ガスの中に固体ができた
太陽ができると、その周りにある星間ガスは渦巻きをつづけながら平らになり、しだいに中に固体をつくっていく。
★100億個もの微惑星が衝突した!
「マータは望遠鏡で、土星の周囲をとりまく薄いリングを見たことがあるかな?太陽系は、そのうんと大きなものだと考えればいい。じゃ、これを見てごらん」
教授がそういうと、〈太陽の部屋〉いっぱいに、いっしゅん目がくらむほどの光が、かがやきはじめました。そして、太陽を中心にして、周りにはば広いガスの渦巻きが現われてきました。
「この太陽の周りにできるガスからちりができて、それが回転している間に、赤道面に集まってくるんだね」
「わあ、きれい!」
「こうして見ると、美しいね。ところがそのガスの中では、ちりが集まって微惑星が誕生していったんだ。その微惑星は合体してこわれたり、飛び散ったりしながら成長していった。衝突によってモノとモノがぶつかると、そこにはものすごい熱が発生する。このような衝突が、このガスの中で始まっていたんだよ」
「なんだか、こわいような話!」
「そう。そのこわいような衝突は、何度も何度もくり返された。地球が形づくられていくあたりでは、直径10kmほどの微惑星が、100億個ぐらいはあったと考えられているんだ。それが、おたがいぶつかりあっていくんだから、そのぶつかりあうとき発生する熱はものすごかっただろうね。
このような衝突は、おそらく太陽系の惑星として生まれたすべての星にも起こっていたにちがいない。ただ、いえることは、太陽からそれぞれの微惑星までの距離によって、衝突によってできる物質にはちがいがあったことだ。重い鉄や岩石は太陽に近いところに、軽い氷や岩石は遠くに追いやられていった、とも考えられるからだ。このように、いろんな要素がからみあって、太陽系は誕生していったんだねえ」
いっきにしゃべったコスモス教授は、ここでひと息いれました。