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藻類の分類
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 藻類とは,光合成で酸素を発生する生物から,陸上植物 (コケ植物・シダ植物・種子植物) を除いたものだ。光合成で酸素を発生する生物には,シアノバクテリアやプロクロロンのように,核をもたない原核生物も含まれる。 
- バクテリアに属する藻類
 
- シアノバクテリア,原核緑藻
 
- 真核生物に属する藻類 (主に単細胞)
 
- 灰色藻,ユーグレナ藻,クリプト藻,渦べん毛藻,ハプト藻,クロララクニオン藻
 
- 真核生物に属する藻類 (単細胞または多細胞)
 
- 紅藻,不等毛類 (褐藻など),緑色植物 (緑藻など)
 
 
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アオコ (Microcystis) 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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スピルリナ (Spirulina) 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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藍藻,藍色細菌とも呼ばれる。150属2000種が知られている。原核生物である細菌に属し,シアノバクテリア門をつくる。酸素発生型光合成をするが,核をもたない。 
先カンブリア時代に大規模なストロマトライトを作った。温泉水の流れ出す場所で深緑色のマットを作る。 
光合成色素は,クロロフィルaとフィコビリンである。 
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プロクロロン (Prochloron) 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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プロクロロンに代表され,原核生物である細菌に属する。 
海洋性の群体ホヤと細胞外共生している。 
光合成色素は緑色植物と同じ,クロロフィルaとbである。フィコビリンはない。 
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シアノフォラ (Cyanophora paradoxia) 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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グラウコシスティス (Glaucocystis) 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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淡水性の4属で灰色植物門をつくる。 
細胞内に2–4個の葉緑体があり,葉緑体の微細構造はシアノバクテリアとよく似ている。シアノバクテリアが共生しているものもあり,シアノバクテリアから葉緑体への進化過程を調べる好材料である。 
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ミドリムシ (Euglena) 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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ペラネマ (Peranema) 従属栄養 (光合成をしない) の捕食生物 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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ミドリムシ藻類ともいう。べん毛で活発に運動するが,葉緑体があり,かつては動物と植物の両方の性質を備えた生物と言われた。40属800種が知られている。 
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セラティウム (Ceratium) 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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ヤコウチュウ (Noctiluca) 従属栄養 (光合成をしない) の捕食生物 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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2本のべん毛を持つ単細胞生物である。130種,2000種が知られている。光合成をするグループとしないグループがある。 
渦をまくように細胞を回転させて泳ぐ。 
葉緑体は3重の包膜に包まれている。 
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タバコグサ (Desmarestia batacoides) 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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スジメ (Costaria costata) 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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ナヴィクラ (Navicula) 珪藻に属する 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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褐藻,珪藻などが属する大きなグループである。クロロフィルaとcを持つ,3重のチラコイドを持つなどの共通性から,一つにまとめられた。 
同じくクロロフィルaとcを持つクリプト藻類・渦べん毛藻類・ハプト藻類とは,細胞構造が大きく異なる。 
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クロララクニオン藻(Chlorarachniophyceae)
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クロララクニオン (Chlorarachnion) 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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クロロフィルaとbを持つので,以前は黄緑藻類に分類されていた。 
しかし,包膜が4枚あるので,藻類が細胞内に取り込まれた二次共生生物だとわかる。 
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マルバアマノリ (Porphyra suborbiculata) 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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ユカリ (Procamium telfaiae) 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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キントキ (Prionitis angusta) 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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600属5000種が知られている。大部分が海産で潮間帯に生息している。 
紅藻類のアマノリは,浅草のりとして知られる。チノリモ類に属するイデユコゴメは,草津温泉 (群馬県) やカムイワッカの滝 (北海道) など,強酸性の温泉に生息している。 
胞子で増殖する。 
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プリムネシウム (Prymnesium) 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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プリューロクリシス (Pleurochrysis) 円石藻に属する 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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クロロフィルaとcをもち,色素としてフコキサンチン,β‐カロチンなどをもつ。70属300種が知られている。 
ハプト藻類に属する円石藻は,炭酸カルシウム骨格を作る。 
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クリプトモナス (Cryptomonas) 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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単細胞で2本のべん毛をもつ。クロロフィルaとcに加え,フィコビリンたんぱく質も持つ。約200種知られている。 
もともと葉緑体をもたないべん毛生物が,単細胞の紅藻様生物を取り込んで葉緑体を獲得したのだろう。 
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カサノリ (Acetablaria ryukyurnsis) 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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ウスバアオノリ (Enteromorpha linza) 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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クンショウモ (Pediastrum) 
(筑波大学生物科学系植物系統分類学研究室) 
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クロロフィルaとbをもつ。 
プラシノ藻類,アオサ藻類,トレボウクシア藻類,緑藻類,車軸藻類に分けられる。500属16000種が知られている。 
陸上植物の祖先である。 
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© 2002 Gifu University, Shin‐Ichi Kawakami, Nao Egawa. 
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