焼岳

上高地は日本有数の景勝地だ。
上高地は,長野県松本と岐阜県高山のほぼ中間に位置している。長野県安曇村沢渡からバスに乗り換え,釜トンネルをくぐると,左手にとつぜん焼岳が現れる。
焼岳は標高2455 mの活火山で,歴史時代に繰り返し活動した。大正池から上流の河童橋にかけては遊歩道になっており,正面の明神岳,その西に広がる雄大な穂高連邦を眺めながら多くの観光客が散策する。また,唐沢から穂高連峰へ向かう多くの登山客もこの地を訪れる。
上高地の名物は,なんといっても大正池に映える穂高連峰の姿だ。この大正池はその名前の通り,1915 (大正4) 年の火山活動で,火砕流が梓川をせき止めてできた湖である。
1962年の火山活動では,噴石でけが人が出た。古文書によると,火山灰や泥流で埋没した家屋も出たらしい。しかし,焼岳では,火山災害の危険にもかかわらず,火山地形が生み出す独特の景観や,周辺地域に分布する温泉群が,貴重な観光資源となっている。

焼岳全景

河童橋

穂高連峰と大正池

焼岳の活動 (水蒸気)

© 2002 Gifu University, Shin‐Ichi Kawakami, Nao Egawa.