太陽系は今から約46億年前、銀河系の片隅で超新星の大爆発によって誕生しました。途方もなく
激しい衝撃波により、星間ガスや塵が集められて星間分子雲が形成され、凝縮を繰返して密度の高い
塊となりました。この塊は重力の作用で収縮し温度も上昇していき、塊のあちこちに小さいガスの塊
(原始恒星の卵)が誕生しました。
やがて、ガスの塊の周囲に水素、ヘリウム、酸素、窒素、炭素などを含んだ原始太陽系星雲が集合
して前惑星系円盤が形成され、その中心のガスの塊は周囲の星間物質を取り込みながら、密度を増して
高温の天体になりました。原始恒星の誕生です。我々の太陽は、こうした原始恒星が進化した星(原始
太陽)の一つなのです。
原始太陽はさらに星間物質を取り込み、密度を増して高温、高圧の天体へと進化していき、やがて
原始太陽の重力で、太陽系星雲は原始太陽を中心とする円盤になって回転し始めました。原始太陽系星雲
が冷却すると、降着した無数の塵が円盤の赤道付近に付着するようになりました。これが惑星のもととなった微
惑星の誕生です。
微惑星は互いの重力で衝突と合体を繰返して大きくなり、原始惑星へと進化していきました。これらの原
始惑星は、原始太陽から受ける重力に支配されて回転しながら外側へ展開していき、太陽系が誕生し
ました。原始惑星の形成は約46.5億年前から始まり、1千万年の間に完結したと考えられています。
太陽系とは、恒星である太陽を中心に、その重力に引き付けられてまわる9つの惑星(水、金、地、 火、木、土、天、海、冥)、90を上回る衛星、何百万もの彗星、無数の小惑星と流星物質からな っています。太陽から一番外側の冥王星までは、最長約79億km(平均距離は約60億km)もあります。 太陽は、太陽系全ての天体を合わせた質量の1000倍、つまり太陽系全質量の約99.8%を占め、 水素をヘリウムに変換する核融合でエネルギー(熱と光)を作り出して輝いています。
太陽系の惑星は小惑星帯を挟んで、水星、金星、地球、火星の地球型惑星グループ(内惑星ともいう)
と、木星、土星、天王星、海王星のガス状惑星の木星型惑星及び冥王星のグループ(両方を合わせて外
惑星ともいう)から成っています。 地球型惑星はいずれも硬い地殻とマントルを持っており、中心核
は金属でできています。
木星型惑星は巨大なガス状の惑星で、表面には硬い地殻はありません。大気の
層は厚く、密度は中心に進むにつれて高くなります。また、岩質の中心核を金属水素が覆い、その周りを液体
水素が包んでいます。木星型惑星はいずれも環を持っています。
冥王星は太陽系最小の惑星で、ほとんど氷でできているようです。他の惑星と異なり極端に細長い軌
道を描いているため、248年の公転周期のうち近日点の領域を通過する20年間は、海王星の軌道の
内側に入り込み、水、金、地、火、木、土、天、冥、海となっていました。
ごく最近では1979〜1999年がこの期間にあたっていました。