岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)
理科教材データベース
ランディ・ウェッセン博士
「ロボットを駆使した惑星探査」
愛知万博アメリカ館出展記念講演会
2005年9月20日

 2005年9月16日午後3時から愛知県三の丸庁舎大会議室で標記講演会が開催された。講師はNASAのジェット推進研究所で21年間惑星探査に携わってきたランディ・ウェッセン博士である。講演では、まず生命の星である地球の話から始まり、最近の火星探査、ディープインパクト計画での小惑星探査、カッシーニ計画で行われた土星の輪や、衛星エンケラドスやタイタンの表面地形、さらにカイパーベルト天体、銀河や星雲にまで及んだ。

 NASAの惑星探査は非常に多岐にわたっているが、それらは、宇宙はどのような構造なのか、太陽系はどのように形成されたのか、惑星はどのような歴史をたどってきたのか、そして人類はなにものなのかを探求するものである。惑星探査には膨大な資金を必要とするが、こうした探査で明らかにされた新知見は、いずれも経費に見合うほどの驚きと感動を世界中の人々に与えてきた。

 ウェッセン博士は、前回の講演者であるマーク・アドラー博士と同様、大学で物理学と天文学を学び、大学院ではオペレーションズ・リサーチという工学分野を学んでいる。「ひとつのことを深めるよりも。広くいろんなことを総合的に学ぶことが重要だと考えて進路を決めた」と。また、「生きるということは、絶えず夢を追いかけることだ」という父親の言葉どおりの研究活動を実践してきた。

 ウェッセン博士の講演を伺って、宇宙へのロマンと驚異をいだきならが、夢を実現する若者が日本からももっと大勢現れて欲しいと願った参加者も多かったのではないだろうか。