惑星の表面温度

   水星   金星   地球   火星 
 軌道長半径 (AU)  0.3871   0.7233   1.0000   1.5237 
 表面温度 (℃)  340 (昼) 
 −160 (夜)
 480   15   −20 
単位面積当たり惑星表面が受け取る太陽エネルギーは,太陽距離の2乗に反比例して小さくなる。惑星表面に降り注ぐ太陽光の一部は惑星表面に反射され,残りは惑星表面物質に吸収される。太陽からやってくる光のエネルギーのうち,反射される光のエネルギーが占める割合をアルベドという。
一方,惑星表面で吸収された太陽エネルギーは赤外線として宇宙空間に放射される。その大きさは惑星表面温度の4乗に比例する。
したがって,太陽からの距離,惑星表面の反射率がわかれば,惑星表面温度が計算できる。地球の表面温度は約15℃で,液体の水の存在できる条件を満たしている。水星は公転周期がゆっくりなので,昼側と夜側で表面温度に大きな差がある。金星は厚い大気をまとうため,その温室効果で,表面温度はほぼ一様である。火星には,地球と同様,季節変化と緯度による気候の違いがある。火星にはかつて液体の水が存在したことを示唆する地形が残されている。
太陽系の惑星のうち,液体の水が存在できる条件を備えた惑星は地球だけである。それは,太陽からの距離がちょうどよかったからである。

© 2002 Gifu University, Shin‐Ichi Kawakami, Nao Egawa.