岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)
理科教材データベース
イミダス Imidas 2005  viewpoint 地球科学
-地球を巨大なシステムとして認識する-
-宇宙飛行士には地球はどのように見えるだろう-
2004年月日

 地球は半径6370kmの惑星で、誕生してから46億年の歴史をもつ。この巨大で悠久の歴史をもつ惑星に対する人類の理解は、近年急激に進んでいる。もっと新しい地球観ともいうべき、地球が全面的に凍結したとする全球凍結仮説も、ここへきてようやく多くの人々に広く認識されるようになってきた。

 新しい地球観は、地球の探求の仕方の刷新や研究対象が拡大にともなって生み出されてきた。1960年代のプレートテクトニクス革命のときは、海洋底の研究が新しい世界を切り開いた。恐竜絶滅の天体衝突説が登場したときは、地層に対する人々の見方を大きく転換することが必要だった。最近、地球環境問題が大きく取り上げられるようになるなかで、システムとして地球を捉えることの重要性が示されている。地球を大きなシステムとして認識するには、宇宙飛行士が宇宙から地球を眺めたように、宇宙から地球を俯瞰することが重要ではないだろうか。

 明るい人工衛星を見つけることが小中学生の地球や宇宙の学習の動機づけになるのではないか。そう考えて人工衛星の飛行経路や到来時間を表示した「人工衛星観測ナビゲータ」というサイトを開設したのは数年前である。もっとも明るく肉眼でも見える国際宇宙ステーションに常時宇宙飛行士が搭乗していることから、宇宙ステーションから地球がどのように見えるのか軌道情報を用いてリアルタイムでシミュレーションすることができたらどんなにか楽しいだろうか。そう考えて今度は「地球観測ナビゲータ」というサイトを立ち上げた。

 国際宇宙ステーションから見える地球の様々な諸相を眺めて遊んでいるうちに、地球という惑星の営みについて、興味や関心が高まればと願っている。


関連サイト1=人工衛星観測ナビゲータ
関連サイト2=地球観測ナビゲータ