原始星円盤を眺める少女(マータ)と男性(コスモス教授)
こうして地球は生まれた
誕生たんじょうした太陽は、もうれつなスピードで回転する円盤えんばんの中で、強烈きょうれつな熱と光とジェットを上下にはなちながら、燃えつづけた。
 
惑星わくせいが生まれた!
〈太陽の部屋へや〉の中で、それまですさまじい勢いで燃えていた太陽が、かすんで消えていくと、つぎに現われたのは、ものすごいスピードで回転する、ドーナツのように、周りがふくらんだ円盤でした。円盤のまん中は、まぶしくかがやき、上と下に向かって、勢いよくジェットをふき出しているのです。
それにしても、いったいミラクルミュージアムには、どんな仕かけがあるのでしょう。つぎからつぎへと消えては現われる星々のいろんな姿すがたに、マータは圧倒あっとうされっぱなしです。
「ほら、このでっかいガスの円盤の、くぼみのまん中でかがやいているのが太陽だ。
太陽ができたとき、周りにはガスがうずいていたといったよね。このガスは、だんだん赤道面せきどうめんに集まって、あつさのうすい円盤になっていったんだ。厚さがうすくなるということは、密度みつどくなること(圧縮あっしゅく)になるわけね。
太陽に近いところは温度が高いので、円盤の中に岩石や金属きんぞく*が多くふくまれるようになったんだ。一方、太陽から遠くはなれているところは温度が低いから、氷も多く含まれるようになったんだ。
1950年代までは、太陽系たいようけいがどうやってできていったのか、わからなかったんだ。ところが、宇宙開発うちゅうかいはつの時代が急速に始まって、人類が月に降りて、月の石をもち帰ったり、火星に宇宙船うちゅうせんを飛ばすようになって、いろいろな材料が手に入るようになった。科学は急速に進歩していったんだよ。
ところで、太陽の周りをまわっているこの星(惑星)たちが、どうやって出現したのかということだがね」
「いよいよこれから、地球ができるまでの話になるのね」
「そう。銀河のすみっこで太陽が誕生したとき、太陽の周りには、銀河ほど大きな円盤えんばんではないけれど、同じような形をしたガスの円盤があったんだ。そのガス円盤はうずいた。その重力*によって、しだいに円盤が薄くなっていく。その中で固体こたい成分せいぶん(ちり)とよばれるものが凝縮ぎょうしゅくされて、やがて微惑星びわくせい*になった。
いわゆる小さな星くずがたくさん生まれてきたわけだね。その微惑星たちも動きまわっているわけだから、おたがい何度も衝突しょうとつしたり合体がったいしたりして、しだいにそのかたまりは大きくなっていったんだ」

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