農学者のジレンマ

世界の人口は60億人を突破した。人間活動が地球環境に与える負荷は増大し続けている。1000年後も人類が平和で幸せに暮らすことができるか。農学者はこの問いかけに対しジレンマに陥る。
今、貧しい国々では、10億人が飢えている。この人々が十分な食糧を得るには、食糧の増産が必要である。そのためには森を切り開いて農地を広げ、また、単収を上げなければならない。だが、森を破壊し、農薬や肥料を投入し、地下水を灌漑に使えば使うほど、環境は破壊され、持続可能性は大きく下がる。現在を犠牲にしてでも未来のために環境を保護したいのに、目の前の飢えた人々をどう救えばいいのか。