木星は太陽から五番目にある太陽系最大の惑星であり、またガス状惑星の代表格でもある。直径は地球の約10 倍、太陽の約1/10に相当する。太陽系の惑星のすべての質量の2/3を占める。地球の2倍半もあ る重力で、大気中を渦巻くガスには大きな圧力がかかっている。質量が今の50倍あったならば、恒星 になっていたであろうといわれており、木星は恒星になり損ねた惑星といえる。
表面はガス状で硬い地表はないが、その中心部には岩や氷でてきた小さな核が存在する。木星のガス の組成は水素が90%、ヘリウムが10%と太陽によく似ている。公転周期は11.86地球年と惑星 の中で最も短く、自転周期も9時間56分と最も速く回転している。
木星の大気は何層にもなった氷の雲が重なり、木星の主成分である液体水素を含んでいる。大気 の上層部の温度は−130℃であるが、下方は1000℃以上でガスは液化している。木星の表面と中 心核の中間領域では、高熱1万℃と高圧で水素は液体金属になっている。
液体金属水素は高速で回転する木星の働きで電流を生み、木星の巨大な磁場を作り出している。この 磁場の磁力線により、木星の周りには地球の磁気圏の1200倍も大きいまゆの形をした巨大な磁気圏 が形成されている。この磁気圏は太陽風を構成する高速の荷電粒子を捉えるため、探査機に障害となる 放射線帯を作っている。また、液体金属水素の層の下は水とアンモニアと溶解した岩石層で、その下に中心核がある。木星の中心核 の温度は摂氏3万5000℃もあり、太陽から受ける2倍の熱を放出している。
木星の表面には、明るい帯と暗い縞が交互に並んで見えるが、1973〜1981年に木星を接近通 過した探査機パイオニア10、11号とボイジャー1、2号の探査により、この帯や縞の内部には極め て複雑な大気の流があることがわかった。さらに、木星の表面には赤色や白色の斑点があり、この中で 最も大きいのが「大赤斑」である。
太陽からの平均距離 | 7億7830万km |
半径 | 7万1492km |
構造 | 核(岩石あるいは氷、質量は地球の10倍) 金属水素 液体水素 |
質量(地球=1) | 317.8 |
密度(水=1) | 1.3 |
表面重力 (地球=1) |
2.37 |
平均軌道速度 | 秒速13km |
公転周期 | 11.86地球年 |
自転周期 | 9.56時間 |
軌道面の傾き | 1.3度 |
自転軸の傾き | 3.1度 |
気温 | 1万9000℃(金属水素の最下層) 1万℃(液体水素の最下層) 1500℃(液体水素の表面) −130℃(雲の最上層) |
雲の構造 | 液体水素 氷の水滴 水硫化アンモニウムの結晶 アンモニアの結晶 雲の上層部 |
大気の組成 | 水素(90%)、ヘリウム(10%) |