サンタ・バーバラ海盆

ラテン表記
Santa Barbara Basin
緯経度
北緯 34°15′ (+34.25°) / 西経 120°00′ (-120.00°)
Kennedy and Brassell (1992)は、カリフォルニア湾のサンタ・バーバラ海盆で採集された縞状堆積物の有機分析を行い、20世紀に発生したエル・ニーニョ事件を検出している。彼らは、堆積物中の長鎖アルケノンの不飽和度パラメータが海水温度と相関があることを用いている。図から、アルケノンの不飽和度から推定された海水温の高い年は、歴史時代のエル・ニーニョイベントと対応していることがわかる。
カリフォルニア沖のサンタ・バーバラ海盆では、明瞭なラミナを示す堆積物が認められている。ここの堆積物のラミナは厚さ1 mm以下の細かい地層の繰り返しからなり、個々のラミナは陸源物質と珪藻の遺骸の組み合わせ(カップレット)からなる。
Bull et al. (2000)は、ODP site893で回収されたコアのうち、深度112~127 cmの部分のラミナの厚さを計測した。この深度の地層は16万年前に堆積した。ラミナの枚数は168枚で、陸源物質と珪藻の繰り返しから年縞であると解釈された。そのスペクトル解析から、3.~8.4年の周期性が検出された。このような数年スケールの変動はENSOを反映していると考えられる。16万年前の堆積物にENSOサイクルが認められたことは、ENSOが第四紀後期から現在まで持続してきたことを物語っている。
文献
Bull, D; Kemp, AES; Weedon, GP. 2000. A 160‐k.y.‐old of El Niño‐Southern Oscillation in marine production and coastal runoff from Santa Barbara Basin, California, USA. Geology, 28, 1007–1010.
Kennedy, JA; Brassell, SC. 1992. Molecular records of twentieth‐century El Niño events from the Santa Barbara Basin. Nature, 357, 62–64.