岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)
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平成19年度岐阜大学公開講座
第24回親子天文教室実施報告
2007年3月24日
 2007年3月24日(土曜日)午後6時から8時30分まで、標記講座を実施した。小学生とその保護者19組約60名が天体望遠鏡(スピカ)の作成に取り組んだ。約1時間かけて天体望遠鏡を組み立てたあと、天体望遠鏡のしくみ、焦点距離、倍率、口径などについて、3つの望遠鏡を比較しながら説明を行った。

 あいにく午後から雨となったため、作図演習で天体観察の仕方を講義した。まず、東の空の星の配置をプリントしたワークシートで、北斗七星と、その右にあるしし座、しし座の上に明るく輝く土星の位置をチェックした。続いて西の空の星をプリントしたワークシートで、オリオン座、うさぎ座、ふたご座、ぎょしゃ座、おうし座のすばるとヒアデスなどをチェックした。

 続いて、月齢7日の月を撮影した画像を映示し、月面のスケッチを行った。危難の海、豊かの海、静かの海、晴れの海、神酒の海など、月の見どころを確認した。

 最後に完成した天体望遠鏡(スピカ)を三脚にとりつけて、観察の練習を行った。おのおの遠くのネオンや信号機をねらってピントをあわせ、天体望遠鏡で遠くの景色をみると上下がさかさまになっていることを確かめた。

 質問コーナーでは、月の海はなんであるかという小学生からの質問があった。月面には白っぽい地域と黒っぽい地域があり、前者は高地、後者は海と呼ばれている。その違いは露出する岩石の違いで、高地は斜長岩、海は玄武岩でできている。海は円形の形をしていることが多く、大きな天体が衝突してできた衝突盆地に玄武岩質のマグマがあふれ出した場所が海であることを説明した。

 天気が悪く、実際に作製した天体望遠鏡(スピカ)で天体の観察はできなかったが、星がきれいに出ている夜は親子で天体観察を行っていただけるのではないかと期待している。

 次回は2007年4月28日を予定している。


<追記>

今回の参加者の方からメールをいただきましたので、ここで紹介させていただきます。

 3月24日の親子天文教室、とても興味深く、楽しく勉強する事ができました。
 ありがとうございました。

 日曜日の夜、とてもいい天気になったので、子供達と一緒に、月にピントを合わせてみました。
 天文教室で教えていただいた通りの月をみる事ができました。

 静かの海、晴れの海、危難の海、神酒の海、豊かの海全部観察でき、とても嬉しかったです。
 特に年中の息子が大喜びで、講座で紙に書いた月の絵と星座の絵を眺めながら「北斗七星だ!オリオン座だ!」と夜空を眺めていました。

 今日も、月が出ていたので楽しませてもらいました。

 来月も是非参加したい!と思っています。

ありがとうございました。