エル・ニーニョの歴史

珊瑚礁を掘削する

サンゴ礁のボーリング・コア掘削のようす
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サンゴ礁のボーリング・コア掘削のようす
大雨、干ばつ、竜巻、……世界のあちこちで発生する異常気象。異常気象とは、何十年に1度起こるか起こらない気象現象のこと。近年、異常気象の発生がエル・ニーニョ現象と関わっているのではないかと考えられるようになっている。しかし、個々の気象現象の因果関係をエル・ニーニョと結びつけることはむずかしい。
科学機器による観測データが蓄積されているこんにち、エル・ニーニョの発生や推移を予測するため、リアルタイムで地球観測がなされている。その一方で、エル・ニーニョ現象の歴史に関する研究も始まっている。
海洋科学者は、珊瑚礁の珊瑚の縞に刻まれた海洋変動の歴史を読むため、南太平洋の島々に出かけていって試料を採集している。水中で試料を採集するため、特殊なコア採集装置を用い、海に潜って作業を行う。こうして得られた試料からエル・ニーニョの歴史が解き明かされようとしている。一方、雪氷学者は、ペルーやヒマラヤの山岳氷河を掘削し、氷河に刻まれた歴史にエル・ニーニョの足跡を見出そうとしている。そうした研究の蓄積によって、エル・ニーニョの発生と太陽活動の関連性が示唆されている。