岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)
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第3回化石教室「三葉虫を調べよう」
岐阜大学・教育学部・理科教育講座(地学)
2004年11月03日


 2004年11月3日午後1時30分より4時まで,岐阜大学教育学部本館で小学生対象にした化石教室が行われた.今回は小学生18名とその保護者が参加した.この企画は2001年に岐阜大学公開講座で実施して以来4回目の開催である.これまで同様,京都大学総合博物館の大野照文教授を講師にお招きして実施した.

 参加した子どもたちや保護者それぞれに,三葉虫化石(エルラシア)をわたし,画用紙いっぱいに化石のスケッチを行った.スケッチの過程で,からだのつくりについて気がついたことをメモしてもらい,スケッチ後に大野さんと子どもたちの対話を通じて,さまざまな疑問に対する推理を行っていく.

 三葉虫に近い生き物にはどのようなものがあるか,目のつくりはどのようなものか,外敵に襲われたらどのようにして身を守るのか,またどのように成長するのか.子供たちは,こうした疑問に対する意見を述べていく.いろいろな三葉虫化石が教室のかげに用意されており,指名された子どもたちが裏づけとなる化石を選んで,その化石から読み取れることをみんなの前で発表していく.大野さんと小学生の愉快な対話を通じて,楽しみながら仮説の提示とその検証という思考プロセスが繰り返される.

 こうした授業の終了後,子どもたち一人ひとりに,こぶし大のノジュールを渡し,大学生たちがアシストしてジュールを割って化石探しを行った.コニュラリア,腕足動物,三葉虫などの化石が出てくると,参加者から歓声があがった.


 毎回,化石教室に参加する子どもたちは化石に対する興味・関心が高い傾向がある.講師の大野さんは,「化石は集めるものではなく,詳しく観察してどのような生き物だったのか推理することで,科学的なものの見方をつけてもらいたい」と語っている.



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