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大気と地球が冷えていく
地球上にはげしくふりそそいだ衝撃は、時とともに減り、 微惑星はしだいに地球に集積されていった。 そして大気も地球も冷えていく。
 
★水惑星への道のり
教授の指さしたマグマの海の上空には、いつのまにか、厚い大気がおおっています。
「水惑星(=地球)ができるまでの道のりは、つぎのように進んでいったと考えられているんだ。
まず、微惑星がさかんにぶつかって衝突がつづくと、地球に衝突する微惑星の中には、水や二酸化炭素がたくさんふくまれているから、このようなガスは、衝突と同時に蒸発してしまう。
地球がもし、月のように小さな天体だったら、ガスはその周りに蒸発していっただろう。ところが、地球は大きい天体だったので、地球のもつ引力*の力で、大気は周囲をとりまくことになったんだ。
このように、微惑星の衝突によって蒸発したガスが原始地球の大気をつくっていくと、衝突がつづくかぎり、その大気は、しだいに濃厚なものになっていく。
その濃厚な大気が、地球をおおうことになるから、地球はガスの大気による〈保温効果〉によって、あたためられることになったんだ」
「それで……、マグマの海は、どうして冷えはじめたの?」
待ちきれなくなって、マータはききました。あのまっ赤などろどろの海が冷えていくなんて、とても考えられない。早く知りたい!
「それはだね、微惑星の衝突する回数がしだいに少なくなり、衝突の際に発生する熱が減ったことが原因と考えられているんだ」
コスモス教授は、ゆっくりと、静かに話します。

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微惑星はしだいに惑星に集積されていく
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