雲に覆われた地球
とつぜん豪雨が始まった!!
厚い大気ガスが雨に変わると、地表は水びたしになっていった。
 
★大気が雨に変わった
「温室効果*って言葉知ってるかな、マータ。いま、環境問題でよく使われている……」
「ええ。上空が二酸化炭素でおおわれて、地球の温度が上がることでしょ。学校でならったわ」
「ほう、よく知ってるね。濃厚な原始大気も、その温室効果と同じように、地球をとりまいていたんだね。その大気の大部分は水蒸気で、つぎに二酸化炭素、窒素などだったと考えられている。
その原始水蒸気大気による温室効果は、さらに地球表面の温度を上昇させることになった。そうして、地球の表面の水蒸気ガスは、マグマの海の中にも溶けこんでいくので、大気の量はやがて、ほぼ一定の量に近づいて、ついに変わらなくなっていったんだ。この限界点をむかえたということが、雨に変化するポイントだったんだね」
「マグマの海に溶けこむって……?」
「マグマの海というのは、地球全体が溶けていることじゃなくて、地球の表面が溶けて、海のような状態になっているということなんだ。
そして、微惑星の衝突も少なくなってくると、さっきも話したとおり、地球も大気も冷えはじめて、ついにたたきつけるような雨が、何日も何日もふりつづけることになったというわけ。
一方、地球は太陽からの距離が、偶然にもめぐまれた位置だったために、ほかの惑星のように、ふった水が蒸発したり氷になったりせず、いつまでも水のままで存在できたということだね」
熱くて、厚い大気におおわれていた地球だったが、やがて……。
豪雨が始まった
マグマの海におおわれていた原始の地球には、厚くて熱い大気ガスがおおっていたんだ。
温室効果という言葉を聞いたことがあるだろう。二酸化炭素などの大気が地球をおおうと、マグマの海の熱(赤外線)を吸収するようになる。そのため、大気の温度は上がり、宇宙と地表に赤外線を放射するようになるんだ。これが温室のようだから、温室効果とよばれるんだ。
ところが、微惑星の衝突が少なくなった地球は、しだいに冷えはじめて、ある限界点を過ぎたとき、おおっていた大気から、とつぜん高温の雨が降りはじめたというわけさ。

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