今回の授業実践で行った取り組みをまとめると、次のようである。 (1)東方最大離角から内合までの期間にわたって、生徒全員が金星の位置と形の変化を観察したこと (2)生徒たちの観察と平行して、岐阜大学の天体望遠鏡で画像を取得し、インターネットで公開したこと (3)生徒たちも岐阜大学の屋上の望遠鏡施設を訪れ、天体望遠鏡で観察を行ったこと (4)クラス全員が双眼鏡による金星の観察を行ったこと (5)クラス全員が天体望遠鏡を製作し、金星の観察を行ったことである。 まず継続して観察を行うことで、金星が内惑星として、地球の内側を公転していることを実感することができたことは大きな成果である。 つぎに、天体望遠鏡の製作を行ったことで、天体に関する関心はいっそう高まった。金星だけでなく木星や土星も観察したいという意欲をもった生徒が増えた。 実際の授業では、生徒たちは、ものづくりの経験がほとんどなく、手間取ったが、こうした授業実践を行うことで、実験や工作の時間の重要性が明らかになった。 さらに、今回おこなった授業実践で構築された画像集は、岐阜大学付属小中学校のデジタル教材イントラバケッツに登録した。その結果、市内小中学生もホームページで、金星の形の変化を認識し、児童、生徒たちが天体に関する興味を強くもっていることがわかった。そこで、さっそくこの授業実践で使った天体望遠鏡製作キットをとりいれて、小学生向け天文教室「作って 見よう 春の星空」を開催することにした。時期は、2001年4月1日の日曜日である。このプログラムには、25組の親子が参加を申し込んでいる。 |
[はじめに] | |
[1.金星の満ち欠けを観察しよう] | |
[2.双眼鏡を使ってみませんか] | |
[3.天体望遠鏡はすごい!] | |
[4.指導計画] | |
[5.双眼鏡とにぎりこぶし法でチャレンジ] | |
[6.天体望遠鏡の組み立てキットがあった] | |
[7.天体望遠鏡を作る] | |
[8.やせ細った金星] | |
[9.まとめの授業] | |
[10.生徒の反応] | |
⇒ | [11.授業をおえて] |
[おわりに] |