空白
カンブリア大爆発はなぜ起こったか?
 
★生物の形を変えた地球の変化
「エディアカラ生物群の中からは、およそ2mmほどの、細長い円筒状の殻をもった生物らしい化石が見つかっている」
コスモス教授は、話しはじめました。
「それがどんな生き物だったか、まだはっきりとはわからないけれど、その筒状のからだには、ほかの動物が食べたあとではないかと考えられる穴があけられていたんだ。ということは、捕食(肉食)する生物がいたことになる。
また、そのからだには、方解石という鉱物がふくまれていて、有機物などでできていることがわかった」
「……ということは?」
「ということは、そのころの海水中に、酸素がたくさんあったことを物語っている」
「そういえば、そのころの地球のようすは、どんなだったんですか?」
「よし、じゃあ、これを見てごらん」
教授がそういうと、部屋全体に大きな地球が現われました。それがゆっくりと回転するたびに、その大陸の形を変化させていきます。
「あっ、陸地がくっついて、大きくなったり、また離れたり……」
「そのとおり。超大陸が発達していたカンブリア紀の地球上で、陸地がこうして分裂を始めたんだね。陸地が分裂すると、しぜんと海岸線はひろがっていく。さて、海岸線がひろがるとどうなるか」「………」
「陸地に降った雨は、陸地を風化・浸食しながら、植物の栄養となるものを大量に海へと運ぶ。海中の植物や藻類がその栄養によって繁殖すると、それを食べる生物も増える、したがって死骸も増えることになる」
「死骸が増えると……どうなるの?」
「死骸には炭酸塩やリン酸塩など、骨の成分がふくまれてるから、海中にそうした成分が濃くなって、殻や骨格をつくりやすかったのかな。でも、はっきりとはわかっていないんだ」
「なーるほど。うまくできてるんだ」
「じっさいにそうだったかどうかは、見てないのでなんともいえんがね、少なくとも最新の学説ではそういうことだ」
そういって教授は、にっこりと笑いました。

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カンブリア紀の大陸状況
大陸移動の変遷
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