緯経度 | 南緯 22°20′ (-22.33°) 東経 117°58′ (+117.97°) |
人工衛星ASTERでとった写真です。緑色に映っている地層が縞状鉄鉱床で,地球史の大事件が記録されています。
[画像提供 : ERSDAC]
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地上に降り立つと、赤茶けた大地が広がっています。鉄が酸化されてできた鉱物の色で、この地域には大規模な鉄の鉱床が分布しています。 自動車などの鉄でできた製品の原料のほとんどは、地球が若いときにできた鉄鉱石なのです。
[写真提供 : 平田大二(神奈川県立生命の星地球博物館)]
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近づいてみると,鉄鉱石の地層には縞模様があります。鉄に富んだ地層とシリカ(二酸化ケイ素)に富んだ地層がくり返しているのです。 鉄は,海水中に溶けていた鉄が酸化して沈殿したものだと考えられています。
[写真提供 : 平田大二(神奈川県立生命の星地球博物館)]
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地球ができたとき,大気中にはほとんど酸素はありませんでした。今の地球に豊富にある酸素は、植物や一部の細菌の光合成によるものです。 25億年前ごろ地球の海岸線一帯には、この写真のようなストロマトライトがいたるところで作られました。 その表面に付着しているシアノバクテリアが,光合成をして酸素を発生させたのです。
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シアノバクテリアが作った酸素は、当時の海水中に溶けていた鉄を酸化させました。 その結果形成されたのが縞状鉄鉱床です。 25億年前から19億年前にだけ縞状鉄鉱床が大規模に形成されていることは、この時期、海洋が酸素の乏しい状態から酸素が豊富にある状態へと移り変わったことを意味します。
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地質学者は、縞状鉄鉱床や赤色砂岩のような地層の形成年代を調べ大気中の酸素濃度の変遷を復元します。 図のように、酸素は23億年ごろに急増し、その後も増加を続けていきます。 こうした地球環境の変化と相まって、地球の生物もバクテリアから単細胞の真核生物へ,さらに多細胞生物へと進化していきました。
[イミダス2002年度版より]
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