読書週間に報道発表された調査によると、月に一冊も本を読まない人が増えているという。小学校では、子どもたちにもっと図書に親しんでもらえるようにと、読み聞かせの時間をとっているところも多い。先日、読書週間中に読み聞かせを実施する予定の先生から、標記絵本でやってみたいが、制作者からのコメントが欲しいという問い合わせがあった。 この絵本には企画段階からたびたび相談を受け、執筆者の榎田政隆さんとも何度も顔をつきあわせて話をしたが、読者からは「絵はとてもきれいなのに・・・文章が難しいので・・・子どもたちにはちょっとむずかしいみたいですよ」という感想をよく伺った。考えてみると、絵は小学生向きなのに、内容は高校生レベルなのだから、そういうリアクションでも仕方がない。 ところが、この本は絵がきれいなので、子どもたちに見せると結構興味を惹く子が多いという。読み聞かせをする先生も、自分の言葉で語ってあげたら、きっと楽しい時間になるのではないかと思ったに違いない。 そこで、まず子どもたちが夢中になりそうな恐竜の絶滅の話から始めて、それから天体衝突が頻繁に起こった地球の誕生の話にもっていったらどうかと助言した。その結果がどうだったのか、いまメールでお返事を頂いた。
メールを読むと、話の展開については、うまくいったことがよくわかる。驚いたのは、恐竜が絶滅したわけを多くの子どもたちがどこかで聞いて知っているということだ。さらに、オーストラリアへストロマトライトを見に行った子どもまでいるとは! いずれにしても、一つの絵本で、話題が広がって、有意義なひとときになった様子がよく伝わってうれしくなった。 |