無数の微惑星が浮かぶ太陽系
微惑星の衝突はつづく
おびただしい数の微惑星がぶつかり合い、星が生まれていった。
 
★衝突しながら大きくなる地球
「さて、これを見てごらん」
コスモス教授が、そういうが早いか、いつかSF映画で見たような、たくさんの微惑星の浮かんだ宇宙が現われました。
「うわっ、こわい!わたし、からだが吸いこまれていくみたい!」
「これが、太陽の周りにできた微惑星だ。微惑星たちは、たがいに動きまわっていて、たえずぶつかったり合体しながら成長する。なかでも、いち早く大きくなった微惑星は、周りの小さなものを集めていくようになる。この衝突のくり返しは、
そうとう長い間つづいたと考えられるんだ」
「ぶつかり合って、だんだん大きくなっていったの?」
「そういうこと。ところでマータ、大きなものに小さなものが衝突すると、どういうことになるかな?」
「ドーン!て、はねとばされちゃうのかな?」
「それだけじゃないんだな。小さな微惑星のほうは、大きな微惑星にぶつかると、その衝撃で押しつぶされて、とりこまれていくんだ。
マータは、月の表面を望遠鏡で見たことがあるね?」
「あるある。丸い大きなあなが、表面にボコボコしてて……」
「そう。クレーターといって、あの円形状のものは、その衝突の跡なんだよ。こうした衝突で起こるエネルギーは、現在、地球上にある全部の核爆弾の何万倍のエネルギーにあたるという科学者もいる。それほどすごい衝突がつづいていたわけだから、微惑星は、まるで火の玉のようになっていたと想像できるね」

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原始の太陽
微惑星たち