星の明るさ
 
「今度は、星の明るさについて話そうか」
そう言ってコスモス教授はパソコン画面を操作します。
「マータは、夜空の星には明るい星と暗い星があることを知ってるかな?」
「はい。学校で学習したと思う」
「そうか。明るい星から順に1等星、2等星というように分けられていたね。目でやっとみえるような暗い星が6等星だったね。実は1等星と6等星では、明るさが100倍違うんだ」
「明るい星と暗い星……」
マータ、コスモス教授の言っていることが何のことかわからないような表情です。
コスモス教授はしばらく黙っていましたが、突然やさしい言葉で話し始めました。
「豆電球と電灯を知っているね。2つとも光を出しているけど明るさが違うね。星にも光をたくさん放って明るく輝いているものと、そうでないものがあるんだ」
マータは、学校の実験で使った豆電球を思い浮かべ、ちょっとわかった気がしました。
「明るい星と暗い星……それは恒星の放つ光の量が違うからなんだ!」
「そういうことさ。でもちょっと考えなくてはならないことがある。それは遠いところにある電灯は暗いけど、近くにある電灯は明るいってこと。たくさん光を放っていても遠いところにある星は暗く見えるんだ。マータ、街灯の光を思い浮かべてみるといい」
そういわれてやっとマータはイメージが出てきました。
コスモス教授は続けます。
「星には明るいものと暗いものがある。それは星の明るさが違うってこともあるが、地球からの距離が違うってこともあるんだね。だから天文学者は、星までの距離と明るさの両方を詳しく研究したんだ」
コスモス教授は、パソコンの画面に星空の写真を映し出しました。
それをみてマータは、立山で見たあの美しい星空を思い出しています。
夜空にはいろんな星がある。星までの距離もいろいろ。
「宇宙って不思議なんだ。それに天文学っておもしろそう」
「星を調べると、もっといろんなことがわかるんだが……」

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