ビッグ・バンの想像図と、Gamov & Hubbleの肖像
宇宙ってなんだ?
とつぜん宇宙は、ビッグバンから始まった!
 
宇宙うちゅうはとつぜん現われた?
「ああっ!」
一歩部屋へやに入りかけたマータは、目の前の光景こうけいに息をのみました。
「これが、なんだかわかるかい?」
コスモス教授きょうじゅがマータに聞きました。
「なにかが、爆発ばくはつしたところ?」
マータがそういうと、教授は、マータがこれまで考えてもみなかったことを、話しはじめました。
「では、まず宇宙がどのようにして誕生たんじょうしたか、その話から始めよう。“宇宙の始まりの説”を最初に発表したのは、ジョージ・ガモフという科学者だ」
いきなりコスモス教授は、説明を始めました。
「アメリカの天文学者エドワード・ハッブルは、巨大な望遠鏡をつくって銀河ぎんがを観察した結果、遠い銀河ほどわたしたちから遠ざかっている、ということを証明した。銀河が遠ざかっているということは、宇宙がぼうちょうしているということなんだが……少しむずかしいかな?
そこで、ぼう張ということをぎゃくに考えてみると、収縮しゅうしゅく(ちぢむ)ということになる。モノがどんどん収縮していくと、しまいには小さな点になっていくね。それが宇宙の始まりだと、ガモフは考えたんだね」
「ふーん、なんだかむずかしそう……」
「うん。ちょっとむずかしいかな。その宇宙の始まりにあった事件を、いまでは〈ビッグバン〉とよんでいるんだ。とつぜん宇宙が、想像そうぞうもできないほどものすごい大爆発〈ビッグバン〉を起こした。その爆発によるぼう張が、現在もつづいているということになるんだ」
「ビッグバンって、わたし聞いたことがある」
「そうだろう。わたしたちの知っている太陽は、現在でもたえず水素すいそやしつづけていて、強い光を出してかがやいている。4つの水素を燃やしてヘリウムに変えているんだ。このことを〈ねつ核融合かくゆうごう反応はんのう*〉というのだが……、それはまた、あとで話そう。マータには少しむずかしいかな?」
そういって教授は、マータの顔をのぞきました。
「うーん!ある日とつぜん宇宙が大爆発して、どんどんふくらんでいる……」
むずかしい顔をしてマータは、なんとかそのようすを頭にえがいてみようとしましたが……。
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ジョージ・ガモフ
エドワード・ハッブル