★〈いのち〉大爆発
マータは、なんだかテレビドキュメンタリーでも見ているような気持ちでした。
「30億年という生命の歴史にとっては、数千万年という年月は短い。エディアカラ生物群からわずか1000万年の間に、かたい殻やとげをもった多細胞生物が現われたということは、正直いっておどろくべきことだった。
というのは、そのバージェス頁岩動物群たちのからだの構造こそ、まさに現代の生物の基本の形につながっていると考えられるからだ。それは当然、いまのわたしたち人間と同じルーツでもあるんだよ」
「そういえば、わたしたちのからだも、骨でできている」
「そのとおり」
「それにしても、わずか1000万年という間に、どうしてそんなに変わったんでしょう?」
マータは、前に一度した質問を、思わずまた口走っていました。
「うーん、そうだな……。それじゃ、もう少しくわしく説明するとしようか」