バージェス動物群

バージェスの位置。ズーム
バージェスの位置。
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バージェス頁岩。ズーム
バージェス頁岩。
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バージェス動物群は、カナダのロッキー山脈の、バージェス頁岩という地層で発見された,今から約5億2000万年前・カンブリア紀中期の動物である。
この時代に,現在の主要な動物門のルーツが出そろった。だがそれ以外にも,後の時代に子孫を残さなかった,我々から見ると奇妙な動物もいた。

子孫を残さず絶滅した動物

化石ズーム
化石
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復元図ズーム
復元図
理論社『宇宙・地球・いのちのはじまり』

アノマロカリス(Anomarocaris)

現生動物との類縁関係は不明。体長50cm–1m。名前の意味は“奇妙なエビ”。
写真の化石は付属肢(腕)だが、これがエビの体と勘違いされたので、この名前が付いた。
カンブリア紀最大の捕食動物である。
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復元図
復元図
理論社『宇宙・地球・いのちのはじまり』

ハルキゲニア(Hallucigenia)

有爪動物門(カギムシ)。体長0.5–3cm。名前の意味は“幻覚から生まれたもの”。
腹に7対の触手と,背に7対の刺を持つ。
当初は,上下逆に復元されていた。つまり,7対の刺で体を支え,7『本』の触手でエサを捕食すると考えられた。
しかし最近になって,触手と思われていた突起が7『本』ではなく7『対』であり、実は脚であることがわかった。
化石ズーム
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復元図ズーム
復元図
理論社『宇宙・地球・いのちのはじまり』

ウィワクシア(Wiwaxia)

未知の動物門。体長2.5–5 cm。名前は地名(ウィワクシ)より。
腹以外は鱗片で覆われ,背中には2列にトゲが生えていた。体節はなく,現生のどの生物ともあまり似ていない。
海底を這い回りながら,海底の表面の餌を食べていたようだ。
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復元図
理論社『宇宙・地球・いのちのはじまり』

アミスクウィア(Amiskwia)

未知の動物門。体長20mm。名前は地名より採られた。
平らで,骨格を持たない。頭部に1対の触手,胴体に1対の側鰭と1つの尾鰭を持つ。
海面近くを泳いでいたらしい。
復元図
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ディノミスクス(Dinomischus)

未知の動物門。全長25mm。名前の意味は“恐ろしい種子”。
海底の岩などに固着し,水中を漂って来る餌を受け取っていた。
上面には,口と肛門の2つの孔があいていて,消化管で繋がる。
復元図ズーム
復元図
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ネクトカリス(Nectocaris)

未知の動物門。名前の意味は“結ぶエビ”。
体の前半は節足動物(エビなど)に,後半は脊索動物(魚など)に似ているように見える。
化石が不完全な1体しかないため,詳細は不明である。
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復元図
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オパビニア(Opabinia)

未知の動物門。体長43–70mm。
頭部に,5つの目と,長いノズルを持つ。
長い間,節足動物だと思われていたが,節足動物ならあるはずの脚や触覚が無かった。
バージェス動物群の中で最初に,既知のどの動物門にも属さないことが明らかになった動物である。

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バージェシア(Burgessia)

現生動物との類縁関係は不明。一説に節足動物。
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チャンセロリア(Chancelloria)

現生動物との類縁関係は不明。一説に海綿動物。
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ハプロフレンティス(Haplophrentis)

ヒオリタ門 (バージェス動物のために新設された門)。

現生動物門の先祖

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ピカイア(Pikaia)

脊索動物門。
ヒトと同じ脊索動物に属する,つまり,脊索 (背骨の原型) を持つ。現生の生物では,ナメクジウオに似ている。
ヒトの遠い祖先か,それに近縁な生物だろう。
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復元図
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カナディア(Canadia)

環形動物門 多毛綱(ゴカイの仲間)。
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復元図
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オットイア(Ottoia)

鰓曳動物門(エラヒキムシ)。体長2–16cm。
海底にU字型の穴を掘り,その中に潜んで獲物を待ちかまえていたようだ。
復元図。ズーム
復元図。
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アユシェアイア(Aysheaia)

有爪動物門。
脚の先には小さな爪がある。その爪で,カイメンの表面にしがみついて生活していたようだ。
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復元図
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オドントグリフス(Odontogriphus)

触手冠動物(ホウキムシの仲間)。体長60mm。名前の意味は“歯の生えた謎”。
平たいゾウリ型で,骨格は無い。
多くの歯がついた口と,1対の感覚器官らしきもの以外は,体表には何も付いていない。
海面近くを泳いでいたらしい。

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バージェソキータ(Burgessochaeta)

環形動物門 多毛綱(ゴカイの仲間)。

節足動物

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レアンコイリア(Leanchoilia)

節足動物門。
頭部からは1対の大付属肢が伸びている。大付属肢の先端は3本のむち状になっており、これはほかの節足動物には見られない。
歩脚が短いので、海底を歩くことはなく、水中を泳いでいたようだ。
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マーレラ(Marrella)

原始的な節足動物。体長0.5–2 cm。名前は人名(マール)より採られた。
バージェス動物群のうち,最も多く (13,000点) の化石が発見されている。
当初は三葉虫に近縁だとされたが、ウィッテントン (1971) により,既知のどの節足動物にも似ていないことが判った。これ以降,ほとんどのバージェス動物の分類が再考されることとなった。
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ヨホイア(Yohoia)

節足動物門。体長0.7–2.3cm。名前は地名(ヨーホー国立公園)より採られた。
頭部に1対の大きな腕と,胸腹部に10対の葉状の付属肢(鰭または鰓?)を持つ。これは,ほかのどの節足動物にも無い配置である。
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ハベリア(Habelia)

節足動物門。
半球状の頭部と,体節からなる胴体を持つ。
背甲は,多数のコブで覆われている。
触覚はあるが,目は無い。
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ナラオイア(Naraoia)

節足動物門 三葉虫綱。
大きな殻で体が覆われている。そのため、脚の基部が見えず、研究は進まなかった。
化石の殻を取り除くと、三葉虫の新目だと判った。
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オダライア(Odaraia)

節足動物門 甲殻亜門 または 新しい綱。体長150mm。
チューブ状の背甲に、体が包まれていた。左右と背面に、3枚の背鰭を持つ。
上下逆の姿勢で泳いでいたらしい。
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復元図
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サロトロセルクス(Sarotrocercus)

節足動物門。
上下逆で,海の上層を泳いでいたようだ。
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シドネユイア(Sidneyia)

節足動物門。
名前は、人名(発見者ウォルコットの息子・シドニー)より。
最初は誤って、アノマロカリスの付属肢を付けた姿に復元された。
消化管の中から小さな三葉虫が発見されたことで、肉食動物であることが判った。
復元図
復元図
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サンクタカリス(Sanctacaris)

節足動物門。全長60mm。名前の意味は“聖なる爪”。
頭部の5対の付属肢(腕)で,獲物を捕らえて食べたようだ。
鋏角類 (クモ,サソリ,カブトガニなど)か、もしくは三葉虫の祖先かもしれない。

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オレノイデス(Olenoides)

節足動物門 三葉虫綱。
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パゲティア(Pagetia)

節足動物門。

その他

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ヴォークシア(Vauxia)

海綿動物門 普通海綿綱。
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マルポリア(Marpolia)

藻類。
文献
蒲郡情報ネットワークセンター 生命の海科学館, 2001. 蒲郡情報ネットワークセンター 生命の海科学館 展示案内, 蒲郡, 蒲郡情報ネットワークセンター 生命の海科学館.
蒲郡情報ネットワークセンター 生命の海科学館, 2001. 蒲郡情報ネットワークセンター 生命の海科学館 展示案内 (CD‐ROM), 蒲郡, 蒲郡情報ネットワークセンター 生命の海科学館.
理論社, 2002. 宇宙・地球・いのちのはじまり 4 進化は単細胞生物から多細胞生物へ, 東京. 理論社.
R. D. K. Thomas et al., Evolutionary Exploitation of Design Options by the First Animals with Hard Skeletons, http://www.fandm.edu/Departments/Geosciences/faculty/r_thomas-website/