岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)
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岐阜大学・教育学部・理科教育講座(地学)
2004年2月2日

 親子天文教室を始めてから3年になります。これまで岐阜大学公開講座や京都大学総合博物館での開催などを含めると15回。天体望遠鏡の作成と月や惑星、星座の観察会を行ってきました。参加者はすでに400組を越えています。2003年4月からは、国宇宙ステーション、TRMMなどの人工衛星を見つけやすい日を選んで行ってきました。明るく輝きながら星座の中を移動する人工衛星を見つけたとき、子どもたちから大きな歓声があがります。第11回目の親子天文教室は、山県市伊自良中央公民館前で行いました。

宇宙飛行士の毛利衛さんがやってきた!

 2004年1月31日午後、山県市高富中学校で市内中学生全員を対象として、宇宙飛行士の毛利衛さんに特別授業をして頂きました。タイトルは、「宇宙の地球人としての私たち」です。スペースシャトル内で毛利さん自身が行った実験などを映像で示し、結果がどうなったかを中学生の中に入っていって質問しながら、授業は進んでいきました。生徒たちからはたくさんの手があがり、質問に対する考えを述べたり、毛利さんに質問したりしました。授業の終わりには、毛利さんが大きな夢を持ってくださいと熱く語り、宇宙飛行士になるという夢を実現した毛利さんに出会った生徒たちは感動し、大きな手応えを感じ取ったようでした。

親子天文教室の会場へ

 特別授業のあと、毛利衛・彰子さんご夫妻は、岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)の主催する天体観察会にお立ち寄り下さいました。会場には応募された約50組の小中学生とその保護者の方が毛利さんのやってくるのをお待ちしていました。この日の観察対象は、月、金星、土星、オリオン座、ふたご座などでしたが、とりわけ、18時10分ごろから見えるようになるハッブル宇宙望遠鏡をみんなで待ちました。ハッブル望遠鏡は、ナミビア、オーストラリア、西表島などで観察したときは、1等星より明るくなりましたが、緯度の高い日本では、2等星ぐらいで見つけにくいかもしれないと心配しながら、双眼鏡を片手にもって、くじら座の2等星のところで待ちました。

ハッブル宇宙望遠が大きく輝いた瞬間!

 18時10分過ぎにハッブル宇宙望遠鏡がやってきました。会場から「見える! 見える!」「いまくじら座の2等星のすぐ下です!」などと次々と歓声が上がりました。
その直後、ハッブル宇宙望遠鏡はマイナス7等星ぐらいの明るさに一瞬なりました。

http://chigaku.ed.gifu-u.ac.jp/chigakuhp/html/kyo/tenmon/eisei/DATA/HST/040131/index.html

 イリジウム衛星のフレアー現象と呼ばれているものと同じく、太陽光をいっぱいに浴びた太陽電池パネルで光が反射してやってきたのです。こんなことはめったに見られるものではありません。毛利衛さんご夫妻も、人工衛星の飛行を何度も見たことがあるそうですが、こんなに明るくなったのを見たのは初めてのことだそうです。
 この日は雲一つない星空で、絶好の観察日よりでした。これからも親子天文教室を実施していきますので、いっしょに望遠鏡を作ったり、星空を観察したい方はお集まりください。