天王星は太陽から7番目の惑星であり、三番目に大きいガス状惑星で、1781年、イギリスのウィリ アム・ハーシェル(1736〜1822)が発見した。近世になって最初に発見された惑星である。

 地球・太陽間の距離(約1.5億km)の19倍も離れているので、太陽は輝く小さな円盤にしか 見えない。直径は5万1100kmと、地球の4倍の大きさで、質量は地球の14倍であるが、ほと んど軽いガスと氷でできているため密度は水の1.27倍に過ぎない。そのため、重力は弱く地球の 9/10しかない。公転周期は84地球年、自転周期は17.14時間である。

 天王星の最も顕著な特徴は、自転軸が公転面に対して98度も傾いていて、ほとんど横倒しの状態で 太陽をまわっていることである。傾きが極端なために、42年間一方の極が太陽光を浴びている(夏) が、もう一方は暗闇の世界(冬)となる。軌道上を半分公転すると、今度は隠れていた一方の極が同 じく42年間太陽と向き合う。天王星には、太陽からほんの僅かしか光が届かないので、夏と冬の気 温の差は2℃以内である。

 天王星は青っぽい緑がかった色をしているが、これは大気に含まれるメタンのためである。中心に は岩石質の核があり、そのまわりを凍った水、メタン、アンモニアからなる厚いマントル層が覆って いる。一番外側は水素とヘリウムの大気である。探査機ボイジャー2号が観測した雲の動きから、天 王星では最大時速7900kmの風が吹いていることが分かった。


太陽からの平均距離 28億7500万km
半径 2万5559km
構造 核(溶けた岩)
氷(アンモニア・メタン・水の混合)
ヘリウム・メタン・水素
質量(地球=1) 14.54
密度(水=1) 1.3
表面重力(地球=1) 0.89
平均軌道速度 秒速6.8km
公転周期 84.02地球年
自転周期 17.14時間
軌道面の傾き 0.8度
自転軸の傾き 97.9度
大気の組成 水素(85%)、ヘリウム(13%)、メタン(2%)
雲の最上層の温度 −210℃