セプコスキの大量絶滅事件

セプコスキーの描いた生物多様性の変遷。ズーム
セプコスキーの描いた生物多様性の変遷。
緑色の部分は、保存の極めてよい化石。
Raup and Sepkoski 1984
3つの動物群の多様性。ズーム
3つの動物群の多様性。
カンブリア紀型
三葉虫 無関節腕足類 ヒオリテス 単板類 エオクリノイド
古生代型
有関節腕足類 ウミユリ 花虫類 貝形虫 頭足類 狭喉コケムシ 星形類 筆石
現代型
二枚貝 巻貝 裸喉コケムシ 軟甲類 普通海綿 有孔虫 ウニ 硬骨魚類 軟骨魚類 四肢動物
Sepkoski 1981
1980年代に古生物学者セプコスキは、それまでの化石産出データをとりまとめ、顕生代における生物多様性の変遷をグラフにしています。彼の得たグラフは、100年以上も前にフィリップが描いたグラフと基本的によく似ており、フィリップのグラフにみられる化石記録の減少時期は、顕生代の5大生物大量絶滅事件の4つに対応しています。
セプコスキは、顕生代の化石記録の多様性の変遷を調べ、3つのパターンに分けられることを見出しました。1つは、カンブリア動物群と呼ばれているもので、カンブリアの大爆発で飛躍的に多様性が増え、オルドビス紀には減少へと転じてしまうグループで三葉虫、エオクリノイド(棘皮動物)、が代表例です。2つ目は、オルドビス紀以降に多様性が増え、古生代末に激減するグループです。腕足類、苔虫類、花虫類などが代表例です。3つ目のグループは、中生代以降に多様性の増えるグループで、節足動物、二枚貝類、脊椎動物などが含まれます。
文献
Sepkoski Jr., JJ. 1981. A factor analytic description of the Phanerozoic marine fossil record. Paleobiology. 7, 36–53.
Raup, DM; Sepkoski Jr., JJ. 1984. Periodicity of extinctions in the geologic past. Proceedings of the National Academy of Sciences (USA), 81, 801–805.