澄江動物群

緯経度
北緯 24°40′ (+24.67°)
東経 102°50′ (+102.83°)
, 澄江

多細胞生物の大繁殖と‘カンブリア大爆発’ (6億–5億3000万年前; 40歳)

“‘全球凍結’(→項目5) の直後に‘多細胞生物’の出現と多様化が見られる”という事実は、地球規模の環境危機と生物の大絶滅がここでも新たな生命進化のトリガーになった可能性を示唆しています (カタストロフィー的地球観・進化観)。
そして、‘カンブリア大爆発’と呼ばれる華々しい生命デザインの多様化実験は、“現在私たちがこの地球で眼にしている生物たちが生命の可能態のすべてではない”ということ、“生命は私たちが考えるよりもっともっと多彩でラジカルなのだ”ということを教えてくれます。
1990年代になって,中国でも,カンブリア紀前期の動物化石が発見されました。最初の発見地が,この帽天山です。動物群は,近くの町の名から,澄江動物群と呼ばれます。
[画像提供 : 生命の海科学館]
カタイミルスは,最古の脊索動物と考えられています。脊索動物は,わたしたちヒトを含む動物門です。
[画像提供 : 生命の海科学館]
ミロクンミンギアは,最古の脊椎動物と考えられています。ミロクンミンギアの発見によって,脊椎動物の歴史は5000万年さかのぼりました。全長はわずか数cmで、原始的な魚類である,無顎類に属します。
[画像提供 : 生命の海科学館]
ウェツリコラは,節足動物に近い動物です。ウェツリコラなどを含む新しい動物門・古虫動物門が新設されました。
[画像提供 : 生命の海科学館]
カンブリア期には,現在の動物の祖先たちが出揃いましたが,子孫を残さず絶滅した動物もいます。アノマロカリスやオパビニアのような捕食動物や,ピカイアのような泳ぐ動物も現れました。
[Erwin, J.V.D.; Jablonski, D. The Origin of Animal Body Plans, ‹American Scientist›, vol. 85, p. 129]