水星は太陽系の惑星で最も速く、秒速47.36kmで軌道を回っている。他の惑星とは異なり、 傾きがわずか2度とほぼ垂直の自転軸を持っている。当初水星は最も小さい惑星と考えられていたが 、冥王星のほうが小さいことがわかった。
水星には、全質量の70%、直径の75%を占める鉄とニッケルで出来た月の大きさに匹敵する 核がある。この核は他の惑星の2倍もの鉄を含んでおり、水星の表面重力は地球の1/3に達する 。また、地球の1%に相当する磁場が存在することも、金属の核があることを示している。水星の 昼間の温度は、すずも溶け出す427℃まで上昇するが、夜間は−183℃まで急激に下がる。太 陽系で最も温度差の大きい惑星である。
水星は太陽に近い上に、太陽からの最大離角が28°しかないため、地球から観測は困難であ った。1974年と1975年にアメリカの探査機マリナー10号が水星に最接近するまで、水星 の表面の様子は謎に包まれていた。
太陽からの平均距離 | 5700万km |
半径 | 2440km |
構造 | 中心核(ニッケル・鉄) マントル(珪酸塩) 地殻(珪酸塩) |
質量(地球=1) | 0.055 |
密度(水=1) | 5.43 |
表面重力(地球=1) | 0.38 |
大気の組成 | ヘリウムとナトリウムが主体 |
平均軌道速度 | 秒速47.36km |
公転周期 | 88地球日 |
自転周期 | 58.65地球日 |
軌道面の傾き | 7度 |
自転軸の傾き | 2度 |
最高気温 | 427℃(昼下がり) |
最低気温 | −183℃(深夜〜明け方) |