二酸化炭素の歴史

大気中の二酸化炭素濃度の変動は、氷期‐間氷期サイクルのような 数1000年から数万年の時間スケールから、46億年の地球史的時間スケールまでさまざまである。
地球史的時間スケールでは、太陽光度の増加を相殺するように減少してきた。
過去5.4億年の変動には、超大陸の形成と分裂と対応した数億年のサイクルがある。これは火山活動の長期的変化など、二酸化炭素濃度の変動要因を組み込んだ地球化学サイクルモデルを用いて推定された。近年、古土壌中の炭酸塩岩の炭素同位体比から、古土壌中に炭酸塩鉱物が形成された頃の大気中の二酸化炭素濃度が見積もられた。
また、第四紀の氷期と間氷期の繰り返しでも、大気中の二酸化炭素濃度が変動してきた。短い時間スケールでは、大気中の二酸化炭素濃度は海水のpHと関係している。炭酸塩鉱物のホウ素同位体比から海水のpHの変動を推定し、それを大気中の二酸化炭素濃度に換算する試みが行われた。