衝撃変成作用

天体が地球に衝突すると衝突点近傍の岩石は衝撃波の通過の際に圧縮され、一時的に高温・高圧状態になる。また、衝撃圧縮によって歪速度のきわめて大きな変形を受ける。このとき衝撃波にさらされた岩石や鉱物は、高圧下で安定な鉱物に転移し、さらに大きな熱や圧力を受けると融解状態になることもある。また、塑性変形を受けて特徴的な岩石組織、鉱物組織を受けるようになる。
1950年代以降、クレーターの地下構造の探査が行われ、採集されたコアの岩石記載が盛んに行われるようになり、衝撃を受けた岩石の記載が飛躍的に進んだ。その成果は、1968年にB.M. FrenchとN.M. Shortによってとりまとめられ、論文集『Shock metamorphism of natural materials(天然鉱物の衝撃変成)』として出版された。