理科教材データベース
岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)
地すべり後の植生の回復過程

-亜寒帯針葉樹林の例-








ロシア白海地域は氷河時代に厚い氷床で覆われました。氷河時代が終わって氷床が消滅すると、
氷床の荷重によってへこんでいたリソスフェアが跳ね返り現象を起こし、過去1万年間にわたっ
て数10mも隆起しました。この隆起によって海岸が侵食され、原生代後期の地層が露出しました。
シルト岩と泥岩は水を含むと軟弱になり、地すべりを起こしながら侵食作用を受けていきます。
地すべりでできた新しい地面は、やがて草で覆われ、シラカバなどの広葉樹が生え、最後には、
針葉樹に富んだ亜寒帯針葉樹林(タイガ)へと移り変わっていきます。