★宇宙はとつぜん現われた?
「ああっ!」
一歩部屋(に入りかけたマータは、目の前の光景(に息をのみました。
「これが、なんだかわかるかい?」
コスモス教授(がマータに聞きました。
「なにかが、爆発(したところ?」
マータがそういうと、教授は、マータがこれまで考えてもみなかったことを、話しはじめました。
「では、まず宇宙がどのようにして誕生(したか、その話から始めよう。“宇宙の始まりの説”を最初に発表したのは、ジョージ・ガモフという科学者だ」
いきなりコスモス教授は、説明を始めました。
「アメリカの天文学者エドワード・ハッブルは、巨大な望遠鏡をつくって銀河(を観察した結果、遠い銀河ほどわたしたちから遠ざかっている、ということを証明した。銀河が遠ざかっているということは、宇宙がぼう張(しているということなんだが……少しむずかしいかな?
そこで、ぼう張ということをぎゃくに考えてみると、収縮((ちぢむ)ということになる。モノがどんどん収縮していくと、しまいには小さな点になっていくね。それが宇宙の始まりだと、ガモフは考えたんだね」
「ふーん、なんだかむずかしそう……」
「うん。ちょっとむずかしいかな。その宇宙の始まりにあった事件を、いまでは〈ビッグバン〉とよんでいるんだ。とつぜん宇宙が、想像(もできないほどものすごい大爆発〈ビッグバン〉を起こした。その爆発によるぼう張が、現在もつづいているということになるんだ」
「ビッグバンって、わたし聞いたことがある」
「そうだろう。わたしたちの知っている太陽は、現在でもたえず
水素(を
燃(やしつづけていて、強い光を出してかがやいている。4つの水素を燃やしてヘリウムに変えているんだ。このことを〈
熱(核融合(反応(*〉というのだが……、それはまた、あとで話そう。マータには少しむずかしいかな?」
そういって教授は、マータの顔をのぞきました。
「うーん!ある日とつぜん宇宙が大爆発して、どんどんふくらんでいる……」
むずかしい顔をしてマータは、なんとかそのようすを頭にえがいてみようとしましたが……。