40億年前の大事件
マグマの海から水の惑星に変わっていった地球。
それでもまだ、微惑星の衝突はくり返されていった。
★それは隕石の重爆撃期だった
「微惑星の衝突でマグマの海ができ、その衝突の回数がおさまって地表が冷えはじめ、大気から雨がふりはじめて、水の海へと変わっていった。だが、できたばかりの地球に、いまからおよそ40億年前、大事件が待ちかまえていたんだ。その大事件のことを〈隕石の重爆撃期〉ともよんでいるんだ」
「隕石の重爆撃期? それって、なーに?」
「重爆撃って知ってるかい、マータ」
「えーと……戦争で……わかんない!」
「大きな爆弾を、たくさん打ちこんだり、落としたりすることなんだが……、まるで空から重爆撃するように、巨大な隕石や微惑星が、月や地球に衝突した時期があったんだな。
この月を見てごらん。月のクレーター*は、微惑星の衝突の名残りなんだ。このクレーターをよく調べてみると、いまから40億年前にも、はげしい衝突のあったことがわかる。そして、月がそうだったら、月にもっとも近い地球にも、もっと多くの微惑星が衝突したとしてもおかしくないね」

金星と月
月がどうやってできたのか、P.15で話したのを覚えている?
金星には、地球と同じように大気があるため、なかなか金星の表面は見られないんだ。
金星探査衛星マゼランによって、金星の大気の成分は、二酸化炭素やアンモニア、イオウと考えられている。金星は地球より、ちょっとだけ太陽に近い惑星だから、大気の温度は 500℃はあるだろう。
マゼランは、金星の表面のようすを見せてくれただけではなくて、地球と同じように地中にはプレート(地殻)があるらしいことも教えてくれたんだ。
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月 = およそ40億年前に、月に衝突があったことを、月のクレーターは教えてくれる。
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金星 = 古くから宵の明星、明けの明星として親しまれている。地球の約2倍の太陽光をうけるので、いつも高熱で明るくかがやいている。表面は他の星には見られない複雑な地形をしている。