マグマの海は地球全体にひろがった
どろどろにとけた地表の上にも、微惑星はたえずふりそそぎ、マグマの海は地球全体にひろがっていった。
★マグマの海はどうやってできたか
〈地球の部屋〉のとびらを押しながら、コスモス教授がたずねました。
「マータ、マグマって見たことあるかい?」
「あるわ。火山の火口の下に見える、どろどろに溶けたものでしょ?」
「そうだ。そのマグマがこれさ!」
教授が部屋をあけたとたん、どろどろにとけたマグマの海がひろがっていました。
「わっ! 熱そう!」
「そう。見ただけで、からだが焼けこげるようだね。さっき話した、微惑星の衝突のくり返しで熱くなった大気と、衝突によるエネルギーで高温になった地球は、その表面の岩石などをつぎつぎに溶かしていったんだ。
このマグマの海でおおわれる原始地球、そして、その地球の周囲を熱い大気がとりまいている、これが地球の始まりの姿だったんだね」
マグマの海とは
マグマの海のことをマグマオーシャンともいうんだが、これも、月探査衛星アポロが持ち帰った月のデータによって、月のでき方だけではなくて、地球をふくむ惑星のでき方についてもたくさんの情報を教えてくれたんだ。
地球も月と同じように、微惑星の衝突によって内部が高温になり、とけてマグマの海ができたと考えられるようになったんだね。
月の表面のようすを見ると、とけてかたまった海の跡が見えるだろう。地球にはやがて、そこに水の海ができていった。ここが月とはちがったんだがね。