなって溶ける限度をこすと、水と分かれて出てくること。
(2)温度による水・空気の体積や状態の変化から、水・空気の性質を理解させる。
ア 空気と水では、温度による体積の変わり方に著しい違いがあること。
イ 温度によって、水は氷・水蒸気に変わること。
ウ 水は、水面や地面から水蒸気になって、空気中に蒸発していること。
(3)物の重さから、物の質の違いを理解させる。
ア 同じ体積の水より重い物は沈み、水より軽い物は浮くこと。
イ 水に沈む物でも、食塩水の中ではその濃さによって浮く物があること。
(4)でんぷん、あぶらなどの性質を理解させる。
ア でんぷんは植物に含まれていて、植物の種類によってその粒の形が違うこと。
イ でんぷんは水に溶けないが、よう素液、熱などによっては変化し、その変化のしかたは、植物の種類にかかわらず似ていること。
ウ たねには、でんぷんのほか、あぶら、たんぱく質を多く含むものがあること。
(5)てんびんのつり合いを理解させる。
ア 水平になってつり合っている棒の左右に、同じ重さのおもりをつるしても、水平になってつり合うときは、支点からおもりのはたらく位置までの距離が等しいこと。
イ おもりをつるす糸の長さや、皿のなかのおもりの位置が変わっても、つり合いは変わらないこと。
(6)豆電球や導線を通る電流の多い少ないを理解させる。
ア 2個の乾電池のつなぎ方には二とおりあり、つなぎ方によって、1個のときより豆電球が明るくなる場合や、長い間点灯する場合が
あること。
イ 電流が多く流れると、豆電球が明るくなること。
ウ 方位磁石と平行においた導線に電流が流れると磁針が振れること。
(7)虫めがねで日光が集められることを理解させる。
ア 虫めがねで日光をさえぎると、その影のなかの明るい部分に光が集められること。
イ 日光を集めると、明るさや暖かさが変わること。
ウ 虫めがねの大きさによって、集められる日光の量に違いがあること。
C 地球と宇宙
(1)星の並び方は、時間がたっても変わらないことを理解させる。
ア 星には明るさや色の違うものがあること。
イ 星の集まりは、時間がたつと向きや位置が変わるが、星の並び方は変わらないこと。
ウ 北極星の位置は、時間がたっても変わらないので、いつも北の方に見えること。
(2)空気の温度の1日の変化を理解させる。
ア 空気の温度は、風・日なたや日かげ、地面の様子や地面からの高さなどで違いがあること。
イ 日中の空気の温度の変わり方は、地表の土の温度の変わり方と似ていること。
ウ 晴れの日と曇りの日では、空気の温度の変わり方に違いがあること。
エ 夏と冬では、空気の温度に違いがあるが、1日の変わり方は似ていること。
(3)川原の様子は、流水と関係があることを理解させる。
ア 川原の様子は、川上と川下では違いがあること。
イ 川原の石や砂などは、おもに川上から流れてきたものであること。
ウ 流される石や砂の大きさや量は、流水の速さや水量に関係があること。
エ 流水のはたらきで川岸や海べなどの様子が変わること。
3 内容の取り扱い
(1)内容の指導に当たっては、自然に親しみ、自然の事物・現象から問題を見いだし、これを解決しようとして分析的に比較し、現象と具体的な物とを互いに関係づけようとするように留意することが必要である。
(2)内容のAの(3)のウの「こん虫」には、たとえばショウジョウバエなどが考えられる。
(3)内容のBの(4)のイの熱によるでんぷんの変化とは、でんぷんを焼いて炭化させることや、水に入れたでんぷんを煮て、のり状にすることをいうものとする。
〔第五学年〕
1 目 標
(1)生物は成長の段階によって、水・日光・温度・空気・肥料や食べ物などの影響の受け方が違うことを理解させる。
(2)物は質によって、熱の伝わり方・燃え方・リトマス紙の色の変わり方などに違いがあることを理解させる。また、力・電気・音・光・熱の量やそれらのはたらきを理解させる。
(3)太陽や星は、北極星を中心にして動いて見えること、また、風や流水のはたらきで地表の様子が変わることや、長い年月の間にはその変化が大きくなることを理解させる。
2 内 容
A 生物とその環境
(1)種子の発芽と水分・温度との関係や、種子のつくりを理解させる。
ア 種子は適当な水分や温度があると発芽し、種子にたくわえられた養分が使われ、それと同時に、二酸化炭素と水が出ること。
イ 種子には、根・茎・葉になる部分があり、それぞれののびていく部分や方向にきまりがあること。
ウ 花粉がめしべにつくと、子房が実になること。
(2)植物の成長には、日光・温度などのほか、肥料が関係していることを理解させる。
ア イネや水草などの育ち方は、日光が当たっている時間によって違いがあること。
イ イネや水草など水の多い所で育つ植物は、水などの温度や肥料、水の多い少ないなどの環境の条件によって、成長の様子が違うこと。
(3)魚のからだのつくりやはたらき、産卵や成長と水の温度との関係を理解させる。
ア 魚のからだが水中の生活に適していることや、えら・消化管・背骨・筋肉などの魚の特徴があること。
イ 魚の産卵や成長は水の温度や餌に影響されること。
ウ 魚やカエルは卵から育つが、育ち方には違いがあること。
(4)人体の各部分のおおよそのつくりやはたらきを、骨や筋肉と関係づけて理解させる。
ア 人体の頭の骨や背骨、筋肉などのつくりやはたらきは、特徴があること。
イ 内蔵諸器官の位置や、それらのはたらきが消化・吸収、排せつ・呼吸および循環などの系にまとめられること。
ウ 血液は心臓のはたらきによって、血管のなかを循環し、毛細血管になって肺や腸の壁や筋肉の間を通り、呼吸や栄養のなかだちをしていること。
エ 目・耳・歯のおおよそのつくりと、それぞれには特徴あるはたらきがあること。
B 物質とエネルギー
(1)水溶液の性質を理解させる。
ア 気体のなかにも水に溶ける物があること。
イ 水溶液のなかには、加熱すると溶けている物が蒸発するものがあること。
ウ 水に溶かしたり、うすめたりしたとき発熱する物があること。
エ 水溶液には、酸性・アルカリ性・中性の物があること。
オ 水溶液には、電流を通しやすいものがあること。
(2)酸素、二酸化炭素の性質を理解させる。
ア 物が燃えるには、空気が必要なこと。
イ 植物体が燃えるとき、二酸化炭素ができること。
ウ 過酸化水素水と二酸化マンガンで、酸素ができること。
エ 酸素のなかでは、空気中より物が激しく燃えることや、空気中に酸素があること。
オ 塩酸と石灰石で二酸化炭素ができること。
カ 二酸化炭素は空気より重く、水に溶けて石灰水を白濁させること。
キ 二酸化炭素のなかでは物が燃えないことや、空気中に二酸化炭素があること。
(3)てこのはたらきを理解させる。
ア てこには、棒をささえる点のほかに、力がはたらく二つの点があること。
イ てこのつり合いは、おもりの重さや力のはたらく位置に関係があること。
ウ てこの支点には、力がはたらいていること。
(4)電流による発熱のしかたを理解させる。
ア 同じ質の電熱線では、太さ・長さが変わると電流の量もかわること。
イ 同じ電熱線では、電流の量が多いほど多く発熱すること。
ウ 発熱した電熱線の色や明るさは、電熱線の温度によって変わること。
(5)音の出方や伝わり方を理解させる。
ア 音の強さは、物の震える幅によって変わること。
イ 弦の長さ、張り方によって、震える速さが変わり、音の高さが変わること。
ウ 音は、音源からまわりの空気や水を伝わって広がること。
エ 空気を伝わる音が物に当たると、反射したり、吸収されたりすること。
(6)光の進み方を理解させる。
ア 水・空気・ガラスのなかでは、光は直進すること。
イ 空気から水へ、水から空気へと、質の違う物のなかへ光が進むとき、その境で光は反射したり屈折したりすること。
ウ 光は、光源から遠ざかるにつれて広がり、しだいに弱くなること。
エ 日光は屈折するとき、違う色の光に分かれること。
(7)物の暖まり方をりかいさせる。
ア 熱は金属で伝わりやすく、水や空気では伝わりにくいこと。
イ 金属の棒を暖めると長さが変わること。
ウ 水や空気が暖まるのは、体積の変化によって起こる水や空気の移動によること。
C 地球と宇宙
(1)天頂や北の空、南の空の星の動きを理解させる。
ア 北の空の星は、北極星を中心にして、同じ方向に回っていること。
イ 太陽の通り道付近に見える星は、太陽と動きが似ていて、北の空の星と同じ方向に回っていること。
ウ 太陽や星は、1日たつともとの位置にくること。
(2)風の吹き方によって、気温が変わることがあることを理解させる。
ア 風の吹く向きや強さは、1日のうちでも、また、日によっても違うこと。
イ 風の吹き方、雲の様子などによって、気温が変わることがあること。
ウ 風の吹き方によって、空気の湿り気に違いが起こること。
(3)地層の重なり方や地層をつくるものの特徴に気づかせ、それらを流水と関係づけて理解させる。
ア 土地には、地層の重なり方や地層に含まれている物
、地層の厚さや広がりなど、つくりに特徴があるものが見られること。
イ 地層は、おもに流水のはたらきでできること。
ウ 地下水の通り方は、地層のつくりと関係があること。
3 内容の取り扱い
(1)内容の指導に当たっては、自然に親しみ、自然の事物・現象の関係から問題を見いだし、事実に即して解決の構想を立て、観察・観測・実験などを定量的に行ない、それらの結果を客観的に吟味・考察させるようにするとともに、自然科学の基礎的原理を理解させるように留意することが必要である。
(2)内容のAの(3)のイの「魚の産卵」の魚には、たとえばキンギョ、メダカ、ドジョウ、熱帯魚などが考えられる。
(3)内容のBの(1)のイの加熱すると溶けている物が蒸発する水溶液には、たとえば炭酸水、塩酸、酢などが考えられる。
(4)内容のBの(4)のイの「電流の量」は、電熱線の太さ・長さのほかに電池の数の条件も含めて、発展的に取り扱うものとする。
(5)内容のCの(2)の「風の吹き方」を調べるには、四季による特徴がとらえられやすい時期を選ぶようにするものとする。
〔第6学年〕
1 目 標
(1)生物は、からだの各部分が互いに関係してはたらき、また、生物相互の間にも関係をもつことを理解させる。
(2)水・空気・熱・薬品などによる物の性質の変化から、物の質が変わることを理解させる。また、力・電気・光・熱の量とはたらきの関係や、それらに共通する性質のあることを理解させる。
(3)太陽や星の動きで、地球が自転していると考えさせたり、太陽の高度の変化と地表の暖まり方とを関係づけたりさせる。また、地球の内部の様子と関係する火山活動も、地球の表面を変える力をもつことを理解させる。
2 内 容
A 生物とその環境
(1)植物のからだのつくりやはたらきと、これらに関連する植物相互の関係を理解させる。
ア 植物の根・茎のつくりやはたらきを知ること。
イ 植物の葉は、いろいろな形の細胞からなり、細胞のなかに核のほか多くの葉緑体を含んでいるものがあること。
ウ 植物の緑の部分には、日光が当たるとでんぷんをつくるはたらきがあること。
エ 植物には種類によって、日光が弱いところでも育つことができるものがあること。
オ 葉には気孔があり、そこから水分が蒸発していること。
カ 葉緑体をもたないカビやキノコなどは、でんぷんをつくらないで、他のものから養分をとって成長し、また胞子でふえること。
キ 木では、外側に向かって新しい部分ができ、それらの成長は季節によって違うことや外側に樹皮があること。
ク 木に花が咲いて果実や種子ができること。
ケ 木には、種類によって違う樹相があり、また、秋に落葉するものとしないものとがあること。
コ 植物は、互いに他の植物を環境の要因として育っていること。
(2)トリの卵を暖めると、血管・心臓・目などができることを理解させる。
ア 卵は殻に包まれ、胚・卵黄・卵白などがあること。
イ 卵に適当な温度や湿り気、空気を与えると、胚が育ちはじめること。
ウ 胚が育つにつれて、卵の重さが減り、内部では卵黄や卵白が使われて、血管・心臓・目などができること。
(3)人体は一定の体温を保ち、成長や運動をするのに食物として取り入れた物を使っていることを理解させる。
ア 食物は、そしゃくされたり、酵素のはたらきを受けたりして、吸収されやすい物に変えられること。
イ 吸収された栄養素は、血液によって運ばれ、骨や筋肉など、からだを作る物に使われること。
ウ 栄養素には、体温を保ったり、運動などに直接使われたりする物があること。
(4)水中には、ケイソウ、ゾウリムシなどのように小さな生物が生活していることを理解させる。
ア 水中の小さな生物も、他の生物と同じように、それぞれきまった形や大きさをもっていること。
イ 繁殖した小さな生物は魚や他の生物に食べられたりして、自然界にはつりあいが保たれていること。
B 物質とエネルギー
(1)物が燃えると、その物の質が変わることを理解させる。
ア 炎は気体が燃えるときにできること。
イ 炎は、部分によって色・明るさ・温度に違いがあること。
ウ 植物体を空気の入れ替わらないところで熱すると、水や燃える気体などが出て、あとに木炭が残り、木炭の大部分は炭素であること。
エ ろうそくが燃えると、ろうと酸素が使われ、水・二酸化炭素などができて、熱・光が出ること。
オ 物が燃えるときの発熱・発光のしかたは、電流による発熱・発光のしかたとは違うこと。
カ 燃焼・電流・まさつ・打撃などによって、物が熱を生ずること。
(2)違う種類の水溶液を混ぜ合わせたり、水溶液に金属を入れたりしたときに起こる変化を理解させる。
ア 酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を混ぜ合わせると、中和して別の物ができること。
イ 金属には、酸性やアルカリ性の水溶液によって変化する物があること。
ウ 水溶液によって起こる金属の変化のしかたは、水溶液の種類や濃さ、温度と関係すること。
エ 違う水溶液を混ぜ合わせても変化の起こらない場合は、もとの水溶液に溶けていた物が混合して溶けていること。
(3)金属がさびると、その質が変わることを理解させる。
ア 鉄の黒さびは、熱や空気が関係してできること。
イ 鉄の赤さびは、水や空気中の酸素などが関係してできること。
ウ 銅やアルミニウムなどの金属にもさびができること。
エ さびは、もとの金属と質が変わっていること。
(4)力の大きさは物の重さに置き替えられることを理解させる。
ア おもりをつるして静止したつるまきばねでは、ばねのもとにもどろうとする力とおもりの重さがつり合っていること。
イ つるまきばねののびの長さは、つるしたおもりの重さや、手で引きのばした力の大きさを表していること。
(5)滑車・輪軸のはたらきを理解させる。
ア 滑車・輪軸のはたらきは、てんびん・てこのはたらきに似ていること。
イ 滑車や輪軸を使うと、力の方向や大きさを変えて、他の物に力を伝えることができること。
(6)電流によって、導線のまわりに起こる磁力のはたらきを理解させる。
ア 電流が通っている導線のまわりに磁力がはたらくこと。
イ 電流の通っている巻き線は、鉄しんを磁化するはたらきがあること。
ウ 鉄しんを磁化するはたらきの大きさは、巻き線を通る電流の量や巻き線の巻き数によって変わること。
エ 電磁石と乾電池の極とのつなぎ方を変えると磁石の極が変わること。
(7)レンズや凹面鏡で、光の集まり方を理解させる。
ア 光源の位置によって、光の集まる位置に違いがあること。
イ レンズや凹面鏡の軸に平行な光が集まる位置は、そのレンズや凹面鏡によってきまっていること。
(8)日光による物の暖まり方を理解させる。
ア 日光を通しやすい物は、暖まりにくいこと。
イ 日光を通しにくい物の暖まり方は、日光の強さや日光の当たる時間、物の色や表面の様子によって違いがあること。
ウ ストーブのような発熱体による暖まり方は、太陽による暖まり方と似ているところがあること。
エ 太陽は、絶えず光や熱を出して、地球上に多くの変化を起こすもとになっていること。
C 地球と宇宙
(1)地球の形や動きを理解させる。
ア 月は太陽の光を受けて輝いている球体であり、輝いている部分の地球からの見え方によって、月の形が変わって見えること。
イ 地球は太陽の光を受けている球体であり、それによって、昼・夜の移り変わりが起こること。
ウ 星は北極星を中心として1日に1回転しているように見えること。
エ 地球は同じ速さで自転し、1回回転するのに1日かかり、回転の軸は北極星の方向を向いていること。
(2)季節によって気温の違いが起こるわけを理解させる。
ア 日没後の地面の土の温度や気温は、日中よりも低くなること。
イ 日中の地面の土の温度は太陽の高度や照らされる時間によって変わること。
ウ 季節による気温の違いは、同じ時刻の太陽の高度や昼の長さの違いによって起こること。
(3) 火山活動でできた土地のあることや、その土地も流水によって変化することを理解させる。
ア 火山活動でできた岩石や土地には、堆積によってできた岩石や土地とは違いがあること。
イ 火山の噴出物や温泉などは、地下の様子と関係があること。
ウ 火成岩に含まれている粒には、色や形などに特徴があること。
エ 堆積岩には、火山の噴出物が積もってできたものや、火成岩のくだけた物が水底に積もってできたものがあること。
3 内容の取り扱い
(1)内容の指導に当たっては、自然に親しみ、自然の事物・現象の関係から問題を見いだし、これを広い範囲から分析したり、総合したりして、論理的、客観的な方法で解決するとともに、得られた結果を積極的に転移させるようにし、また、自然の事物・現象を互いに関連する動的なものとしてとらえさせ、その中にある自然科学の基礎的原理を理解させるように配慮することが必要である。
(2)内容のAの(2)の「トリの卵を暖める」ことの観察は、数日間暖めた程度のものが適当である。
(3)内容のBの(2)のアの混ぜ合わせる水溶液には、たとえば塩酸と水酸化ナトリウムの水溶液、または炭酸水と石灰水などが考えられる。
第3 指導計画の作成と各学年にわたる内容の取り扱い
1 指導計画の作成に当たっては、児童の経験や能力、児童の疑問、指導のねらいなどを考慮して、全体をいくつかのまとまりに組織することが必要である。
2 全体をいくつかのまとまりに組織するに当たっては、その順序・配列が互いに関連して、学習経験が有効に生かされ、学習指導が深められるようにすることが必要である。
3 生物や岩石などの指導に当たっては、学校の所在する地域の生物や地質などを考慮して、それらを指導のなかに生かすようにくふうするとともに、季節や地域の気象、行事などとの関連に留意し、自然の保護や資源の開発などに関心を持つように配慮することが必要である。この場合、指導計画が地域の範囲にとどまるだけのものにならないように注意しなければならない。
4 指導計画の作成に当たっては、物事を分析的、論理的に追求するとともに、事実に即して客観化することや全体的、直覚的につかむ方法を重視するものとする。
5 児童の発達段階に応じ、その興味と関心を発展させるように、努めて自然の事物・現象、特に具体的な事物とそれらの変化の様子や、それらの変化と密接に関連しているものを見失わないよう、観察に基ずく指導を行うことが必要である。
6 児童の観察、実験についても、論理的思考の発展、技能の習熟がなされるように計画し、対象を十分に観察して、それらを既知のものや類推できるものと対照したり、対比したりして、類としてまとめたり、因果関係を確かめたり、また、それらの結果を定量化しようとしたりすることが、しだいに深められるようにくふうすることが必要である。
7 指導計画の作成に当たっては、自然に対する人間の努力や、たえず進歩している科学技術の話題などにも関心を持たせるように工夫し、児童が自然科学への興味と関心をいっそう強くするように配慮することが必要である。
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