歴史時代のエル・ニーニョ

ペルーの古文書を読む

6VSvery strong
5S+strong +
4Sstrong
3M+moderate +
2Mmoderate
1M-moderate -
0 neutral or cold
Quinn(1987)による、エル・ニーニョの強さの分類
強度
1497S
1510M
1518M+
1520M
1525/26M
1531/32M
1539/41S
1544M+
1546/47S
Quinn(1987)のリストより
全体は、左のリンク先を。
エル・ニーニョが発生すると、海岸の近くでは温暖海水が停滞し、陸域では大雨・洪水が発生する。
Quinn (1987)は、古文書や航海日誌からペルー周辺の気象記録を収集し、エル・ニーニョ発生年に見られる現象をピックアップした。そうやって、エル・ニーニョの発生したと考えられる年をリストにし、また、それぞれのエル・ニーニョの規模を推定している。
Quinnは、エル・ニーニョの強度を右のように分類した、
では、1522年から1987年のエル・ニーニョの強さを表にしている。

ナイル川の水位変動を読む

太平洋から離れたアフリカの気候変動も、インド・モンスーンやENSOサイクルと相関がある。こうした、広い範囲の気候の密接な関連を、テレコネクションと呼ぶ。
ナイル川源流域では、エル・ニーニョ現象が発生すると降水量が減少する傾向がある。そこで、歴史史料に残されたナイル川の氾濫の記録から、エル・ニーニョの発生年を突き止める研究がなされている。表にQuinn (1992)がまとめた、西暦622年から1522年までの、エル・ニーニョの発生した可能性のある年を示す。
629 632 642 650 662 678 683 687/89 691 693/96
702 705 713 721 723 726 733 735 737 740 756 759 761/65 767 769/73 776 779/82 785 788/89 791/92 794 796/97 799
802/03 811/12 817/18 828 830 832/34 836/37 841/42 847/48 850/52 881 885 887/88 894/95 897
903 907 917 927 931 939 941/42 945/51 963/67 977982 989 996
1007/08 1023 1036/37 1057 1066 1072 1085 1096
1122 1144 1159
1200/02 1210 1219 1230/31 1234 1244 1290 1297/98
1305 1309 1313 1321 1326 1334 1337/38 1340 1348 1350/51 1363 1370 1373 1380 1385 1389 1393/94 1399
1401 1403 1408 1418 1420 1424 1427 1433 1449/51 1459 1461/62 1466 1468 1474 1484 1490 1492 1497
1504 1510 1518 1520
Quinn(1992)による、AD 622–1522のエル・ニーニョ発生年
文献
Quinn, WH. 1992. “A study of Southern Oscillation‐related climatic activity for AD 622–1900 incorporating Nile River flood data”. El Niño: Historical and Paleoclimatic Aspects of the Southern Oscillation. Diaz, HF; Markgraf, V, ed. Cambridge, Cambridge University Press.