太陽の年齢から

19世紀になると、太陽の年齢について考えられるようになった。
当時の人々も、太陽が莫大なエネルギーが放出していることは理解していた。当時の人々は、その熱源は、太陽自身の重力収縮だと考えていた。太陽は巨大な質量をもっており、質量分布から太陽のもつ重力エネルギーが計算できる。太陽が収縮すると、太陽の質量は太陽自身の重力場の中を落下することになり、収縮した分だけ重力エネルギーが熱エネルギーへと変換される。これまでに失われただろう重力エネルギーと、現在放出されている熱エネルギーの比から、3000万年という年齢が得られた。これは、ケルヴィンの値にかなり近い。
この考えによると、かつては太陽はもっと明るく輝いていたことになり、地質時代を遡ると地球上では生命が生存できなかったと考えなくてはならない。この考えは、ダーウィンの進化論とも対立した。