岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)
理科教材データベース
一学期を終えて
2006年8月2日

教員になって四ヶ月が経ち、少しずつ仕事にも慣れてきた。思えば4月、「上手く子どもたちと話すことができるだろうか。」「早く自分のクラスの子どもたちに会いたい。」といった期待と不安でいっぱいの自分を、元気いっぱいのたくさんの笑顔が迎えてくれた。「これから1年、この笑顔を絶やさぬよう全力で頑張ろう。」と心に誓った。

しかし、現実は自分が思い描いていた理想通りにはなかなかいかない。自分が一学期にぶつかった一番の大きな壁は、やはり『自分の授業力のなさ』である。子どもたちにとって最も大切な時間であり、教師との信頼関係を築く基盤となるのが普段の授業である。その授業が上手くできず、本当に悩んだ。特に国語の授業では、眠そうな顔をしている子どもたちを見るのがとてもつらかった。しかし、何とかしなければと導入を工夫したり、手作りワークシートを取り入れたりと、いろいろなことに積極的にチャレンジしていくうちに、少しずつではあるが挙手も増え、子どもたちに笑顔が戻ってきた。そんな子どもたちの姿から、1時間1時間の授業に対する事前の準備がいかに大切であるかが実感できた。

この4ヵ月間に自分がやってきたことは、全てが初めてのことばかりで、授業の仕方も分からなかったり、子どもたちとうまくコミュニケーションをとれなかったりして、本当につらかった時期もあり、正直自分は教師に向いてないんじゃないかと思ったことさえあった。しかし、休み時間や放課後に「先生、また一緒に遊ぼうね。」と自分に手を振ってくれる子、係や委員会の仕事に責任をもって最後までやりきっている姿、風邪をひいた友だちを心配して優しく声をかけている姿などを見ていると、自分自身すごく優しい気持ちになれる。そして今は、仕事はものすごく大変ではあるけれども、本当に教師をやって良かったと感じる。

学級担任は、世界で自分一人だけだし、学級の子どもたちの成長を一番近くで見守ることができるのも自分一人だけである。その大きな責任を自覚して、1学期に自分が見つけた課題を解決しながら、これからも子どもたちと一緒により良い学級をつくっていきたい。


平成17年度地学科卒業生
勝野孝