理科教材データベース
岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)
花粉化石



花粉は泥の中に埋没すると、微生物の分解や酸やアルカリに対する抵抗力があり、
よほどの火山作用や地殻変動を激しく受けない限り化石として保存されます。

また、泥炭や石灰などの植物の残骸が多い堆積物には多量に存在し、
そこから花粉や胞子の化石を取りすと、その堆積物が生成した当時の環境(地形や気候や植生など)が推定できます。

しかし、花粉化石は、地層から掘り出されたらすぐに確認できるわけではありません。
花粉を抽出するためには、地層の堆積物を採集し、分析する必要があります。



分析方法

NaOHで試料の余分なごみを除いた後、HFで余分な鉱物をさらに除きます。
そのように花粉以外のいらないものをを除きつつ、遠心分離機を使い、花粉を濃集していきます。
最後にプレパラートに花粉を封入し、顕微鏡で花粉を分析します。

以下に特徴的な花粉化石を示します。

被子植物・草本
アブラナ アブラナ イネ イネ イネ科 スイレン科

キク キク キク亜科 タンポポ亜科 タデ科 ナデシコ科


被子植物・木本
ツツジ オニグルミ グルミ属 サワグルミ属 ハンノキ属 ケヤキ

カエデ カエデ科 シナノキ属 ブナ ブナ科 コナラ属

カバノキ科


裸子植物
スギ スギ スギ属 セコイア ツガ属 トウヒ属

モミ モミ モミ属 モミ属 マキ科ナギ属

マツ マツ マツ属



シダ植物
ウラボシ ゼンマイ ワラビ シダ植物




撮影者:太田&木村