隕石
隕石ってなんだろう?
 
★いろいろな隕石
マータが、見おぼえのあるとびらを開けたとたん、ドスン!と、大きな岩が落ちてきました。びっくりして、思わず後ずさったマータに笑いかけながら、コスモス教授がいいました。
「これがアエンデ隕石、こちらがマーチソン隕石だ。このアエンデ隕石を見てごらん、ここに白いものが見えるだろう。これがカルシウムとかアルミニウムをふくんでいる部分だ。とても貴重な隕石で、メキシコ北部にあるチワワ州アエンデ村に落ちたので、その名がつけられた。
1969年2月8日深夜1時、村におびただしい数の隕石が落下して大事件となった。このアエンデ隕石を分析した結果、太陽系が誕生したころにあった物質が、アエンデ隕石の物質と同じではないかということがわかって大さわぎになったんだ」
「隕石って、そんなに大事なものなの?」
「そう。貴重なんだ。こっちの隕石は、マーチソン隕石というんだが、この隕石は落下してまもなく、ガス(水)がしみ出してきた」
「えーっ、水が!?ということは……?」
「ということはだね、この隕石があったところには、水のようなものが存在している可能性がある、ということになる。だから、マータが拾ったこの石ころだって、もし隕石だとしたら、とても大切な資料になるんだ」
教授はそういって、マータを見ました。
「すごーい!隕石って、そんなこと教えてくれるんだ」
「この前、ビッグバンから始まり、銀河系*やその中に太陽系ができていった話をしたね。そのことを教えてくれたのも、じつをいうと、このような隕石や、宇宙ロケットで月からもち帰った岩石なんだよ」
コラム隕石から天体のようすがわかる!
隕石は、その中にふくまれる成分によって、いくつかの種類に分けられる。いずれも地球以外の天体(小惑星や微惑星など)から運ばれて地球上にふってきたものだ。だから、隕石を科学的にいろいろ分析してみると、地球以外の天体のようすがわかるんだ。
この写真の隕石は、とくに地球誕生のころの宇宙の成分をふくんでいると考えられていて、注目を集めているものなんだ。

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アエンデ隕石
鉄隕石
マーチソン隕石
隕石写真: 神奈川県立生命の星地球博物館